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ノルウェー南西部、北海に面した港町スタヴァンゲル。油田の採掘で発展した街には17世紀から残るカラフルでかわいらしい街並みが広がり、和やかな雰囲気が漂います。

目にも鮮やかな旧市街巡り
1970年代に北海油田の基地として急成長を遂げた街は、港を中心に魚市場やマーケットが並びにぎやかな雰囲気が辺りを包みます。港の西側にある旧市街には歴史を感じさせる白壁とオレンジ屋根の木造家屋が並び、17世紀に建造された可愛らしい街並みは、家屋を飾る花々の美しさも相まって散策するだけでも心躍ります。
また「カラフルな旧市街」と名付けられたアッパーホームゲートは、ノルウェー中でもっともカラフルと称される通りです。2005年に始まった新たな試みとして建物を鮮やかな色に塗り替え、北欧らしいおしゃれで温かみのある街並みが迎えてくれます。

ノルウェー統一の地へ
スタヴァンゲル大聖堂は12世紀に建造され、現存する大聖堂ではノルウェー最古と言われています。プレイア湖を見下ろす丘の上に建つ石造りの堅牢な大聖堂の内部には、ゴシック様式の美しいステンドグラスが配され、立派なパイプオルガンとともに一見の価値があります。
また、近郊のハフルスフィヨルドには、岩盤に刺さった3本の「岩の剣」のモニュメントが建っています。872年のハーラル1世のノルウェー統一を祝したもので、その高さは実に10m。3本の剣はそれぞれ「平和、統合、自由」を表し、空に向かって林立する姿には神々しさを感じます。

街の成り立ちを知る
まるで石油採掘基地のような出で立ちのユニークな建物は、ノルウェー石油博物館です。北欧にしては珍しい油田が採掘されたことにより、北海油田の基地として発展したスタヴァンゲル。博物館では主に基幹産業である石油とガスの歴史や、油田開発に関する設備を展示しています。3D映像で石油採掘の方法を体験できたり、基地内での生活風景を再現したブースもあり、観光客にも人気のスポット。また、埠頭に建つとあって見晴らしも良く、館内で上演されている街の生い立ちを紹介する映像を観てから街歩きに出かけるのもおすすめです。
多くの野生動物が生きる北極圏。氷の芸術的な風景、そこに生きる多くの野生動物達の生き生きとした姿は、訪れる人びとを惹きつけてやみません。

厳しくも美しい北限の地へ
地球の最も北、北緯90度に広がる北極。ユーラシア・北米の両大陸が囲む北極海を中心に、グリーンランド、シベリア北部、カナダ領のクイーンエリザベス諸島、ノルウェー領のスヴァールバル諸島、ロシア領のフランツ・ヨーゼフ諸島などが北極圏内を構成します。永久凍土に覆われた大地は冬には強風が吹き荒れますが、夏にはわずかに溶けた表層をコケ類や草木が覆うツンドラ地帯が出現し、トナカイなどの大型動物が繁殖活動をおこないます。極北の自然が生み出す目を見張るような絶景や北の果てのロマンに誘われ、多くの冒険家や旅行者が訪れる地です。

極北の地で生きる人びと
北極圏にはイヌイットやサーミと呼ばれる、さまざまな先住民が居住しています。領土開拓のためにヨーロッパ圏から北極圏にやって来た人びととは異なり、彼らは1万年以上も前から居住する、固有の文化をもった人びとです。先住民同士でつながりをもち狩猟や採集を生活の手段としていますが、近年の温暖化とそれに伴う環境の変化でその生活に深刻な影響を受けているとも言われています。これらの人びとの生活を守ることが、北極圏を構成する各国の政策課題となっています。
全長204㎞にも及ぶ、ノルウェー最長のソグネフィヨルド。山間に並ぶカラフルな家々も、名もなき無数の滝から雪解け水が流れ落ちる眺めも、まるで絵本の中のような世界です。
ノルウェーフィヨルドの代表格
世界有数のフィヨルド地帯であるノルウェー西岸部において、ソグネフィヨルドは随一の規模をもつ、ノルウェーフィヨルドの代表格です。長さ204km、最深部は1308mとヨーロッパ全土で一番の長さと深さを誇ります。何百万年も前に氷河による浸食で形成された海岸線が内陸へ延び、先に行くほどより細いフィヨルドに枝分かれしているのが特徴です。フィヨルドの両岸にある切り立った崖からは幾筋もの滝が流れる迫力ある光景も見られ、遊覧の途中には山間に並ぶカラフルな家々を目にすることも。大自然を舞台に、ダイナミックでありながら牧歌的な雰囲気も味わえます。

