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第86回クルーズレポート

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Life Onboard

不可視化の死刑制度

鎌田慧さん(ルポライター)/ブロードウェイラウンジ

2015年02月25日

日本における死刑容認率は約80%――こんな統計を目にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。実際、2015年2月の内閣府による世論調査 では、80.3%が「場合によっては死刑もやむを得ない」という選択肢を選んだと報じられています。「死刑」と言うと、こうした「賛成/反対」の議論に結びつきがちですが、そもそも「死刑」とは何なのか――。ルポライターとして、「死刑囚」への取材を重ねてきた水先案内人・鎌田慧さんと考えました。

導入としてマイクを取ったのは、この間、死刑や冤罪に関する講座に多く関わってきたピースボートの河内千鶴。河内は、数年前に参加したピースボートのクルーズで、鎌田慧さんらによる死刑や冤罪に関する講座から興味を抱き、裁判の傍聴や「死刑囚」との面会・文通を続けています。こうした体験を通じて、「死刑制度」について疑問を抱くようになったと語ります。「私たちは死刑について、深く考えることなく、その制度を維持してしまっているのでは――」と投げかけます。

今回の講座作りに携わった参加者の片島美竹さん。「知り合いが裁判員に選ばれたことから、冤罪や死刑制度について考えるようになった」そして「犯罪を犯したからといって、罰として“人を殺す”ことには違和感を感じる」と話します。

高校で「永山事件」について学ぶ機会があったという乘村知恵美さん。「それまでは、“人を殺したら死刑”は妥当だと思っていました。でも、永山さんの事件の背景や、その後の人生を知ると、解らなくなりました。とはいえ、被害者や遺族の方の気持ちも考えると……。答えは見つかりません」 時折言いよどむように、言葉を選びながら語ります。

これまで「死刑囚」や冤罪事件の取材を重ねてきた鎌田慧さん。先日、再審請求が認められ釈放された袴田巌さん、死刑判決が覆され無罪となった谷口繁義さん、殺人を犯した背景やその後の人生に注目が集まったほか、現在の死刑制度に大きな影響も与えた永山則夫さん――。彼らを取材したエピソードやその言葉、そして「冤罪」や「死刑制度」について語ります。
スクリーンに投影したのは、死刑が執行される刑場の写真。僧侶や牧師と最期の言葉を交わす教誨室、3人の執行人が手をかける執行のボタン、首に縄をかけて立つ足元の四角い踏み板……。こうした写真を初めて見た、という方も多かったよう。

「日本では古くから『仇討』が美談とされてきました。こうした文化を考えると、死刑廃止は難しいかもしれません。フランスがミッテラン政権の誕生によって死刑を廃止したように、政権が変わるようなタイミングでしか、死刑制度を動かす方法は見つかりません」 日本において死刑制度を捉える難しさをこう語ります。その上で、私たちひとりひとりが死刑について、正面から考えるよう呼びかけます。

「戦争と死刑――その背景にある『憎悪』は似通ったもの。このことを私たちは、もっと考えなければいけない」
鎌田さんの言葉に多くを考える講座となりました。

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