アーカイブ: 寄港地
マレーシアの首都。近代化を象徴する高層ビルが建ち並ぶ一方、イギリス統治時代の建築物やイスラム教、ヒンズー教などの寺院も同居する、見どころの多い街です。
伝統と進化がとけあう首都へ
寄港するポートクランは、マレーシア経済の発展を牽引する同国最大の港湾都市。この街を拠点に、首都クアラルンプールへと向かいます。ダイナミックに輝く摩天楼のビル群や、植民地時代の面影を残すコロニアルな建築物。活気あふれる市場や祈りの場であるモスクや寺院など、クアラルンプールにはさまざまな見どころが混在しています。マレー系、中華系、インド系など多様な民族が共存し、それぞれの文化の独自性を保ちながらエネルギッシュに進化を続ける街――そんなクアラルンプールの魅力を全身で感じながら、散策やグルメめぐりなどが楽しめます。
見どころいっぱいの街並み
クアラルンプールの近代化を象徴するのが、街のシンボルであるペトロナス・ツインタワー。高さ約452mを誇り、一時は世界で最も高いビルでした。小高い丘の上にそびえる独特の形をしたKLタワーは、クアラルンプール市街を一望できる絶好のスポットです。マレーシアの独立が宣言されたムルデカ・スクエアがあるのは、イギリス統治時代の面影が残るエリア。周辺には歴史的・文化的な建築物が多く集まり、建物探訪も楽しめます。博物館や植物園、国立のモスクも顔を揃え、さながら都会の中のオアシスのような空間です。
多民族国家ならではの味わい
「食の都」、「美食の街」などと呼ばれ、バラエティに富んだグルメが魅力のクアラルンプール。多民族国家であるマレーシアでは、マレー、中華、インド料理をはじめ、ニョニャという伝統料理などが楽しめます。それぞれの食文化が互いに刺激を受け合った、本国とは異なる独自の味わいも人気で、屋台街も充実しています。繁華街のブキッ・ビンタンやチャイナタウンなどでは、アジアらしいにぎやかな雰囲気の中で食事をお楽しみいただけます。それぞれの文化の名物料理を味わいながら、味の違いや特徴を探してみるのも旅の楽しみとなることでしょう。
マレーシアのサバ州の州都であり、ボルネオ島のマレーシア領最大の都市。東南アジアの最高峰で標高4,095メートルのキナバル火山を有するキナバル自然公園への玄関口です。
生物多様性の島
自然が豊かなボルネオ島は、その独自の自然環境と生態系が世界自然遺産として認定されています。東南アジア最高峰のキナバル山の麓にあるキナバル公園は遊歩道が整備され、熱帯から高山帯までの環境で暮らす固有の動植物が住む原生林を楽しめます。手軽にコタキナバルの大自然を味わうなら「ロッカウイ・ワイルドライフパーク」へ。ここは100種類以上の動物たちが暮らす「動物園」とボルネオ島ならではの植物を観察できる「熱帯植物園」で、オラウータンやピグミー・アジア象、テングザルに出会うこともできます。
ボルネオの伝統文化体験
ボルネオ島は、昔から地域ごとに先住民族が暮らしてきたため、コタキナバルのあるサバ州だけでも、30以上の民族が暮らしているといわれます。サバ州立博物館では、サバ州の歴史や発掘された品々、民族衣装、そして実際に使われていた伝統家屋を移築したヘリテージ・ビレッジを見学できます。古くから伝わる竹を使った料理方法や伝統舞踊、そして固有の文化とさまざまな文化が融合したマレー文化を体験することは、”国”が移り変わってもこの島に息づく、人びとの生活にふれる貴重な時間となるでしょう。
韓国本土から南へ90キロメートル、本土とは異なる独自の文化や温暖な気候に恵まれた豊かな自然の広がる、人気の観光地です。
自然豊かな火山島
約10万年前の海底噴火によって生まれた巨大岩山で、済州島を代表する景勝地のひとつが、2007年に世界遺産登録された「城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)」。海際にそびえる急峻な岩山は、遠くから眺めると王冠のようなユニークな形をしています。頂上からの眺めも格別です。城山日出峰とあわせて世界遺産に登録さている世界最長の溶岩洞窟「万丈窟(マンジャングル)」には、溶岩流線や溶岩鍾乳、溶岩石柱が連なる壮大な景観が広がります。火山島が創り出したダイナミックな地底の世界を楽しめます。
文化が根付く島
韓国本土とは、また違う独自の文化が育まれた済州島の歴史を伝える「済州民俗村博物館」は、島の昔の生活を再現した野外文化施設です。柱や石垣など実際に島民が暮らしていた家の資材を使い、19世紀の伝統家屋が100棟以上復元されています。生活用品や農具などもあり、当時の人びとの暮らしぶりが伝わってきます。また伝統的な音楽劇、「サムルノリ」や「タルチュムノリ」と呼ばれる仮面劇など、島に伝わる風習も鑑賞できます。「西帰浦毎日オルレ市場」では、活気ある市場を散策してこの島ならではのグルメを味わいましょう。
