2025
07.11
南米のパリ・ブエノスアイレス観光ガイド|治安・気候・人気スポットを紹介

南米のパリ・ブエノスアイレス観光ガイド|治安・気候・人気スポットを紹介

クルーズガイド


ヨーロッパの雰囲気が漂う街並み、美しい建築と情熱のタンゴが融合する「南米のパリ」ことブエノスアイレス。
文化や歴史が交差するこの都市は、観光地としても非常に魅力的ですが、同時に治安への注意も必要です。特にスリやひったくり、流しタクシーのリスクは観光の際の不安要素でもあります。
この記事では、ブエノスアイレスの魅力をたっぷり紹介しつつ、安全に楽しむためのアドバイスも解説していきます。最後にはブエノスアイレスに寄港するクルーズプランも掲載。ぜひ最後まで読んで、ブエノスアイレスを安心して満喫できる知識を身に付けましょう。

ブエノスアイレスはラプラタ川河口に広がるアルゼンチンの首都で、歴史的な建築物と現代的な文化が融合した風景が特徴です。「南米で最も美しい都市のひとつ」とも称されています。

中心部にあるレコレータやパレルモといった地区は、整備された並木道や瀟洒な建物が立ち並ぶ洗練されたエリアです。市内には公園や劇場、美術館が点在し、文化を身近に感じられるのも魅力です。

スペイン語で「buenos aires=良い空気・風」と名付けられたとおり、港に吹き抜ける爽やかな風が市民の暮らしに溶け込んでいます。石畳の旧市街や植民地時代の面影を残すカテドラル、カフェテラスが連なる広場など、散策するだけで街並みの美しさを体感できます。

加えて欧州移民の影響で食文化や芸術が発展し、劇場や美術館の規模は南米随一。通りを歩くだけで壁画アートやストリートパフォーマンスに出会えるのも、この街ならではの楽しさです。

ブエノスアイレスの基本情報

ここではブエノスアイレスの基本情報を見ていきます。

面積約203平方キロメートル(岐阜市と同程度)
人口約312万人
言語スペイン語(公用語):観光地なら英語も通じる
通貨アルゼンチン・ペソ(ARS)
為替レート1000アルゼンチン・ペソ:0.79米ドル(2025.7月時点)
物価日本の1.5倍程度:水500ml(約200円)
時差UTC-3、JST-12(日本-12時間)
平均気温暖かい時期(11月〜3月):最高平均26℃、最低平均19℃
涼しい時期(5月〜8月):最高平均16℃、最低平均10℃
観光ベストシーズン3月~5月(秋:気候が安定しやすい)
アルゼンチン
国旗

ブエノスアイレス観光のおすすめスポット5選

ブエノスアイレスには、歴史的建築やアート、タンゴ文化を体感できる魅力的な観光スポットが数多くあります。ここではその中でもぜひ訪れたい、代表的な5つのスポットを紹介します。

  • カミニート
  • コロン劇場
  • 大統領府(カサ ロサーダ)
  • オベリスコ
  • プエルト・マデロ

カミニート|色彩豊かなタンゴと街角アートの回廊

カミニートは、ブエノスアイレス南部のラ・ボカ地区にある通りで、カラフルに塗られた家並みと路上アートが彩る、人気のスポットです。

かつてこのエリアは港湾労働者が暮らす労働者の街で、住民たちが余った塗料で自宅の壁を塗ったのが、現在の色彩豊かな景観のはじまりとされています。

カミニートでは、日中にストリートミュージシャンやタンゴダンサーがパフォーマンスを披露し、誰でも気軽に本場のタンゴ文化に触れられるのが魅力です。さらに、壁画アートや立体彫刻、民芸品店も並び、散策しながらアートと人情に触れられる独特の空間が広がります。

コロン劇場|オペラ座・スカラ座に並ぶ世界三大劇場

コロン劇場(テアトロ・コロン:Teatro Colón)は、パリのオペラ座、ミラノのスカラ座と並ぶ「世界三大劇場」のひとつとして知られ、アルゼンチンが誇る芸術文化です。

