04.03
オーロラが発生する原理は?メカニズムや色の違いをわかりやすく解説
幻想的な光のカーテン、オーロラ。一生に一度は見てみたいものです。
そんな「オーロラの原理はどうなっているのか」と疑問に思う人も少なくないはず。本記事では、オーロラの発生メカニズム、色の違い、さまざまな形状など解説します。
最後にはオーロラ鑑賞ができるクルーズプランを紹介しますので、ぜひご参考ください。
目次
オーロラはどうやって発生する?
オーロラの原理は、太陽から放出されたプラズマが地球の大気とぶつかり、光ることで発生します。具体的には、太陽からのプラズマが「太陽風」として地球に到達し、地球の磁場(地磁気)によって極地(北極や南極)付近に導かれます。そこで大気中の酸素や窒素の原子と衝突し、エネルギーを放出する際に空気が光ることでオーロラが発生するのです。
オーロラ発生のメカニズム
オーロラが発生する原理を詳しく見ていきましょう。
- 太陽活動で発生するプラズマ
- 太陽風によるプラズマの放出
- 地球の磁力で極地に近づく
- 酸素や窒素と衝突して発光
以上の4つを解説します。

太陽活動で発生するプラズマ
太陽は巨大なエネルギーを持っており、その表面では常に高温のガスが激しく動いています。この高温のガスは電気を帯びた粒子で構成されており、「プラズマ*」と呼ばれます。
*プラズマ:電子とイオンが自由に動くことができる、固体・液体・気体に次ぐ“第4の物質の状態”
太陽表面では、強力な磁場の変動によってプラズマが噴き出すことがあります。これを「太陽フレア」や「コロナ質量放出(CME)」と呼び、大量のプラズマが宇宙空間へ放出されます。この放出されたプラズマが地球に影響を与える「太陽風」となるのです。
太陽風によるプラズマの放出
太陽から放出されたプラズマは、「太陽風」として宇宙空間を高速で移動します。太陽風の速度は平均で秒速300~800kmにも達し、時速に直すとおよそ100万km〜280万kmのとてつもないスピードです。太陽と地球の距離は約1億5000万kmですが、2〜3日で地球に到達します。この太陽風は、電子や陽子などの荷電粒子で構成されており、常に地球へ向かって吹きつけています。
地球の磁力で極地に近づく
地球は強力な磁場を持ち、その磁力によって「磁気圏」と呼ばれる領域を形成しています。磁気圏は、宇宙空間から飛んでくる太陽風を防ぐバリアの役割を果たしますが、すべてを遮断できるわけではありません。太陽風が強まると地磁気のバリアを突破し、一部のプラズマが地球の磁力線に沿って北極や南極の高緯度地域へ導かれます。
この磁力線は、地球の赤道付近ではほぼ水平ですが、極地では垂直に近い形で大気に向かっています。そのため、磁気圏を突破したプラズマは極地へ集中しやすくなるのです。
酸素や窒素と衝突して発光
極地付近に導かれたプラズマは、地球の大気中の酸素原子や窒素分子と衝突します。この衝突により、酸素や窒素の電子が励起*状態となりその後、元の状態に戻る際に光を放出します。これがオーロラの原理とされており、美しい光の正体です。
*励起:原子や分子がエネルギーを吸収し、通常より高いエネルギーの状態になること
緑と赤は何が違う?オーロラに複数の色がある理由
オーロラの色の原理は、発生する高度や衝突する大気中の成分によって異なります。高度が高すぎると大気の密度が低下し、プラズマが大気中の原子と衝突しにくくなるため、オーロラは発生しません。
赤色のオーロラは、高度約500~200kmで発生し、酸素原子との衝突によって生じます。この高度では大気の密度が低いため、酸素がゆっくりとエネルギーを放出し、波長の長い赤い光となります。衝突しにくいためオーロラが発生する確率も高くありません。
緑色のオーロラは、高度約200~100kmで酸素原子と衝突することで発生します。この高度では大気の密度が高く、エネルギーも大きいのでより強く励起して緑色に発光します。オーロラの中で1番発生しやすい色です。
また、高度100km〜80kmでは窒素分子と衝突することで紫やピンクのオーロラも発生します。ただし窒素原子を多く含む高度にプラズマが到達するためには、かなりのプラズマ(エネルギー)が必要となるため、こちらも赤色のオーロラと同様に観察されにくいです。
このように、オーロラの色にも原理があり、発生する高度やプラズマのぶつかる大気中の元素によって変化するのです。
オーロラにはどんな形がある?
オーロラは、その時々のプラズマの状態や大気の条件によって、さまざまな形状を見せてくれます。おもな形状として以下のものが挙げられます。
- カーテン状のオーロラ:多くの人がイメージする形で、垂れ下がるカーテンのように見えます
- コロナ状のオーロラ:非常に活発な状態で、オーロラ爆発とも呼ばれ、放射状に広がる形をしています
- アーチ状のオーロラ:帯状に広がる、よく見られる形で、空に弧を描くように現れます
気象状況によって見られるオーロラの形は違い、二度と同じものは見られません。
【2026〜2027年】オーロラ鑑賞ができるクルーズプランを紹介
※本記事にはピースボートクルーズで訪問しない場所も含まれています。詳しくは各クルーズのご案内をご覧ください。
最後に、オーロラ鑑賞ができるおすすめのクルーズプランを2つ紹介します。
地球一周の船旅 2026年8月 Voyage124
オーロラ鑑賞に良いとされている時期の10月に向かいます。レイキャビク(アイスランド)への航行中にオーロラチャンスが5日間。晴れ間を目指して移動するため、オーロラを見られる確率が高いツアーです。
オーロラ鑑賞以外に、空中都市マチュピチュ(ペルー)、世界遺産の街並みをもつダナン(ベトナム)、アドリア海の真珠と称されるドブロブニク(クロアチア)などにも寄港します。
オーロラと共に世界各地の街並みと古代都市が堪能できる、世界一周クルーズプランです。
地球一周の船旅 2027年8月 Voyage127
こちらもオーロラチャンスはベストな季節の10月中の5日間。ベルファスト(イギリス)からレイキャビク(アイスランド)へ航行中です。上記と同様にオーロラが鑑賞できる確率は非常に高いでしょう。
ほかに、世界遺産の宝庫・ポートサイド(エジプト)、世界有数の大都市・ニューヨーク(アメリカ)、異国情緒あふれる文明の十字路・イスタンブール(トルコ)、地中海に浮かぶ中世の城塞都市・バレッタ(マルタ)など多くの街にも寄港します。
オーロラ以外にも情緒あふれる風景や美しい街並みを満喫できる、地中海・中南米・南太平洋を巡る世界一周クルーズプランになります。







