09.19
絶景の世界遺産イグアスの滝はどっちで見る?ブラジル側とアルゼンチン側の魅力や違いを解説
南米を代表する絶景スポット「イグアスの滝」。ブラジルとアルゼンチンの国境に位置し、世界最大級の水量を誇る壮大な滝は、一生に一度は訪れたい世界遺産です。観光では「ブラジル側」と「アルゼンチン側」の両方から楽しめ、それぞれ異なる魅力があります。
本記事では、両側から見た滝の違いや見どころ、ベストシーズン、アクセス方法まで詳しく解説します。
最後にはイグアスの滝に訪れるオプショナルツアーを開催するクルーズプランも掲載。旅の計画の参考に、ぜひ最後までお読みください。
目次
世界遺産 イグアスの滝とは?
イグアスの滝は、南米大陸のブラジルとアルゼンチンの国境を流れるイグアス川にかかる巨大な滝で、その規模はまさに圧巻です。総幅約2.7〜3km、最大落差は80mにもおよび、大小275の滝が並びます。
先住民グアラニー族の言葉で「イグアス」とは「大いなる水」を意味し、その名の通り壮大な自然の力を感じさせます。
また、イグアスの滝は両国の国立公園として保護されており、アルゼンチン側(イグアス国立公園:1984年)とブラジル側(イグアス国立公園:1986年)のそれぞれでユネスコ世界自然遺産に登録されています。
多様な動植物が生息する豊かな熱帯雨林とともに、自然保護の観点からも世界的に重要なエリアです。

毎秒プール200杯以上?圧倒的な水量
イグアスの滝の特徴は、想像できないほどの量です。平均して毎秒6万5000トンもの水が流れ落ちるとされ、これは25mプール(幅10m、深さ1.1m)の水236杯分に相当します。雨季にはさらに水量が増し、轟音とともに水しぶきが空高く舞い上がる光景が広がります。
ブラジル側から見るイグアスの滝の魅力
ブラジル側最大の魅力は、イグアスの滝を一望できるパノラマビューです。遊歩道の入口から進むと、視界いっぱいに広がる滝群を真正面から眺めることができます。
アルゼンチン側では部分的にしか滝を見られませんが、ブラジル側では「まるで一枚の巨大な絵画」のように滝全体を見渡せるのが特徴です。写真撮影を楽しみたい人や、スケール感を体感したい人には特におすすめです。
また、ブラジル側の展望デッキからは、「悪魔の喉笛」を遠景で鑑賞できます。轟音と水煙が立ちのぼる様子を、少し離れた場所から全体的に眺められるため、その規模感と迫力を客観的に体感できるのが特徴です。
アルゼンチン側から見るイグアスの滝の魅力
アルゼンチン側のイグアスの滝は、迫力ある近距離体験が魅力です。最大のハイライト、「悪魔の喉笛」展望台。目の前で水が垂直に落下する光景は圧倒的で、轟音と水しぶきが全身を包み込みます。
自然のエネルギーを肌で感じられるこの瞬間は、訪れた人にとって忘れられない体験となります。
またアルゼンチン側には「アッパートレイル」と「ロウワートレイル」という二つの散策路が整備されています。
- アッパートレイル
滝の上部から見下ろすコースで、水が流れ落ちる直前の迫力を実感できます。
- ロウワートレイル
滝の真下や横から眺めることができ、水煙に包まれるようなダイナミックな光景を楽しめます。
それぞれのルートで異なる視点を楽しめるため、時間が許す限り両方歩くのがおすすめです。
イグアスの滝最大の見どころ|悪魔の喉笛(Garganta del Diablo)
イグアスの滝の数あるスポットの中でも、最大の見どころが「悪魔の喉笛」です。轟音とともに大量の水が垂直に落下する光景は、まさに自然が創り出した驚異といえます。
アルゼンチン側からは滝の真上に設けられた展望台に立つことができ、全身で迫力を感じる体験が可能です。ブラジル側からは遠景でその巨大さを一望できるため、どちらからでも観光のハイライトになります。
