02.07
騎士団の歴史と世界遺産の島マルタ|治安やおすすめ観光スポットを解説
地中海の中央に浮かぶ小さな島国、マルタ共和国。イタリア・シチリア島の南約93kmに位置し、公用語は英語とマルタ語、通貨はユーロというヨーロッパを旅行する人にとってアクセスしやすい国です。街全体が世界遺産に登録された首都バレッタには、聖ヨハネ騎士団(マルタ騎士団)の歴史を今に伝える荘厳な建造物が並び、蜂蜜色の石造りの街並みをはじめ、絶景のブルーグロットや静寂の古都イムディーナ、牧歌的な風景が広がるゴゾ島など、小さな島国ながら多彩な観光スポットが訪れる人を魅了します。本記事ではマルタの基本情報から治安、気候に合わせた服装のアドバイス、そして地中海クルーズで訪れる魅力まで、詳しくご紹介します。
目次
マルタとは?地中海に浮かぶ小さな島国「マルタ共和国」の魅力
地中海のほぼ中央、イタリア・シチリア島から南へ約90kmの位置に浮かぶマルタ共和国。面積は東京23区の約半分にあたる約316㎢という小さな島国ながら、7,000年以上の歴史を持ち、世界遺産に登録された首都バレッタをはじめ、見どころが凝縮された魅力的な国です。
マルタ共和国は、マルタ島、ゴゾ島、コミノ島の3つの有人島と、いくつかの無人島から構成されています。古代から地中海交易の要衝として栄え、フェニキア人、ローマ人、アラブ人、そして聖ヨハネ騎士団など、さまざまな民族の支配を受けてきました。そのため「文明の十字路」とも称され、多様な文化が融合した独自の雰囲気を醸し出しています。
特に16世紀から約270年間マルタを統治した聖ヨハネ騎士団(マルタ騎士団)の足跡は、今なお街のいたるところに残されています。騎士団が築いた難攻不落の城塞都市バレッタ、豪華絢爛な聖ヨハネ大聖堂など、当時の栄華を今に伝える歴史的建造物は必見です。
また、マルタは英語が公用語のひとつであることから、近年は語学留学先としても注目を集めています。ヨーロッパでありながら比較的物価が抑えめで、温暖な気候と美しい海に囲まれた環境は、学びと観光を両立させたい方にとって理想的な滞在先といえるでしょう。

マルタ共和国の基本情報
マルタ旅行を計画する際に知っておきたい基本情報をまとめました。
| 項目 | 内容 |
| 正式名称 | マルタ共和国(Republic of Malta) |
| 首都 | バレッタ |
| 人口 | 約57万人(推計、2024年末時点) |
| 面積 | 約316㎢ |
| 公用語 | マルタ語、英語 |
| 宗教 | ローマ・カトリック |
| 通貨 | ユーロ(EUR) |
| 時差 | 日本より8時間遅い(サマータイム期間中は7時間遅い) |
| ビザ | 90日以内の観光はビザ不要 |
| 電圧・プラグ | 230V / 50Hz、プラグはType G(3つ穴)が主流 |
| 国旗 | ![]() |
マルタはシェンゲン協定加盟国のため、日本国籍であれば90日以内の観光はビザなしで入国できます。
通貨はユーロで、クレジットカードはVisa、Masterなど主要なカードが広く利用できます。チップの習慣があり、レストランでは会計の5~10%程度が目安となっています。(サービス料込みなら不要の場合あり)
マルタ観光のおすすめスポット5選
バレッタ(ヴァレッタ)地区|街ごと世界遺産級の景観が広がる首都
マルタの首都バレッタは、街全体がユネスコ世界遺産に登録されている稀有な都市です。1565年のオスマン帝国による大包囲戦(グレートシージ)を経験した聖ヨハネ騎士団が、難攻不落の要塞都市として設計・建設しました。街の名は、建設に尽力した騎士団長ジャン・パリゾ・ド・ラ・ヴァレットにちなんでいます。
城塞都市ながらバレッタは歩いて回れるコンパクトな街で、メインゲートから先端の聖エルモ砦まで徒歩約20分ほど。石畳の路地を歩けば、ハチミツ色のマルタストーンで造られたバロック建築の美しい街並みが続きます。
おすすめのビュースポットは、グランドハーバーを一望できるアッパー・バラッカ・ガーデン。毎日正午と午後4時には礼砲が発射され、その瞬間を見守ろうと多くの観光客が集まります。庭園からは対岸のスリー・シティーズも眺められ、マルタの歴史と絶景を同時に楽しめる場所です。
聖ヨハネ大聖堂|騎士団の歴史と芸術に出会う荘厳な大聖堂
バレッタの中心に建つ聖ヨハネ大聖堂(聖ヨハネ准司教座聖堂)は、1578年に聖ヨハネ騎士団が守護聖人・洗礼者ヨハネを称えるために建立した聖堂です。マルタ人建築家ジェロラモ・カッサールによる設計で、外観はシンプルなバロック様式ながら、一歩内部に足を踏み入れると息をのむほどの豪華絢爛な世界が広がります。
天井一面には、イタリアの画家マッティア・プレッティが6年の歳月をかけて描いた聖ヨハネの生涯を表す壮大な天井画が広がります。床には約400枚もの色鮮やかな大理石の墓碑が敷き詰められ、騎士団員たちの紋章や死を象徴するモチーフが刻まれています。
