06.19
グランドキャニオン国立公園の3大観光エリアや行き方を徹底解説
雄大な自然が生み出した奇跡、グランドキャニオン国立公園。切り立った渓谷、地平線まで続く絶景、そして空を染める夕焼けは、訪れる人の心を奪います。
本記事では、3大観光エリアの特徴や見逃せない絶景スポット、さらに日本からのアクセス方法や周辺の人気スポットまで、グランドキャニオンを余すことなくご紹介します。
目次
世界遺産のグランドキャニオン国立公園とは
グランドキャニオンはアメリカ合衆国アリゾナ州の北部に位置し、コロラド川によって削られた巨大な峡谷です。その長さは約446km、幅は最大で29km、最深部は約1.8kmにも及び、地球の地形とは思えない壮大な風景が広がっています。
広大な国立公園として管理されており、その面積は約4,926平方キロメートルで東京都のおよそ2倍以上に相当します。この広さの中に多様な生態系や地形が共存しており、エリアごとに異なる景色が待っています。このスケール感に訪れた人々は皆、息を呑みます。
グランドキャニオンは1979年に世界遺産(自然遺産)として登録されました。地球の進化の記録が見られる貴重な地質構造や独特の地形と圧倒的な自然美、登録理由として挙げられます。
地形は、20億年前の地層から現在までの地質が積み重なってできたもので、まるで地球の年輪を見るかのような構造をしています。この地層の積み重なりが示す地球の歴史は、科学的な価値が非常に高いとされています。

グランドキャニオン国立公園の基本情報
ここではグランドキャニオンの基本情報を見ていきます。
| 所在国 | アメリカ |
| 国旗 | |
| 世界遺産登録名 | グランド・キャニオン国立公園 |
| 世界遺産分類 | 自然遺産 |
| 世界遺産登録年 | 1979年 |
| 言語 | 英語 |
| 通貨 | アメリカ合衆国ドル(USD):United States Dollar |
| 為替レート | 1米ドル:145円(2025.6月時点) |
| 物価 | 日本の2倍ほど:水500ml(約300円〜) |
| 時差 | UTC-8、JST-17(日本-17時間)*サマータイムは左記+1時間 |
| 平均気温 (ギョレメ国立公園) | 暖かい時期(6〜9月):最高平均26℃、最低平均6℃ 涼しい時期(11月〜3月):最高平均9℃、最低平均-6℃ |
| 観光ベストシーズン | 5・6・9月:気温がちょうど良い時期 |
グランドキャニオン国立公園の3大観光エリア
グランドキャニオン国立公園は、その広大な敷地を「サウスリム」「ノースリム」「ウエストリム」*の3つのエリアに分けて楽しむことができます。それぞれ特徴が異なり、旅行のスタイルや訪れる季節によって選ぶエリアも変わってきます。
*リムとは:英語「rim」(縁:ふち)のことで、「崖の上」を指します。
ここでは、定番エリアのサウスリム、ゆったりと自然を満喫できるノースリム、そして絶景でスリル満点のウエストリムを詳しく紹介します。
サウスリム(南壁)|初心者にも人気の定番エリア
グランドキャニオン観光の王道といえばサウスリム。アクセスが良く、展望ポイントやトレイル、宿泊施設、シャトルバスなど観光インフラが整っているため、初めての方にも安心して楽しめます。
高台からは、断崖の向こうに広がる雄大な渓谷美を一望できるのも魅力。日の出・日の入りの名所としても知られ、フォトジェニックな瞬間がいくつもあります。
公園の中心であるグランドキャニオン・ビレッジにはビジターセンターやミュージアムもあり、自然と歴史のそれぞれに触れることができます。
ノースリム(北壁)|静かに自然を満喫できる穴場
より静かなグランドキャニオンを体感したい方にはノースリムがぴったり。標高2,400mとサウスリムよりもやや高く、気温は年間を通して低めです。
冬季は積雪により閉鎖されるため、訪問できるのは5月〜10月頃に限られますが、観光客が少なく、人混みを避けたい場合に良いです。深い森林とともに、対岸に広がるサウスリムの自然を静かに眺める贅沢な時間は格別です。
