水先案内人
ピースボートの旅をより有意義なものへと導くナビゲーターが「水先案内人」の皆さん。訪れる土地の専門家やジャーナリスト、各界の著名人、エンターテイナーなど、その顔ぶれは実に多彩です。まなぶ・たのしむ・つくる━“先生”とはひと味違う水先案内人が、地球一周をより豊かにナビゲートします。
ビデオメッセージ
これまでにご乗船いただいた方々(順不同、敬称略)
タムサンカ・ラッキー・ンガムラナ Tamsanqa ”Lucky” NGAMLANA
(ミッションベール・ケアセンター プロジェクト・コーディネーター)
ミッションベール・ケアセンターのプロジェクト・コーディネーター。かつて自身もこのセンターに支えられた一人として、現在は活動をリードする立場となりミッションベールおよび周辺地域の失業中の若者の募集、研修、就業支援を担当し、プログラム運営やパートナーシップの維持にも携わる。愛と導き、恩恵を受けて成長した経験から地域社会に奉仕し、変革を信じている。誰かの人生に力を与える存在であるミッションベール・ケアセンターでの仕事を通じて、支えられる側から支える側へと歩み始めている。
ヴィンセント・モロイ Vincent MOLOI
(監督、プロデューサー、映画芸術科学アカデミーのクリエイティブ推進メンバー)
映画・テレビ・アートの分野で20年以上のキャリアを有し、数々の賞を受賞してきた映画監督兼クリエイティブ・エグゼクティブ。映画芸術科学アカデミーの会員であり、革新的なストーリーテリングと世界的に共感を呼ぶリアルなアフリカ描写で高く評価されている。自費で制作した画期的なシリーズ『Tjovitjo』は、南アフリカにおける視聴率記録を更新し数多くの賞を受賞した。またドキュメンタリー作品『Skulls of My People(我が民の頭蓋骨)』、『A Country Imagined(想像された国)』、『I Am a Rebel(私は反逆者)』は、アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭、ベルリン・ビエンナーレ、アフリカ・イン・モーションなどで上映された。タウング・フィルム・スタジオのマネージング・ディレクター兼タウング・クリエイティブ&デジタル・ハブの創設者として若い映画監督たちを育成し、地域コミュニティにおけるメディア開発に挑戦している。現在、AFDA〔南アフリカの映画・マスコミ大学〕の大学院で映画制作の修士号を取得中で、国内外の観客に向けたインパクトのある映画製作を続けている。
早川 千晶 HAYAKAWA Chiaki
(ケニア・キベラスラムのマゴソスクール主宰)
ケニア在住37年。大学生のときに世界放浪の旅に出発、各地を旅した末ケニアに定住。社会的に立場の弱い民族や貧困地区のコミュニティとともに活動を開始。撮影コーディネーター、通訳、「アフリカを深く知る旅」案内人としてアフリカ理解と国際交流を促進している。東アフリカ最大の貧困地区キベラスラムで孤児や困窮児童のための学校「マゴソスクール」、モンバサ近郊の村で「ジュンバ・ラ・ワトト(子どもの家)」、高校生・大学生のための奨学金グループ「マゴソOBOGクラブ」、障害児の特別学級、スラム貧困者の生活改善支援、スラムの若者たちのエンパワーメント「MCC-Magoso Community Center」などを共同設立運営。
マゴソ コミュニティ センター (MCC) https://magoso.org/home/mcc/
ルイス・ミランダ Luis MIRANDA
(パタゴニアのネイチャーガイド)
チリのパタゴニアで手つかずの自然を体験する特別プログラムを実施する、情熱的でエネルギッシュなネイチャーガイド。2008年からはピースボートと協力し、海洋と気候変動対策に貢献する若いリーダーの育成を目的とした奨学金プログラム「Youth for SDGs」の資金集めにも尽力する。ガイドとして大自然への揺るぎない情熱を持つ彼は、人々が目にする風景の背後に存在するもろさを実体験を通じて痛感しており、それゆえに環境保護に熱心に取り組んでいる。入念に練り上げられた体験プログラムのひとつひとつを通して、その土地の本質を解き明かそうとしている。
浜田 敬子 HAMADA Keiko
(ジャーナリスト)
1989年に朝日新聞社に入社。99年からAERA編集部。副編集長などを経て、2014年からAERA編集長。2017年3月末に朝日新聞社を退社後、世界12カ国で展開する経済オンラインメディアBusiness Insiderの日本版を統括編集長として立ち上げる。2020年末に退任し、フリーランスのジャーナリストに。労働問題やジェンダーに関するテーマを中心に取材。2022年8月に一般社団法人デジタル・ジャーナリスト育成機構を設立。2022年度ソーシャルジャーナリスト賞受賞。2023年10月からBリーグ理事も務める。「羽鳥慎一モーニングショー」「サンデーモーニング」「ニュースランナー」のコメンテーターや、ダイバーシティなどについての講演多数。著書に『働く女子と罪悪感』『男性中心企業の終焉』『いいね!ボタンを押す前に』(共著)
公式ホームぺージ https://www.hamakeiinfo.com/