1908年に開場したこの劇場は、建築様式や音響効果の美しさで世界中の音楽ファンやアーティストを魅了してきました。座席数は約2,500席、天井まで7層構造のホールは見た目にも美しく、オペラやクラシックコンサートの際には荘厳な雰囲気に包まれます。

大統領府(カサ ロサーダ)|ピンクの宮殿

カサ・ロサーダ(Casa Rosada)は、ブエノスアイレスの歴史地区「モンセラート」に位置する大統領府です。スペイン語で「ピンクの家」という意味で、その名の通り淡いピンク色の外観が印象的な建物です。

スペイン植民地時代の要塞を基礎に19世紀に建てられたもので、現在もアルゼンチン大統領の公務が行われる現役の政治施設です。

週末と祝日には一般向けの内部ツアーが事前のオンライン予約で開催されております。内部では、歴代大統領の肖像画が展示されたギャラリーや、執務室、装飾豊かな会議室などが見学できます。

オベリスコ|都市のシンボル

オベリスコ(El Obelisco)は、1936年にブエノスアイレス建都400周年を記念して建てられた高さ67.5メートルの記念碑で、市の中心を東西に貫く世界最大級の幅を誇る「7月9日大通り(Avenida 9 de Julio)」の中央に立ちます。

ブエノスアイレスを象徴するランドマークで“市民の象徴”とされています。特にサッカーの国際試合でアルゼンチン代表が勝利した際には、多くの人々がこのオベリスコ周辺に集まり、国旗を振って喜びを分かち合う光景が見られます。

プエルト・マデロ|水辺に映る夕陽と近代建築

プエルト・マデロは、かつて貨物港として栄えたエリアを再開発して誕生したウォーターフロント地区で、現在ではブエノスアイレスで最もモダンで洗練された街並みとされています。

19世紀末の赤レンガ倉庫群がレストランやホテルに改装され、運河沿いには高層ビルが立ち並び、ブエノスアイレスの成長と進化を象徴するエリアとして人気を集めています。

白く美しい橋「プエンテ・デ・ラ・ムヘール(女性の橋)」では、夕暮れ時に川面に映る夕陽と近代建築のコントラストが幻想的な風景をつくり出します。

ブエノスアイレスの治安はいい?観光前に注意点をチェック

ブエノスアイレスは観光都市として世界中から多くの旅行者を迎えていますが、安全対策は必須です。外務省の発表では「レベル1:十分注意してください」に指定されており、旅行は可能であるものの軽犯罪には注意が必要とされています。

特にスリや置き引き、ひったくりは観光客をターゲットにした手口が多く、混雑した地下鉄内や人気観光地、カフェのテラス席などでは荷物やスマートフォンを常に身近に持ち、油断しないことが大切です。

夜間の一人歩きは控え、市内でも旧市街南部やラ・ボカ地区など一部地域では、昼間でも慎重に行動することが望ましいです。移動手段としては、流しのタクシーではなく、UberやCabifyなどの配車アプリやホテルの手配する公式タクシーの利用が安全とされています。

また、警察官を装った詐欺も一部で報告されているため、不審な身分確認には冷静に対応しましょう。旅行前には現地の治安情報や緊急連絡先を確認しておくと、いざという時も落ち着いて対応できます。

被害が特に多い地区は以下の通りです。

地区名治安の特徴
パレルモ観光地。夜間のスリ・強盗が多い
レコレータ昼間は安全だが観光客を狙った犯行に注意
レティーロ駅周辺はスラム(ビジャ)が近く、夜はとくに危険
ボカ(カミニート)カミニートは観光地だがボカ地区は全体的に治安が悪い

貴重品はリュックに入れるのではなく、身体に密着させておくのが安心です。また、写真撮影中など、注意が散漫になりやすいタイミングが狙われやすいので注意しましょう。

ブエノスアイレスの気候と服装のアドバイス

ブエノスアイレスは南半球に位置しており、日本とは季節が逆です。そのため訪れる時期によって気温や服装に大きな違いが出てきます。旅行を快適に楽しむためには、現地の気候をしっかり把握し、最適な服装の準備が大切です。

