コーチンから乗船された水先案内人のアントニス・ロンポスさんは、神経科医や大学教授として活躍する一方、長年にわたり、アテネでホームレスの人々への支援活動をしてきました。本日は、実は私たちの誰もがなりうる「ホームレス」について解説していただきます。
皆さんは「ホームレス」と聞いてどんなことを思い浮かべますか?東京や大阪など都会の路上で、段ボールの家に暮らす人びと?
「ホームレス」の定義は広く、まったく住む場所がなく路上生活をしている人から、路上生活ではなくとも自分の家を持たずにシェルターなどで生活している人までを含みます。 そうなる理由もさまざまで、失業や離婚、病気、アルコールやドラッグの依存症など多岐にわたります。行政・社会が彼らとどう向き合うかなど、ホームレス問題の解決への道のりは、決して容易ではありません。
日本だけでなく、さまざまな国が抱えている問題であり、 炊き出しなどの食糧支援や短期・長期的な住居の提供、社会復帰の手助けなど、それぞれの国の状況によって、その支援の形態も変わってきます。
参加した60代の女性は、「ホームレスの定義が、私たちのイメージとまったく違うことに驚きました。ただ単に食べ物や住むところで困っているだけはなく、精神的な疎外感を抱えていることを初めて知りました。」そう感想を語ってくれました。