ステファニー・トレス Stefanie TORRES
(海洋生物学者・海洋教育者、SOAペルー代表、SDGs ユースプログラム・パタゴニア航海2024参加者)
海洋生物学が専門の環境活動家。海洋保護区、気候変動対策の提唱、小規模漁業に重点を置きつつ、若手リーダーや沿岸コミュニティが海洋保護に取り組めるよう尽力している。国連海洋会議、国連気候変動枠組条約(COP27およびCOP28)、2024年国連生物多様性会議(CBD COP16)、国際海底機構総会など、世界的なフォーラムで若者の代表を務め、若者の声明の作成と交渉に貢献してきた。ペルーでは彼女の提言が「マール・トロピカル・デ・グラウ国立保護区」の創設と、深海採掘の一時停止のための全国的な要請に貢献した。また科学、政策、そして地域の知見を結びつける若者ボランティア・プログラムや、革新的な海洋教育イニシアチブを共同開発している。海洋環境や生態系への理解促進とそれらをわかりやすく伝えることに情熱を注ぎ、積極的に海洋問題に取り組む次世代を育成する創造的なプログラムを設計している。
ムン・アヨン MOON A-Young
(ピースモモ創設メンバー・代表)
コスタリカの国連平和大学(UPEACE)にて平和教育学修士号取得。小学校教員として韓国国内の学校に務めた後、ユネスコアジア太平洋国際理解教育センターのジュニアプログラムスペシャリストとして勤務。入試中心の教育現場に失望する中で平和教育というテーマに出会い2012年にピースモモを設立。以来、人々の「学び合い」の経験の場を多く作り提供してきた。ファシリテーションのプロフェッショナルとして、多数のワークショップをリードするだけでなく、国際会議にも韓国代表として多数登壇する他、軍備統制・軍縮を研究するストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の年鑑を韓国語に翻訳・要約する作業や、韓国教育庁の諮問委員会メンバーも兼任するなど、幅広い層の人々の厚い信頼を得ながら携わる活動は多岐にわたる。
イヒラウ・ピトン Ihirau PITON
(科学・文化コンサルタント、社会科学修士課程学生)
マオヒ・ヌイ/フランス領ポリネシアの歴史、文化、そして人々の声を伝えることに情熱を注ぐ、タヒチ島の先住民。NGOや大学、政府機関との協働を通じて、文化や環境問題についての啓発活動をしている。文化財団、学生のリーダーシップ、アドボカシー活動に積極的に関わることで世代間の架け橋を築き、若者が自らのルーツを再発見しつつ、ビジターたちと有意義な対話ができるように後押ししている。その文化振興活動には、彼の教育・地域奉仕・研究の経験が活かされている。タヒチ島、モーレア島、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校などでプロジェクトを発表し、常に先住民族であるマオヒの視点を強調してきた。講演では物語の話術、文化的知識、そして自分の民族への強い責任感を融合させている。イヒラウは、インスピレーションと理解こそが、すべての人々のための、より良い世界を構築する強力な手段だと信じている。
マハーニ・テアーウェ Mahani TEAVE
(ピアニスト、NGOトキ・ラパヌイ共同創設者)
受賞歴のあるピアニストで、故郷のイースター島出身者で唯一のプロのクラシック演奏家。人道支援活動家としての側面も有する、クリエイティブな世界と教育・環境活動をつなぐ先駆的なアーティストである。デビューアルバムの『ラパ・ヌイ・オデッセイ(Rapa Nui Odyssey)』はビルボードチャートで1位を獲得し、批評家から絶賛された。BBCミュージック・マガジンは彼女の「自然体のピアノ演奏」と「見事な芸術性」を称賛している。彼女のドラマチックな半生は、15回のエミー賞受賞歴を持つ映画監督ジョン・フォーセンによる新作ドキュメンタリー『Song of Rapa Nui』で描かれている(Amazon Prime Videoで全世界に配信中)。キャリアが急上昇しつつあった30歳の時に故郷に戻ることを決意し、イースター島初の音楽学校「トキ・ラパ・ヌイ」を設立。生態系を重視したこの学校は自立的に運営され、再生可能な天然資源や急速に失われつつある島の文化遺産について子どもたちに教育する場となっている。
本橋 哲也 MOTOHASHI Tetsuya
(英文学者、翻訳家)
1955年東京生まれ。東京大学文学部卒業。イギリス・ヨーク大学大学院英文科博士課程修了。2025年3月に東京経済大学教授を退任。専門はイギリス文学、カルチュラル・スタディ一ズ。さまざまな出来事を自分事として捉え、自分の言葉で応答することに重きを置いている。2021年より国際演劇評論家協会日本センター会長も務める。主な著訳書に『映画で入門 カルチュラル・スタディーズ』『カルチュラル・スタディーズへの招待』『ほんとうの「ゲド戦記」』(大修館書店)、『本当はこわいシェイクスピア』(講談社選書メチエ)、『ポストコロニアリズム』(岩波新書)、ガヤトリ・スピヴァク『ポストコロニアル理性批判』(共訳,月曜社)、ロバート・ヤング『ポストコロニアリズム』(岩波書店)等。