以下に、季節ごとの気温や服装のポイントをまとめました。

季節平均最高気温平均最低気温服装のポイント
9月〜11月16〜20℃10〜14℃軽めのジャケット、長袖Tシャツ、折りたたみ傘
12月〜2月23〜26℃15〜18℃Tシャツ、ショートパンツ、帽子
3月〜5月18〜23℃12〜16℃長袖シャツ、薄手のカーディガン、レインコート
6月〜8月13〜16℃7〜10℃フリース、セーター、ウインドブレーカー

この表を参考に旅行時期に合わせた準備をして、快適に観光を楽しみましょう。

日本からブエノスアイレスへの行き方

ブエノスアイレスへは飛行機またはクルーズを利用して行くことができます。

飛行機では、日本からの直行便はありませんので乗り継ぎになります。各地の都市で乗り継ぎ、ブエノスアイレス・エセイサ国際空港(EZE)へ向かいます。航空会社によっては1度の乗り継ぎですが、2度乗り継ぐことが一般的です。

主な経由地は以下です。
ドバイ・DXB: アラブ首長国連邦
リオデジャネイロ・GIG:ブラジル
イスタンブール・IST:トルコ
マドリード・MAD:スペイン 
ロサンゼルス・LAX:アメリカ
パナマシティー・PTY:パナマ など

さまざまなルートがあるため航空会社の各公式サイトで確認しましょう。ルートにより異なりますが、総飛行時間は28〜36時間ほど。空港での乗り継ぎにも時間がかかるので、所要時間は34〜42時間くらいを考えておくと良いでしょう。1日半〜2日の移動時間でブエノスアイレスに到着します。

一方、クルーズで行く場合は地球一周の船旅クルーズを利用すれば、寄港地のひとつにブエノスアイレスが含まれています。そのため、このクルーズに乗船すれば行くことが可能です。

クルーズなら、船内の客室で過ごしていれば、それぞれの目的地に到着します。「移動」ではなく「生活」をしていれば良い、快適な旅もおすすめです。

【2026〜2027年】ブエノスアイレスに寄港するクルーズプラン紹介

最後に、ブエノスアイレスに滞在するクルーズプランのご紹介です。

カミニートでのタンゴやコロン劇場でのオペラ鑑賞、などが楽しめるでしょう。船旅ならではのゆったりとした移動で、滞在地ではじっくりと観光できる贅沢な旅です。

地球一周の船旅 2026年12月 Voyage125

このクルーズでは秋に差し掛かる2月にブエノスアイレスに寄港します。

ブエノスアイレス以外にも、世界三大美港のひとつ・リオデジャネイロ(ブラジル)、雄大な山が出迎える・ケープタウン(南アフリカ)、数々の世界遺産を擁するペルーの海の玄関口・カヤオ(ペルー)、巨石モアイ像が見守る・イースター島(チリ)などにも寄港します。

ほかにウシュアイア(アルゼンチン)からプンタアレナス(チリ)に航行中、南極遊覧を体験できます。

アフリカの広大な大地、南米の美しい山々、南太平洋の輝く海、南極を経由し、南半球をめぐる地球一周クルーズです。

地球一周の船旅 2027年12月 Voyage128

このクルーズでは晴れの日が多い1月にブエノスアイレスに寄港します。天気を気にせずブエノスアイレスを楽しめるでしょう。

ほかにも、珊瑚礁と熱帯雨林が魅力のリゾート・ケアンズ(オーストラリア)、悠久の時を紡ぐ自然の楽園・トアマシナ(マダガスカル)、美しき”インド洋の貴婦人”・ポートルイス(モーリシャス)、ミステリアスな”絶海の孤島”・イースター島(チリ)などにも多数、寄港します。

自然と街が融合した美しい場所や自然の壮大さにふれられる、アフリカ・南米・オセアニアを巡る地球一周クルーズプランです。