悪魔の喉笛は、イグアスの滝の中でも最も水量が集中する部分です。落差は約80メートル、幅は150メートル以上あり、毎秒6万5000トン以上もの水が流れ落ちています。
その様子は、まるで地面に大きな裂け目ができて水が飲み込まれていくように見え、訪れる人の心を圧倒します。絶え間ない轟音と舞い上がる水煙が辺りを包み込み、数百メートル離れた場所からでも存在感を放っています。
悪魔の喉笛を訪れる際は、国立公園内を走るトロッコ列車(エコトレイン)を利用します。途中の駅で下車し、さらに約1kmの歩道を進むと展望台に到着します。
展望台は滝の真上に位置しており、水が流れ落ちる直前の瞬間を至近距離で眺められる特等席です。列車と歩道は観光向けに整備されているため、子どもから高齢者まで安心して訪れることができます。
イグアスの滝観光のシーズンと注意点
イグアスの滝は一年を通じて観光できますが、季節によって景観や楽しみ方が大きく変わるのが特徴です。雨季には迫力ある滝の姿を、乾季には水が澄んだ美しい景色を楽しめます。
ただし、それぞれの季節には注意点もあるため、事前に把握しておくことが大切です。ここでは、雨季と乾季の違いや服装・持ち物のポイントを紹介します。
季節ごとの特徴と注意点まとめ
| 季節 | 特徴 | メリット | 注意点 |
| 雨季(10〜3月) | 水量が多く滝の迫力が増す | 豪快な景観が楽しめる、見応え抜群 | 道が滑りやすい、水しぶきで視界が悪くなる、防水対策必須 |
| 乾季(4〜9月) | 水量は少なめだが澄んだ景観 | 歩きやすい、写真撮影に最適 | 滝の迫力が弱まる場合がある |
- 雨季(10〜3月):水量が多く迫力ある景色
雨季にあたる10月から3月は、イグアスの滝の水量が大幅に増える時期です。その中でも12月から2月にかけては、轟音を立てながら大量の水が一気に流れ落ちる圧巻の光景を目にしやすいです。
ただし、雨量が多いため道が滑りやすくなり、視界も水しぶきで遮られることが多くなります。カメラやスマートフォンを持ち込む際には、防水対策を万全にしておくことがおすすめです。
- 乾季(4〜9月):水は濁りにくいが水量がさみしい場合もある
乾季の4月から9月は、雨が少なく滝の水量が減少する時期です。そのため、雨季のような豪快な迫力は弱まりますが、水が濁りにくく透明感のある景色を楽しめます。
気候は比較的穏やかで湿度も低いため、歩きやすく観光しやすいのがメリットです。写真撮影を目的とする人には、乾季の晴れた日が最適といえるでしょう。
イグアスの滝観光では、季節を問わず全身が水しぶきで濡れる可能性があります。特にアルゼンチン側の「悪魔の喉笛」やボートツアーではびしょ濡れになることも珍しくありません。
そのため、動きやすい軽装に加え、レインコートや防水ポンチョの持参が望ましいです。靴は滑りにくいスニーカーやサンダルが適しています。
イグアスの滝周辺は亜熱帯気候のため、強い日差しと蚊をはじめとする虫が多い環境です。観光を快適に楽しむためには、日焼け止め、虫よけスプレー、帽子、飲料水を必ず用意しましょう。
イグアスの滝への行き方
イグアスの滝は、アルゼンチンとブラジルの両国にまたがっているため、どちらの国からもアクセス可能です。旅行者の多くは、アルゼンチンのブエノスアイレスやブラジルのサンパウロ・リオデジャネイロ(以下:リオ)を経由して訪れます。
ブラジルから(サンパウロ・リオデジャネイロ経由)
ブラジル側の玄関口となるのは、フォス・ド・イグアス国際空港(IGU)です。日本からはまずサンパウロまたはリオへ国際線で向かい、そこから国内線に乗り継ぎます。
サンパウロへの主な乗り継ぎ空港です。
ハマッド国際・DOH:カタール
ニューヨーク国際・JFK:アメリカ
ニューアーク・EWR:アメリカ
リオへの主な乗り継ぎ空港です。
