株式会社エコネコルとのベッドマットレス再資源化の取り組み
ピースボートクルーズでは、持続可能なクルーズの実現のために取り組みを続けています。
その一環として、船室の不要になったベッドマットレスの再資源化を、廃棄物の破砕・解体、そして資源選別の技術に強みをもつ「株式会社エコネコル」に依頼をし、解体・再処理の様子を同社新富士本社で見学をさせていただきました。限りある資源を最大限に活用できる社会を目指すエコネコルの、執行役員/静岡支社営業部長の秋山了飛(のりたか)様からお話を伺いました。※写真左
株式会社エコネコル:https://www.econecol.co.jp/
専用の粉砕機でマットレスのウレタンとスプリングを粉砕する様子
ベッドマットレスを100%リサイクルする技術
ベッドマットレスは、鉄製のスプリングとウレタン、布などが複雑に組み合わされた製品であるため、リサイクルが難しいアイテムの一つです。一般的には清掃センターなどで人の手によって外側の布やウレタンを剥がし、取り出したスプリング(鉄)はスクラップとしてリサイクルされています。しかし、この作業には多くの手間と時間がかかることが大きな課題となっています。
また、マットレスをそのまま一般的な破砕機へ投入すると、スプリングが機械内部に絡まり、設備のトラブルや処理効率の低下を招くため、リサイクル業者にとっても処理が難しい廃棄物とされてきました。
そこでエコネコルでは、破砕機メーカーと共同開発した特殊な一次破砕機を導入し、まずマットレス全体を効率的に粗破砕します。その後、粗破砕された状態のものを大型シュレッダーによってさらに細かく二次破砕し、選別工程を経て鉄とプラスチック類、繊維類を分離回収する独自のリサイクルシステムを構築しています。
回収されたスプリング由来の鉄は、製鋼メーカーにて鉄筋やH形鋼などの建築資材として生まれ変わります。一方、ウレタンや布などの可燃物は、RPF(廃プラスチック類や紙くずを主原料とした石炭の代替固形燃料)の原料として有効活用されます。
このようにエコネコルでは、従来処理が困難だったベッドマットレスを資源ごとに分離・再資源化し、100%リサイクルを実現しています。
エコネコルの歩みと環境問題への取り組み
エコネコルは1950年の創業から現在まで、資源リサイクルを中心に事業を展開してきました。当初は金属リサイクルに特化していましたが、大型の破砕機を導入したことで今回のようなベッドマットレスなどの複合材や自動車、コピー機など、多種多様なものをリサイクルできるようになりました。金属からスタートして、さらに非鉄金属やプラスチック、ダストと呼ばれるものが発生するようになると、「これをもう一度選別をすれば、さらに再資源化できるのではないか」というような新たな出会いも生まれます。そういったことが新たな設備をつくったり、技術革新をすすめたり、今までよりも一枠も二枠も事業の幅を広げることにつながりました。
資源のそれぞれの重さの違いを利用して分別をする機械
これまでは、「廃棄はとにかく安ければいい」、「どれだけ安くできるか」が排出者様の一番のポイントだったと思います。しかし、環境問題への世界的な関心の高まりもあり、国内の企業やメーカーさんもそういったことに注目していただくような世の中に、どんどん変化してきています。廃棄物をもう一度世の中に戻していくこと、そういった私たちリサイクラーの技術や成長が、社会全体の成長の一助になれれば。日々、研究や技術革新などさまざまな取り組みを進めながら、これからも資源を循環させて新しい価値や利益を生み出す「サーキュラーエコノミー(循環経済)」の一翼を担っていきたいと考えています。
消費型の社会から持続可能な社会へ、乗客の皆さまとともに
ピースボートクルーズ主催旅行社 ジャパングレイス取締役 鍋島基太郎(写真右):ピースボートクルーズは世界の国や地域を船でめぐりながら、訪れる先々や洋上での日々を通して、環境負荷を減らす旅づくりや、世界が平和に向かうための取り組みを続けてきました。乗船されるお客様のためにも船の改装や改修、備品の交換が必要になり、大きな廃棄物が出る際は「この大きな廃棄物をどうしていこう」という思いを抱いていました。ですので、このたびエコネコル様のような環境への高い意識と革新的な技術を持ち合わせたリサイクル事業者様と出会えたことは、弊社にとっても大変大きな転換点となります。ただ楽しむ、消費するだけの時代から、持続可能な社会を実現する時代へ。お互いの事業分野は異なりますが、未来へと向かう社会の中でともに価値ある文化を生み出せるよう、エコネコル様の取り組みに大きな刺激を受けながら我々も旅を続けていきたいです。