人が犯す罪と、それに対する罰――死刑制度のある日本では1995年の地下鉄サリン事件以降、厳罰化、重刑化が進んでいます。映画監督で作家の森達也さんは、オウム真理教の内部に迫る映画『A』『A2』を手がけ、死刑制度に対する発言を積極的に続けてきました。今日は死刑制度を通して「集団化」する日本社会を、わかりやすい言葉でお話しくださいます。群れる生き物である人――群れたからこそ発展を遂げてきましたが、その群れが「集団化」し大きな犯罪が起こることも。そんな犯罪が起きたときのメディアの取り上げ方も時代とともに変化し、同調圧力を強め、危機感を煽るようになりました。また日本だけではなく世界的にセキュリティ意識が高くなっている一方、寛容化を進めている北欧諸国の実態などを、映像とともに紹介してくださった森さん。講座に参加した人からは、「知らないことも多くあり、考えさせられる内容でした」「集団化により誰しも加害者になりうる、とても怖いことだと思いました」そんな感想も聞かれました。これまでたくさんの当事者の声を聞いてきた森さんと、命について考える時間となりました。