フロム鉄道でめぐるフィヨルドの絶景
ソグネフィヨルドから分岐した、アウルランフィヨルドの近くに位置する小さな町フロムには、周辺のフィヨルドを目当てに年間50万人もの観光客が訪れます。クルーズでのフィヨルド遊覧はもちろん、世界屈指の傾斜を登るフロム鉄道に乗っての車窓観光も人気です。20kmという短い区間ながらも、フィヨルド周辺を中心に落差93mの滝のそばを通ったり、深い山間を走り抜けたりと、車窓からは息をのむ絶景が続きます。

自然に抱かれた町で
ソグネフィヨルドの観光拠点となるフロムの町を、自らの足で歩いて巡るトレッキングも人気です。フロム周辺には複数のトレッキングコースがあり、1時間程度の手軽な散策から、本格的なコースまでさまざま。フィヨルド周辺を散策するコースや、丘の上からフィヨルドの絶景が堪能できるもの、山々を分け入るように広がるフロム渓谷を歩くコースもあり、多様な楽しみ方ができます。澄み渡る空気と静けさ、心を洗うような新緑が眩しいフロムの町で、北欧の大自然を全身で味わえます。
スヴァールバル諸島でも最も美しいフィヨルドのひとつであり、26キロにわたり広がるコングスフィヨルドは、「王のフィヨルド」を意味し、訪れる人びとをその美しさで圧倒します。

風格ただようフィヨルドへ
北極海に浮かぶスピッツベルゲン島は、ノルウェー領スヴァールバル諸島最大の島です。北緯78度前後の高緯度に位置し、北極点までの距離は1,300km。文字通り世界最北の島と言えるでしょう。この島には数多くのフィヨルドが点在しますが、なかでも最も美しいと言われるのがコングスフィヨルドです。26kmにも及ぶフィヨルドの奥には雪を頂く3つの岩場がそびえ、まさに「王のフィヨルド」にふさわしい姿を見せてくれます。これらの岩場にはそれぞれ、スカンジナビアの3ヵ国にちなみ、“Svea”(スウェーデン)、”Dana”(デンマーク)、”Nora”(ノルウェー)の名が付けられています。

凍てつく大地に生きる命
スピッツベルゲン島は野生動物の宝庫としても知られ、保護区や国立公園も多数点在する場所。コングスフィヨルドのあるキングス湾でも、北の大地でたくましく生きる野生動物たちの姿をとらえることができます。水辺にたむろするセイウチやアザラシ、ハシブトウミガラスたちが岩壁にとまる姿も。大西洋暖流と北極からの寒流が出会う海は、栄養豊富で海鳥たちの営巣に適した環境だと言われています。諸島全体に15ある鳥類保護区のうち、3か所がコングスフィヨルド周辺に集まり、まさに海鳥たちの楽園となっています。
夜空に揺らめく、美しい光のカーテン「オーロラ」は、いつの時代も私たちを魅了してやみません。世界一周クルーズで出会う奇跡の絶景は、一生忘れられない思い出となることでしょう。

船上でオーロラを望む
北緯60~70度付近の「オーロラベルト」と呼ばれる一帯は、極地の夜空を彩るオーロラを鑑賞するのに適したエリア。アイスランドは国土の大半がその圏内に入っており、オーロラシーズンの訪れとともに、レイキャビクでも観測のチャンスが連夜訪れます。オーロラの出現する晴れ間を追いかけ移動できる船は、フットワークが軽くチャンスにも恵まれているうえ、周囲を360度見渡すことができる真っ暗な海の上はオーロラ観測に最適です。ひとたびオーロラが姿を現せば、理想的な環境でその姿を目に焼き付けることができます。

オーロラ観測には船が最適
オーロラ観測といえば、陸地のポイントでオーロラの出現を待つスタイルが一般的です。しかし天候の影響を受けることも少なくないうえ、雨雲ひとつで観測が中止になることもしばしば。氷点下の気温のもとで待ち続ける、身体的負担も気がかりです。その点、洋上では雲が流れやすく、晴れ間を求めて遭遇チャンスを増やすことができます。また、オーロラの出現まで、温かい船内で待機できるというメリットも。ときに激しく瞬き、ときにゆっくりと揺らめくオーロラ。夜空を彩る幻想的な光景に、言葉にはできない感動を覚えます。