見逃せないのが併設の美術館に展示されているカラヴァッジョの傑作「洗礼者ヨハネの斬首」です。これはカラヴァッジョが唯一サインを残した作品であり、光と影の劇的なコントラストが見る者を圧倒します。
なお、聖堂内は露出の多い服装は控えましょう。床保護のため細いピンヒール等が禁止されていることにも注意が必要です。入場料には日本語対応のオーディオガイドが含まれており、歴史や芸術についてじっくり学ぶことができます。
ブルーグロット|地中海の青に心奪われる絶景スポット
マルタ島南部に位置するブルーグロット(青の洞門)は、長年の風と波の浸食によって形成された自然の造形美です。イタリア・カプリ島の青の洞窟と並び称されるこの絶景スポットでは、小舟に乗って大小いくつもの洞窟をめぐるボートツアーが人気を集めています。
太陽光が透明度の高い海水を通して洞窟内に差し込むと、海面はエメラルドグリーンやコバルトブルーに輝き、まるで宝石のような色彩を見せてくれます。特に光の反射が美しい午前中の訪問がおすすめです。ボートツアーは約25分間で、料金は大人10ユーロ程度(2025年2月時点)。天候によっては運休となる場合があるため、晴天の日を狙って訪れるとよいでしょう。
ボート乗り場の近くには展望台もあり、断崖の上から洞門を見下ろすこともできます。夏季にはボート乗り場周辺で海水浴を楽しむ人々の姿も見られます。ブルーグロット周辺には世界遺産の巨石神殿(ハジャーイム神殿、イムナイドラ神殿)もあるため、あわせて訪れるのがおすすめです。
イムディーナ|中世の静けさが残る”古都”で町歩き
バレッタが築かれる以前、マルタの首都だったイムディーナは「静寂の町」の異名を持つ城塞都市です。紀元前700年頃にフェニキア人によって要塞化されて以来、長くマルタの中心地として栄えてきましたが、16世紀に首都がバレッタに移ると人口は減少し、現在は約300人ほどが暮らす静かな町となっています。
城壁に囲まれた町の入口にはバロック様式のメインゲートがそびえ、門をくぐるとハチミツ色の建物が連なる中世の街並みが広がります。車両の通行が制限されているため、石畳の路地は驚くほど静か。迷路のような小道を歩けば、まるで中世にタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。
町の中心にある聖パウロ大聖堂は、マルタを代表する聖堂として知られており、内部にはマッティア・プレッティの天井画「聖パウロの難破」が飾られ、荘厳な雰囲気に包まれています。
城壁沿いにあるカフェ「フォンタネッラ・ティーガーデン」からは、マルタ島の大平原と遠くの地中海まで見渡せる絶景が楽しめます。名物のチョコレートケーキとともに、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
ゴゾ島|牧歌的な風景と素朴な文化に癒される離島
マルタ島の北西約6kmに浮かぶゴゾ島は、マルタ本島とはまた異なる魅力を持つ離島です。マルタ島北部のチェルケウア港からフェリーで約25分、手軽に訪れることができる日帰り旅行先として人気があります。
マルタ島よりもさらに自然豊かで、緑の丘陵地帯、赤い砂が美しいラムラ湾のビーチ、そびえ立つ断崖など、牧歌的な風景が広がります。どこか時間の流れがゆっくりと感じられるこの島は、マルタの人々にとっても癒しの場所です。
島の中心部ヴィクトリアにそびえるチタデル(大城塞)は、ゴゾ島を360度見渡せる絶景ポイント。城壁内にはゴゾ大聖堂があり、資金不足でドームが造れなかったため、天井に本物のドームに見えるようだまし絵が描かれたという逸話が残っています。
また、ゴゾ島には世界遺産のジュガンティーヤ神殿があります。エジプトのピラミッドよりも古いとされるこの巨石神殿は、マルタの悠久の歴史を物語る貴重な遺産です。時間に余裕があれば、島内に宿泊してオレンジ色に染まる静かな夕暮れを眺めるのもおすすめです。
マルタの治安はいい?観光前に注意点をチェック
マルタはヨーロッパの中でも犯罪発生率が低く、治安の良い国として知られています。日本の外務省からも特段の危険情報は出ておらず(2025年2月時点)、旅行者が安心して観光を楽しめる環境が整っています。
ただし、治安が良いとはいえ、観光地に共通する軽犯罪には注意が必要です。特に気をつけたいのはスリや置き引き。バレッタの観光スポットや混雑するバス車内、日曜日のマルサシュロックのフィッシュマーケットなど、人が集まる場所では貴重品の管理を徹底しましょう。
注意が必要なエリアとしては、セントジュリアンのパーチャビルが挙げられます。ここはバーやクラブが集まるナイトスポットで、夜間は酔客によるトラブルやスリの被害がに特に注意が必要です。夜遊びを楽しむ際は、貴重品は最小限にし、深夜の一人歩きは避けるのが賢明です。
