南極

驚きと発見があふれる南極
壮大な山々と美しい氷の世界が視界いっぱいに広がる白い大陸、南極。青と白のその世界には、驚きと発見があふれています。南極の地ではいま、80万年以上前の氷が採取され、これまでに地球で起こった変化が次々と紐解かれています。自分がいま地球のどんな時代を生きているのか─。南極の風の音を聞き、冷たさを肌で感じることで、想像をしたことがないようなことも、考えてみるきっかけになるかもしれません。

一生に一度の経験を
南極点を中心に広がる南極大陸の面積は、およそ1,300万平方キロメートル。日本の国土の約37倍もの大きさです。大陸の大半は厚く巨大な氷に覆われ、露出している黒々とした岩肌は、沿岸の一部や山々の頂上付近に見られるのみ。厳冬期にはマイナス80度にも達する、まさに極限の大地です。どの大陸からも隔絶された南極への旅は、未知なる地球を発見し、自分のこれからの人生の転機になるような出会いがある、そんな一生忘れることができない経験となるでしょう。

南極大陸を目指して
1年の多くを氷で閉ざされる極寒の南極も、夏季は観光シーズンを迎えます。世界中の好奇心旺盛な人びとが南極旅行への玄関口となるアルゼンチンの最南端の街ウシュアイアに集います。南極まではおよそ1,000キロメートル、多くの客船が南極を目指し出航していきます。しかし、向かうは極地。天候や風向き、海、氷、そして動物たちの状態など、あらゆる情報を総合して詳細な航路が日々決定されていく様は、まさに秘境クルーズの様相です。

地球環境のいまを知る
想像のスケールを遥かに越える圧倒的な大自然をその目で見ることは、現在南極が、そして地球環境が置かれている状況について関心を持つきっかけにもなるでしょう。人類が南極に到達して以降、世界の国々がこの地に進出しました。科学技術の発展とともに極地研究や地球の歴史の解明、宇宙の中の地球の観測が進む一方、人間の行動による環境への影響も懸念されています。時代とともに役目を終えて放棄された廃基地が点在する荒涼とした光景は、これまで人類が残した環境への負荷の証でもあります。