オーロラを追いかけて
オーロラの観測に適したオーロラベルト圏内を航行する際には、“オーロラハンター”と呼ばれる観測のスペシャリストが乗船し、出現の可能性が高い晴れ間を求めてリアルタイムで進路を選びます。オーロラに関する講座も開催され、発生の仕組みに関するレクチャーやオーロラを撮影するためのテクニックなど、豊富な内容で観測をバックアップ。いざオーロラが出現したら、船内放送でアナウンスが入ります。オーロラ観測に照準を合わせ、オーロラを追いかけていく旅もまた、忘れられない思い出となるでしょう。
[特集記事]クルーズから見る神秘のオーロラ
景勝路線「ラウマ鉄道」の発着地でもある、フィヨルドのほとりの小村。急峻な山々と深い渓谷が織りなす絶好のロケーションは、息を呑む美しさです。

「フィヨルドのアルプス」と呼ばれる地
ロムスダール渓谷の北に位置し、ロムスダルフィヨルドの最深部に広がる港町オンダルスネスでは、ゆったりとした時間が流れる中、町を散策したり、フィヨルドの風景を眺めながら一息ついたり。オンダルスネスでしか見ることのできない、地球が創り出す絶景と迫力ある雄大な自然をお楽しみください。

知られざる秘境
ラウマ川の河口に広がる町は、ときに「フィヨルドのアルプス」と呼ばれる急峻な山々に囲まれた、秘境の雰囲気たっぷりの場所。緑が生い茂る牧草地、荒々しい谷など、大自然が生んだ豊かな景観に目を奪われることでしょう。雪を被った山並みと緑の大地、そして青い水を湛えたフィヨルドの共演は、北欧の自然が造り出した圧巻の光景です。

ノルウェーに伝わる妖精トロール
ノルウェーは、北欧の伝説の妖精”トロール(troll)”の暮らす国。定番のノルウェー土産としても大人気で、街のあちこちで見ることができます。トロールは変身能力があると信じられているため、巨人のトロールから小人のようなトロールまでさまざまな形態のお土産があり、とてもユニーク。現在でも日常生活でふっと物が無くなった際には「トロールのいたずら」と言われるそうで、ノルウェーの人びとの暮らしの中にトロールの存在が浸透しているのが伝わります。
ホニングスヴォーグはノルウェーで三番目に大きな港で、夏になると多くのクルーズ船が訪れます。街を散策したり、ノールカップを訪れたりと、さまざまな楽しみかたができます。

雄大な光景へと手招く町
北極圏に位置するホニングスヴォーグは、北ノルウェーにおける重要な漁港として知られています。夏になると多くのクルーズ船も寄港し、ノールカップを目指す大勢の観光客でにぎわいます。町には第二次世界大戦でドイツ軍から唯一破壊を免れたホニングスヴォーグ教会があり、のどかな雰囲気と、色とりどりの民家が立ち並ぶ可愛らしい景観を楽しむことができます。

北極圏にそそり立つ岬
ホニングスヴォーグを訪れた人たちが目指すのが、ノールカップ(北岬)。大航海時代にイギリス人探検家によって「ノールカップ」と名付けられた、北極海にそそり立つ断崖絶壁の岬です。海に面して建つ、アイコンでもある大きな地球儀のモニュメントは絶好の写真スポット。ピースボートクルーズで訪れる5月中旬~7月の間は、真夜中でも太陽の沈まない「白夜」の時期。島影ひとつ見えない、見渡す限り続く水平線の上を、太陽がなぞるように進んでいくーー最果ての地でロマンあふれる光景に出会えます。

最果ての地を堪能する
ノールカップ岬の先端には、レストランやカフェ、ショップなどを併設した大型ホールが建っています。光や音を駆使してノールカップの歴史を体感できるシアターや、ヨーロッパ大陸最北端のチャペルまであります。また、施設内の郵便ポストからハガキを投函すると、ノールカップ限定の消印を押してもらえるという、この場所ならではのサービスも。目の前の絶景を堪能し、ハガキにしたためて投函すれば、旅の思い出にもなります。
「険しい山の間の小さな平坦な地」を意味する小さな町フロム。ソグネフィヨルドの分岐のひとつ、アウルランフィヨルドの最も奥に位置する、フィヨルド観光の拠点の町です。