展望台やトレイルも整備されていますが、自然との共生を重んじたエリアのため、施設は最小限。自然本来の魅力を味わいたい方におすすめです。
ウエストリム(スカイウォーク)|絶景とスリルを同時に体験
スリルを求めるなら、グランドキャニオン・ウエストリムへ。ここには“空中散歩”を体験できるガラスの橋「スカイウォーク」があります。上空に張り出したU字型の展望台からは、真下に峡谷の断崖絶壁が見え、足がすくむような感覚に。
ウエストリムは国立公園の管轄ではなく、先住民ワラパイ族が運営しているエリアのため、独自の文化に触れられます。ラスベガスからのアクセスも他のエリアよりも良く、日帰り観光にも人気のスポットです。大自然とスリルが融合したエリアです。
グランドキャニオン国立公園のおすすめ絶景スポット
広大なグランドキャニオンには、展望台やトレイルなど絶景に出会えるスポットが点在しています。見る角度や時間帯によって表情を変える大地は、何度訪れても新鮮な感動を与えてくれます。
特に人気の高い4つのビューポイントの紹介です。
マザーポイント|日の出の名所
サウスリムのビジターセンターから徒歩ですぐアクセスできるマザーポイントは、グランドキャニオンを象徴する景観が広がる人気スポットです。特に美しいのは早朝、朝日が大地を染める瞬間。峡谷の層がオレンジやピンクに照らされ、静寂の中に力強さが宿ります。
デザートビューポイントとウォッチタワー
サウスリム東端に位置するデザートビューポイントは、やや離れた場所にある分、視界が開けており遠くまで見渡せるのが特徴です。
ここに建つ高さ21mのウォッチタワーは、ネイティブアメリカンの遺跡を模して設計された展望台で、内部には美しい壁画が描かれています。グランドキャニオンのスケール感と歴史の重みを感じられるスポットです。
ブライトエンジェル・トレイルを歩く
グランドキャニオンの魅力をより深く味わいたいなら、ブライトエンジェル・トレイルの散策もおすすめです。このトレイルはサウスリムのグランドキャニオンビレッジから谷底に向かって伸びており、本格的な登山ルートとしても知られています。
初心者でも途中の「1.5マイルレストハウス」までの往復であれば、日帰りで安全に楽しむことができます。道中には美しい岩壁や峡谷の断面が広がり、刻一刻と変化する景色に圧倒されます。
スカイウォークから見下ろす断崖絶壁
ウエストリムの目玉アトラクションであるスカイウォークでは、渓谷の上にせり出したガラスの床から足元の断崖を覗き見ることができます。高さ約1,200mの谷底が広がり、足がすくむスリルと圧倒的なスケールに圧倒されます。
天気の良い日には、澄みきった空気の中に広がる峡谷のパノラマが見渡せ、まるで空を歩いているかのような感覚になります。
近隣の人気観光地も巡る!グランドサークル周遊案内
グランドキャニオンを中心としたアメリカ南西部には、壮大な自然が点在しています。この一帯は「グランドサークル」と呼ばれ、車やツアーを利用して効率よく絶景スポットを巡ることができます。
せっかくグランドキャニオンを訪れるなら、周辺の名所にも足を延ばして、より深くアメリカの大自然を体感してみてはいかがでしょうか。
アンテロープキャニオン
アンテロープキャニオンはアリゾナ州ページ近郊にある幻想的なスロット・キャニオン。波打つような岩壁に陽光が差し込む様子は、まさに自然が創り出したアート作品です。
特に「アッパー・アンテロープキャニオン」では、一定の条件で現れる光線を「ザ・ビーム」と呼び、世界中の写真家が訪れる人気スポットとなっています。
見学には先住民ナバホ族によるガイドツアーへの参加が必須で、人数制限もあるため早めの行動が肝心です。幻想的な空間に身を置く体験は、一生の思い出になるでしょう。
モニュメントバレー
赤い大地に立ち並ぶ巨大な岩山が印象的なモニュメントバレーは、アメリカ西部の象徴ともいえる景勝地です。先住民族ナバホ族の聖地でもあり、訪れる人々はその神秘的な雰囲気に心を打たれます。
ビジターセンターから望む景色は特に有名で、「ジョン・フォード・ポイント」からの眺めは映画のワンシーンのよう。グランドキャニオンからは車で約3〜4時間ほどと、アメリカ南西部の壮大さを感じるには外せない場所です。