また、バレッタ近郊のアルバートタウンは工業地帯で、観光で訪れる機会はほとんどありませんが、夜間の治安があまり良くないとされているため近づかないようにしましょう。
観光を安全に楽しむためのポイントとして、貴重品はセキュリティポーチなどで身体に密着させて持ち歩く、カバンは前で抱えるように持つ、食事中も荷物から目を離さない、といった基本的な防犯対策を心がけることが大切です。
マルタの気候と服装のアドバイス
マルタは地中海性気候に属し、年間を通して温暖で過ごしやすい気候が特徴です。四季はありますが、日本ほど寒暖差が大きくなく、冬でも雪が降ることはほとんどありません。年間平均気温は約19℃で、年間日照時間は約3,000時間とヨーロッパでも特に日照に恵まれた地域です。
季節ごとの気候と服装の目安は以下のとおりです。
春(3月~5月) 平均気温は15~25℃ほど。日中は暖かく過ごしやすいものの、朝晩は冷え込むことがあります。薄手のニットやカーディガンなど、温度調節しやすい重ね着スタイルがおすすめです。5月になると半袖で過ごせる日も増えてきます。
夏(6月~9月) 乾季にあたり、ほとんど雨が降りません。平均気温は28~30℃を超えますが、湿度が低いため日本の夏ほど蒸し暑さは感じません。日差しが非常に強いため、帽子、サングラス、日焼け止めは必須です。また、教会など肌の露出を控えるべき場所も多いため、羽織りものを1枚持っておくと便利です。
秋(10月~11月) 気温は20~25℃と過ごしやすく、観光のベストシーズンのひとつです。10月上旬までは海水浴も楽しめます。日中は半袖で過ごせる日もありますが、夕方以降は肌寒くなるため、軽いジャケットがあると安心です。冬(12月~2月) 雨季にあたり、降ったり止んだりの雨が多くなります。平均気温は10~15℃で、東京の初冬程度の寒さです。風が強く吹くと体感温度はさらに下がるため、コートやダウンジャケットなどの防寒着を用意しましょう。マルタの建物は夏の暑さに対応した造りのため、室内が意外と冷えることも。暖かい部屋着やヒートテックがあると快適に過ごせます。
日本からマルタへの行き方
日本からマルタへの直行便は就航していないため、ヨーロッパや中東の主要都市で乗り継いで向かうことになります。乗り継ぎ1回で到着できるルートも多く、所要時間は約15~20時間が目安です。
主な乗り継ぎルート
| 経由地 | 利用航空会社(例) | 所要時間目安 |
| イスタンブール(トルコ) | ターキッシュエアラインズ | 約18時間 |
| ドバイ(UAE) | エミレーツ航空 | 約20~22時間 |
| フランクフルト(ドイツ) | ルフトハンザ航空 | 約18~20時間 |
| ローマ(イタリア) | ITA エアウェイズほか(共同運航含む) | 約16~18時間 |
| ヘルシンキ(フィンランド) | フィンエアー | 約17~19時間 |
費用と所要時間のバランスを考えると、ターキッシュエアラインズやエミレーツ航空が人気の選択肢です。ヨーロッパ経由の場合は乗り継ぎ時間が短い便もありますが、航空券代がやや高めになる傾向があります。
2025年4月からはLOTポーランド航空がワルシャワ~マルタ線を就航しており、東京からワルシャワ経由でマルタへ向かうルートも選択肢に加わりました。
航空券は早めに予約するほど安く手に入る傾向があります。特にハイシーズン(6月~9月)に渡航を予定している場合は、5月のゴールデンウィーク明けまでには予約を済ませておくのがおすすめです。
マルタ国際空港からバレッタ市内までは、バスで約30分、タクシーで約15分ほどでアクセスできます。
【2027~2028年】マルタに寄港するクルーズプランを紹介
※本記事にはピースボートクルーズで訪問しない場所も含まれています。詳しくは各クルーズのご案内をご覧ください。
マルタを含む地中海エリアは、世界一周クルーズの人気寄港地のひとつです。船旅ならではの「暮らすように旅する」スタイルで、複数の地中海都市を効率よく巡ることができます。
地球一周の船旅 2027年8月 Voyage127
ピースボートクルーズが運航する「地球一周の船旅 Voyage127」は、2027年8月に横浜・神戸を出発し、地中海、中南米、南太平洋をめぐる壮大な航海です。
このクルーズでは、マルタの首都バレッタに寄港。ハチミツ色に輝くバレッタの街並みは、世界各地へ寄港する中でも屈指の美しさを誇ります。寄港中は世界遺産の街並みを散策したり、聖ヨハネ大聖堂を見学したりと、マルタの魅力をじっくり堪能できます。
船旅ならではの魅力は、移動中もホテルのような快適な空間で過ごせること。荷物の移動を気にすることなく、次の寄港地へ向かいながら船上での多彩なプログラムやイベントを楽しめます。地中海の島国マルタを訪れる特別な体験を、クルーズ旅行で叶えてみてはいかがでしょうか。