フィヨルドの町へ
フィヨルドの奥深くに可憐に咲く町フロム。この小さな町には毎年およそ45万人もの観光客が訪れます。もちろん目的は、ヨーロッパ本土で最長・最深を誇るソグネフィヨルドです。「世界で最も美しい鉄道の旅」と呼ばれ険しい山間を走るフロム鉄道の車窓からは、息を呑むような素晴らしいフィヨルドの景色を目にすることができます。急峻な山々と深い緑、その合間から海へと流れ込む滝、フィヨルドの谷間に点在する牧歌的な村――まるでおとぎの世界に入り込んだかのような、美しい風景をお楽しみください。

フロム渓谷を散策する
山々を分け入るように広がる、西ノルウェーのフィヨルドの魅力がつまったフロム渓谷。数百万年にもわたる氷河期を経て、現在のフロム渓谷やアウルランフィヨルドの雄大な景観が生まれました。悠久のときが創り上げた大自然の中を散策するのも、フロムの楽しみ方のひとつ。1時間程度の手軽な散策から片道3時間の本格的なハイキングまで、いくつものコースが設けられています。ひっそりとたたずむ17世紀に築かれたフロム教会や可愛らしいルンデ地区の民家、小さな滝など、どこをとっても絵になる風景が広がります。
壮大な北極圏の景色が見られる地球最大の島グリーンランド。自然と伝統的な生活、現代的な要素が合わさるヌークの街では、先住民族のデザインを引き継ぐ独自のアート作品がお土産に人気です。

北極の世界へ
島全体の約85%が氷に覆われ、日本の国土の約6倍にもなる世界最大の島グリーンランド。ゴッドホープ・フィヨルドにあるヌークは、北極圏までわずか240キロメートルにせまるグリーンランド最大の街。最古24万年にも及ぶ氷床の厚さは3,000メートルにもおよび、桁違いの大自然に圧倒されます。岩肌の見える大地にカラフルでコンパクトな家が点在する景色は、地球の果てに来たことを肌で感じさせます。この極地に広がるフィヨルドが織り成す、美しい入り江や山影の壮大な光景をお楽しみください。

美しい街を歩く
氷の大地のわずかな沿岸部に4000年以上前から住み、厳しくも豊かな大自然の恵みを、狩猟によって享受してきたイヌイットの人たち。人口約17,000人のこぢんまりとした雰囲気が持つ素朴な街の風景に、彼らが紡いできた伝統と歴史が溶け込みます。オーロラをモチーフにした「カトゥアック文化センター」や絵になるように美しい「オールドハーバー」、希少価値の高い古代スカンジナビア人やイヌイットの遺物が展示される国立博物館など、観光スポットもありますが、ただ街を歩くだけでも見るものすべてが新鮮で飽きることがありません。
アイスランド北部、レイキャビクに次ぐ第2の都市。エイヤ・フィヨルドの最も奥に位置する天然の良港で、フィヨルドが迫る美しい街並が人々の心を惹きつけます。

「火と氷」が創造した大自然
アイスランド中北部にある”エイヤフィヨルド”。アイスランド語で「島の峡湾」というその意味通り、氷河によって両壁は切り立ち、全長約60キロメートルとアイスランド最長の美しいフィヨルドです。濃い緑と山々の大自然に身をゆだねるクルージングを楽しめます。 氷のフィヨルドエリアから一転して、荒涼とした赤褐色の大地が広がるのはアイスランド最大の地熱地帯”クヴェリル”、そしてアイスランドで最も美しいと称される”ゴーザフォスの滝”。大自然が創り出す迫力ある風景が待っています。

フィヨルド沿岸に佇む街
中央の小高い丘に建つ「アークレイリ教会」は、1940年に建築されて以降、この街のシンボルです。3,300本ものパイプが取り付けられた巨大なパイプオルガンと美しいステンドグラスが迎えてくれます。天井から下げられた船は、航海中の家族の安全を祈る伝統的な祈りのひとつです。教会が立つ丘からは、海を挟んで広がるフィヨルドの大地も見渡すことができます。北欧ならではのカラフルで可愛らしくおしゃれな建物が立ち並ぶ街には、お土産屋やカフェなどもあり、ゆっくり街歩きをするにはぴったりです。

惑星「地球」を体感する
国土の大半が火山地帯に属しており、また国土の12%を氷河に覆われていることから「火と氷の国」とも呼ばれる、北欧の島国アイスランド。この国では、活発な火山活動や地殻変動、氷河の浸食などによって創り上げられた、他の場所では見ることのできない雄大で神秘的な風景を数多く目にすることができます。「アイスランド(=氷の大地)」という国名から想像しがちな”氷に閉ざされた寒冷地”というイメージとは裏腹に、この地には惑星「地球」を感じる表情豊かな自然の数々が待ち受けています。
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