ホースシューベンド
ホースシューベンドは、コロラド川が馬の蹄鉄(ホースシュー)の形に大きく蛇行している地形が見られるスポットです。駐車場から展望ポイントまでは片道15分ほどで到着します。
アリゾナ州ページ近郊に位置し、アンテロープキャニオンから9マイルほどで行けるので、セット訪問が人気です。
セドナやアーチーズ国立公園など、自然の絶景スポット
セドナは「レッドロック」と呼ばれる赤い岩山に囲まれたスピリチュアルな街で、癒やしのエネルギーが満ちる「ボルテックス・サイト」が有名です。トレッキングやヨガ体験など、自然と心を通わせるアクティビティが豊富で、リラックスした時間を過ごせます。
アーチーズ国立公園(ユタ州)には、2,000以上の天然の石のアーチが存在しており、「デリケートアーチ」や「ランドスケープアーチ」など、個性的な岩の造形が楽しめます。
観光前に知っておきたい気候・服装・持ち物
グランドキャニオンは標高が高く、季節や時間帯によって気温差が大きいため、訪問前に気候や適切な服装、持ち物を把握しておくことが重要です。ここでは、季節ごとの気温の特徴やベストシーズン、服装のポイント、持ち物チェックリストを紹介します。
季節ごとの気温と天候の特徴
グランドキャニオンの気候は、標高や地形の影響を受けて変化します。以下は、サウスリムの月別平均気温です。
| 月 | 最高気温(°C) | 最低気温(°C) |
| 1月 | 5 | -8 |
| 2月 | 7 | -6 |
| 3月 | 11 | -4 |
| 4月 | 16 | 0 |
| 5月 | 21 | 4 |
| 6月 | 27 | 8 |
| 7月 | 29 | 12 |
| 8月 | 28 | 12 |
| 9月 | 24 | 8 |
| 10月 | 18 | 2 |
| 11月 | 11 | -3 |
| 12月 | 6 | -7 |
このように、夏でも朝晩は冷え込むため、重ね着できる服装が望ましいです。また、冬は積雪や凍結の可能性があるため、防寒対策が必要です。
ベストシーズンは春と秋が快適
グランドキャニオンの観光に最適な時期は、春〜初夏(4月〜6月)と秋(9月〜10月)です。これらの季節は、気温が穏やかで天候も安定しており、快適に観光を楽しむことができます。この中でもとくに、5・6・9月は気温がちょうど良く、過ごしやすいのでおすすめです。
春は新緑が美しく、日中は過ごしやすい気温ですが、朝晩は冷え込むため、薄手の上着が必要です。秋は紅葉が見られ、日中は暖かいものの、朝晩は寒くなることがあります。
高低差による気温変化に注意|服装ガイド
グランドキャニオンは標高差が大きく、リムと谷底では気温が大きく異なります。リムでは涼しくても、谷底では気温が高くなることがあります。特に夏場は、谷底の気温が40℃を超えることもあるため、注意が必要です。
服装のポイントを紹介します。
- 春、秋:日中は長袖シャツや薄手のジャケット、朝晩はフリースやセーターなどの防寒着を用意。
- 夏:日中は半袖やショートパンツで過ごせますが、朝晩の冷え込みに備えて薄手の上着を持参。また、日差しが強いため、帽子やサングラス、日焼け止めも必須。
- 冬:ダウンジャケットや手袋、帽子などの防寒具が必要。積雪や凍結に備えて、防水性のある靴や滑り止めも用意があると万全。
あると便利な持ち物チェックリスト
グランドキャニオン観光を快適に楽しむために、以下の持ち物を準備しましょう。
| 服や装備品など | 重ね着できる衣類(長袖シャツ、フリース、ジャケットなど) |
| 防寒具(冬季) | |
| 雨具(レインウェアや折りたたみ傘) | |
| 帽子 | |
| サングラス | |
| 履き慣れたスニーカーやトレッキングシューズ | |
| その他道具など | リュックサック |
| 水筒 | |
| 双眼鏡 | |
| ヘッドランプや懐中電灯 | |
| 地図、ガイドブック | |
| 日焼け止め | |
| カメラやスマートフォン | |
| モバイルバッテリー | |
| 常備薬や応急処置キット | |
| クッキーなどの軽食 |