ドバイ・DXB: アラブ首長国連邦
ニューヨーク国際・JFK:アメリカ
ローマ フィウミチーノ・ FCO:イタリア
サンパウロやリオからフォス・ド・イグアスまでの飛行時間は1時間30分から2時間ほど。
フォス・ド・イグアス空港から国立公園まではバスで約30分とアクセスが良好です。に市バス120番のカタラタス(Cataratas)行きでイグアス国立公園に到着可能です。それぞれ乗り継ぎ時間を含め33〜38時間を考えておくと良いでしょう。
ブラジル側では滝全体を一望できる観光が中心のため、短時間で効率よく観光したい人に適しています。
アルゼンチンから(ブエノスアイレス経由)
アルゼンチン側の玄関口は、プエルト・イグアス空港(IGR)です。日本からはブエノスアイレスへの国際線を利用し、そこから国内線に乗り継ぎます。
ブエノスアイレスへの主な乗り継ぎ空港です。
ドバイ・DXB: アラブ首長国連邦
イスタンブール・IST:トルコ
マドリード・MAD:スペイン
ロサンゼルス・LAX:アメリカ
パナマシティー・PTY:パナマ など
ブエノスアイレスからプエルト・イグアスまでの飛行時間は約1時間45分。
プエルト・イグアス空港からイグアス国立公園までは路線バス(リオウルグアイ:Rio Uruguay)で30〜40分ほどです。乗り継ぎを含め所要時間は37〜45時間くらいを想定しておきましょう。
アルゼンチン側は滝を間近で体感できるスポットが豊富なため、時間をかけてじっくり観光したい人に向いています。
【2027年】ケープタウンに寄港するクルーズプラン紹介
※本記事にはピースボートクルーズで訪問しない場所も含まれています。詳しくは各クルーズのご案内をご覧ください。
世界一周クルーズの旅程には、南米の寄港地の滞在時に「イグアスの滝」を訪れるオプショナルツアーが組み込まれています。通常の観光では長時間のフライトを必要とするイグアスの滝ですが、クルーズに参加することで効率よくアクセスできます。
飛行機での旅とは異なり、海からの絶景も楽しめるのがクルーズの大きな魅力です。移動そのものを旅の一部として満喫したい人にとって、クルーズは理想的な選択肢です。
地球一周の船旅 2026年12月 Voyage125
このクルーズでも1月に南米大陸に寄港します。寄港地は以下です。
リオデジャネイロ(ブラジル)→モンテビデオ(ウルグアイ)→ブエノスアイレス(アルゼンチン)→ウシュアイア(アルゼンチン)→南極遊覧→プンタアレナス(チリ)→バルパライソ(チリ)→カヤオ(ペルー)→イースター島(チリ)と数多くの南米の国に滞在します。
南米以外にも、「多民族国家」の表情に出会う・シンガポール、美しき島で過ごす優雅なひととき・パペーテ(タヒチ)、アフリカの大地に抱かれた美しき街・ケープタウン(南アフリカ)などにも寄港します。
アフリカの広大な大地、南米の美しい山々、南太平洋の輝く海、南極を経由し、南半球をめぐる地球一周クルーズです。
地球一周の船旅 2027年12月 Voyage128
このクルーズでも同じく1月に南米大陸に寄港します。寄港地は以下です。
リオデジャネイロ(ブラジル)→モンテビデオ(ウルグアイ)→ブエノスアイレス(アルゼンチン)→ウシュアイア(アルゼンチン)→パタゴニアフィヨルド遊覧→バルパライソ(チリ)→イースター島(チリ)と多くの国に滞在します。
ほかにも、悠久の時を紡ぐ自然の楽園・トアマシナ(マダガスカル)、珊瑚礁と熱帯雨林が魅力のリゾート・ケアンズ(オーストラリア)、「帆の街」の愛称をもつ美しい港街・オークランド(ニュージーランド)、美しき”インド洋の貴婦人”・ポートルイス(モーリシャス)などにも多数、寄港します。
自然と街が融合した美しい場所や自然の壮大さにふれられる、アフリカ・南米・オセアニアを巡る地球一周クルーズプランです。







