2010年03月26日
『九条歌人の会』のこと。
・東京の萩原です。
自宅に送達されていた『憲法九条を守る歌人の会』(九条歌人の会)の会報『歌のひびき』を読む時間が、やっとできた。この会報には表紙の題号上に「歌に兵戈は無用です」という標語が記されている。
ピースボート『地球一周の船旅』第54回クルーズが横浜港に帰航したのは、忘れもしない2006年10月29日(日)であった。それから僅か5日後の11月3日(金・祝)に東京・渋谷区の千駄ヶ谷地区会館において「憲法擁護集会」が開催され、妻・節子とともに参加した。この日は"文化の日"と定められているが、実は日本国憲法が発布された日である。私の記憶が正しければ、この日が発布から60年だ。
下船から間もないこともあり、船上の興奮(笑)を携えたかのような船友も何人かは参加しており、岩崎由美子さんや渡辺里香さんらのピースボート・スタッフの顔も見えた。集会終了後には参加者全員で明治公園まで街頭デモ行進。原宿駅前では暴言を吐く者も現れた。全く久し振りのデモ行進に参加し、かつての"血"が蠢き出した。
ピースボートの船上での反戦・平和活動は、実にゆるいものであり、いわゆる活動家といわれる人たちには、余りに物足りないであろう。乗船前には、新聞も読まず、平和とは何、憲法九条とは何、パレスチナ問題とは何だ、といった連中をたくさん知っている。これらの若い連中たちでさえ、船上での水先案内人(区間乗船のゲストスピーカー)の講座を一回は聴講し、しゃべり場でのトークに加わっている。その結果、下船するころには、ユルユルとした平和主義者に変わる。私は、このようなゆるやかな教育というか方法論を良しとしている。
さて、話が大分横道に反れてしまったが、下船後に『憲法九条を守る歌人の会』(九条歌人の会)の活動に協力するようになったのである。この会は比較的年配の方々が多いため余り活発な活動はしていない。しかし、戦前の歌人たちの烈々たる平和への思いや、戦中~戦後の塗炭の苦しさを乗り越えてこられた年配者たちの体験談は、得難い。手許にある『歌のひびき』誌上にも、土岐善麿の「友の惨死」と題された4首の短歌に関しての著述があり、根底にある平和思想を思う。
文末に"情熱の歌人"と呼ばれた与謝野晶子による詩を掲げておく。これは晶子が日露戦争に出征した実の弟を想い、書き記したといわれる。戦時気分が昂揚する時代にあってかなり反発もあった話題作。
君 死にたまふことなかれ
(旅順の攻囲軍にある弟宗七を嘆きて)
ああ、弟よ、君を泣く、
君死にたまふことなかれ。
末に生まれし君なれば
親のなさけは勝りしも、
親は刃をにぎらせて
人を殺せと教へしや。
人を殺して死ねよとて、
二十四までを育てしや。
堺の街のあきびとの
老舗を誇るあるじにて、
親の名を継ぐ君なれば、
君死にたまふことなかれ。
旅順の城はほろぶとも、
ほろびずとても、何事ぞ。
君は知らじな、あきびとの
家のおきてになかりけり。
君死にたまふことなかれ。
すめらみことは、戦ひに
おほみずからは出でまさね、
互に人の血を流し、
獣の道に死ねよとは、
死ぬるを人の誉れとは、
おおみこころの深ければ
もとより如何で思されん。
ああ、弟よ、戦ひに
君死にたまふことなかれ。
過ぎにし秋を父君に
おくれたまえる母君は、
嘆きのなかに、いたましく、
我子を召され、家を守り、
安しとき聞ける大御代も
母の白髪は増さりぬる。
暖簾のかげに伏して泣く
あえかに若き新妻を
君忘るるや、思へるや、
十月も添はで別れたる
少女ごころを思ひみよ、
この世ひとりの君ならで
ああまた誰を頼むべき。
君死にたまふことなかれ。
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2010年03月10日
広告表現の地平をみつめながら。
東京の萩原です。
昨年来、編集作業に取り組んでいた単行本を、先月末にやっと上梓した。
書名は『広告を超える広告』。著者は小学校以来の旧友である足立勝彦氏。
元・電通ブランド クリエーション局長/現・京都学園大学 経営学部教授。
私自身が新聞記者を経てカメラメーカー宣伝部のコピーライターとして
広告表現の現場に深く関わってきたので、関心度も高く、編集にも力が
入った結果として、発行までの時間がかなりかかってしまったのは事実。
本書はサブタイトルとして「ブランド・ストウリィ」と冠してあるように、
各社の商品ブランド別テレビ広告表現とライバル商品との対比を主軸に
した展開とした。最も苦労した一つは、広告表現著作権問題であったが、
TV-CMイメージボードの制作を担当してくれた若手イラストレーター氏
との出会いがこの難問を解決してくれた。以下、概要を記しておきます。
・書名:『広告を超える広告』
・著者:足立勝彦
・編集:萩原優治
・発行:株式会社 愛育社
・所在地:東京都千代田区猿楽町1-4-11
・電話番号:03-3291-8600
・定価:本体¥1,800
ご参考までに、目次の一部を以下にご紹介させていただきます。
・「アジアンビューティ」へ覚醒す
・「TUBAKI」の力、みたか
・「ホンダオデッセイ」、刺々しく生きろ
・「サントリーボス」、巨人「ジョージア」に肉薄できるか
・「日清カップヌードル」、解放という名の商品
・「日清カップヌードル」、時代はカップヌードルが創る
・「伊右衛門はん」おきばりやす
・「SoftBank」、愛とユーモアのホワイト犬現る
・「ポカリスエット」の青い旗は常にはためく
・「広辞苑」、古くも新しい手法で波を掴む
・「アサヒスーパードライ」、あのスーパー物語は遺物化したのか
・「クレラップ」、くるりちゃんの秘密
・「レクサス」は「ベンツ」を超えられるか
・「サントリーオールド」、恋は遠い日の花火なのか
・「チワワ」、あだ花と化した犬?
・「赤いきつねと緑のたぬき」、武田鉄也は三木のり平になれるのか
・「日産サニー」自滅す
・「21世紀の道しるべたち」
広告表現の地平をみつめ、刺々しく、毒々しく、雄々しく語った心算です。
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『広告を超える広告―ブランドストウリィ』
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