日本からグランドキャニオン国立公園への行き方
グランドキャニオンへのアクセスは、まずアメリカ国内の主要都市を経由し、そこから陸路で向かうのが一般的です。
- ロサンゼルス空港(LAX):直行便で約10〜11時間
- ラスベガス空港(LAS): 直行便なし(乗継で約13〜14時間)
- フェニックス空港(PHX):直行便なし(乗継で約13〜14時間)
人気のルートは、ラスベガスからレンタカーまたはツアーを利用する方法。車でおよそ450kmでサウスリムに到着します。道中にはフーバーダムやルート66の名所もあり、ドライブ自体が観光になる楽しさがあります。
ツアーの場合は日帰りや1泊プランなどさまざまあるので、アンテロープキャニオンなどを組み合わせて一緒にまわるのもおすすめです。
また、フェニックスからは車で約380kmほど。こちらもレンタカーの利用が一般的です。ロサンゼルスから向かう場合は移動距離(約800km)が長いので、長距離の運転が可能な人や時間がある人に良いでしょう。
【2026〜2027年】アメリカに寄港するクルーズプランを紹介
※本記事にはピースボートクルーズで訪問しない場所も含まれています。詳しくは各クルーズのご案内をご覧ください。
アメリカを巡るなら、クルーズ旅行という選択肢もおすすめです。グランドキャニオンには訪れませんが、ピースボートクルーズの「地球一周の船旅」では、2026年・2027年にアメリカへ寄港する航路が複数予定されています。
グランドキャニオン以外にもアメリカには素晴らしいスポットがたくさんあります。アメリカに限らず、地球を一周し、多彩な寄港地を含むクルーズは、贅沢で数々のスポットが思い出に残る旅になるでしょう。
地球一周の船旅 2026年4月 Voyage123
こちらのクルーズは6月にニューヨーク、7月にホノルル(ハワイ)に滞在します。世界有数の大都市とリゾートを楽しめるプランです。
そのほかの寄港地には、運河に囲まれた美しき港湾都市・アムステルダム(オランダ)、「世界一美しい」と讃えられた街・カルタヘナ(コロンビア)、美しき港街・ナポリ(イタリア)、雄大な自然に彩られた北極圏の街・トロムソ(ノルウェー)など。ヨーロッパ・中米・北極エリアの各地の見どころをめぐる世界一周クルーズプランです。
地球一周の船旅 2026年8月 Voyage124
こちらのプランは10月にニューヨーク、11月にホノルル(ハワイ)に寄港します。Voyage123と同じく、アメリカの大都市と楽園を体験できるクルーズです。
アメリカ以外にも、文化と芸術を堪能できる都市・バルセロナ(スペイン)、世界遺産の宝庫・ポートサイド(エジプト)、古き良きを感じる街・ダナン(ベトナム)など、地中海・中南米・南太平洋を巡る、世界各地の街並みと古代都市が堪能できる世界一周クルーズプランです。さらにベルファスト(イギリス)からレイキャビク(アイスランド)への航行中にはオーロラを観れるチャンスもあります。
地球一周の船旅 2027年4月 Voyage126
こちらはニューヨークに6月に寄港。バンクーバー(カナダ)からスワード(アラスカ:アメリカ)への航行中にアラスカフィヨルド遊覧もあります。壮大なフィヨルドの大自然を体感できるのも魅力です。
ほかに、ポートサイドからレイキャビクまで、ヨーロッパ・地中海の地域で13の寄港地滞在します。ロンドン[ティルベリー](イギリス)や世界の南端に広がる自然美・プンタアレナス(コスタリカ)など各地の主要都市にも寄港する、ヨーロッパ・アラスカを巡る地球一周クルーズプランです。
地球一周の船旅 2027年8月 Voyage127
こちらのクルーズは10月にニューヨークに滞在します。レイキャビク(アイスランド)からの航行中にはオーロラを観るチャンスがあるのも大きなポイント。
ほかにも、世界遺産の宝庫・ポートサイド(エジプト)、ミステリアスな”絶海の孤島”イースター島(チリ)、大航海時代を象徴する華やかな街・リスボン(ポルトガル)、歴史を感じる街・ベルファスト(英国)など多くの街にも寄港します。
アメリカと共に世界各地の街並みと古代都市が堪能できる世界一周クルーズプランです。