人口950万人を超えるインドネシアの首都ジャカルタ。ジャワ、マレー、中国、アラブ、インド、そしてヨーロッパの文化が歴史的に融合した、急成長を続ける街です。
歴史地区をめぐる
オランダ領土だった時代の風景を色濃く残すコタ地区。このエリアはコタ・トゥア(古い都市)と呼ばれ、ジャカルタで最初に発展した地区で、周辺にはオランダ領土だった時代の名残りであるバタヴィア建築の街並みが広がります。ファタヒラ広場の周囲にはコロニアル様式の建物が軒を連ねており、ヨーロッパの雰囲気が漂います。また、オランダ統治時代に香辛料やコーヒー、紅茶、胡椒などを貯蔵する東インド会社の倉庫として利用された建物は、現在はインドネシアの船舶や海事資料を展示する海洋博物館になっています。
ローカル料理に舌鼓
古くから香辛料の国として有名だったこともあり、インドネシア料理には多くのスパイスが使われています。ご飯や麺をベースにした料理も多く日本人に馴染みやすいことも特徴のひとつ。目玉焼きを載せたインドネシア風炒飯のナシゴレンや麺料理のミーゴレン、味付け肉を串に刺して焼いたサテなど、暑い気候特有の唐辛子やニンニクがきいたピリッとした甘辛い料理は、大いに食欲をそそります。デザートには、揚げバナナにチョコレートシロップや粉砂糖をかけたピサンゴレンをどうぞ。
清代末期に欧米への開港地となった海口。海上貿易の主要地で、開発を進めながらも、重要な歴史遺産が数多く残されている美しい都市です。海南料理も楽しみな寄港地です。
街の歴史と海南料理
開発が進み、先進的な街並みで知られる海南島。しかし唐・宋の時代には、罪人が島流しにされる流刑の地でした。重要文化財「五公祠」に代表される道教の影響を受けた建築群や、海南島の歴史や民俗文化を伝える海南省博物館を訪れた後は、昔の中国にタイムスリップしたような旧市街の「騎楼老街」を散策するのもオススメです。お腹が空いたら、山の幸にも海の幸にも恵まれた海南料理を。ココナッツやマンゴーなど、南国ならではの食材をふんだんに使ったスイーツも楽しみです。
自然豊かな熱帯の島
ハワイと同じ緯度に位置する常夏の島、海南島。中国屈指のリゾート地でもあるこの島は、豊かな自然に囲まれています。複雑な地形と独特の植生を保ち、多くの生物を育んできました。火山口公園には大小の火山口が点在するほか溶岩流の痕跡もあり、さまざまな植物や地形を見ながらの散策が楽しめます。また約4,000ヘクタールという広さを誇る中国最大のマングローブ自然保護区では、緑深いマングローブを眺めながら、ゆったりとボート遊覧を楽しむこともできます。
ソウルに次ぐ韓国第二の都市・釜山は、年間を通じて数多くの観光客が訪れる人気の街。にぎやかな市場やショピング、港町ならではの新鮮な魚介を使ったグルメも楽しみです。
古都慶州で遺跡めぐり
慶州は紀元前1世紀頃から約1000年にわたり続いた新羅王朝の首都として、朝鮮半島の政治、文化の中心地として繁栄を築きました。新羅時代、最盛期の8世紀には60余棟の木造建物がそびえ立つ壮大なスケールを誇っていた仏国寺(プルグクサ)や、新羅美術の最高峰と称される仏像彫刻が置かれている石窟庵(ソックラム)は、世界遺産にも登録されています。韓国の中でも仏教寺院が多い慶州を散策すると、日本の仏教寺院とのつながりが感じられるでしょう。
釜山の魅力にふれる
日本からも多くの観光客が訪れる釜山の街。中でも釜山タワーや国際市場など、観光やグルメ、ショッピングを楽しめる南浦洞(ナンポンドン)は、人気を誇るエリアです。映画やドラマのロケ地としても有名な国際市場(クッチェシジャン)は、買い物だけでなくトッポギやチヂミなど韓国料理の食べ歩きも楽しめる、にぎやかな場所。また、近年フォトジェニックなスポットとして人気を集める甘川洞文化村も、ぜひ訪れたいスポットです。路上アートやおしゃれなカフェがあちこちにあり、多くの観光客でにぎわいます。
国民の9割以上が仏教徒であるタイの首都、バンコク。東南アジアを代表する都市として、また伝統美あふれる仏教大国としての顔を併せ持つ街並みが旅行者を魅了します。
個性豊かな寺院の数々
多くの寺院があるバンコク。王室専用寺院「ワット・プラ・ケオ」は、通称”エメラルド寺院”と呼ばれ、本堂にある翡翠でできたエメラルド色に輝く仏陀が象徴です。巨大な寝釈迦仏がある「ワット・ポー」、80メートルを超える大仏塔が象徴の「ワット・アルン」とともにバンコク三大寺院として人気を集めています。世界で最も大きい黄金の仏像が見られる「ワット・トライミット」は、金色と白色のコントラストが美しい寺院です。寺院めぐりを通じて、仏教に根差した人びとの生活を垣間見ることができます。
特別な存在、象と出会う
庶民から王様まで、象を特別な存在として敬意を払ってきたタイの人びと。象は、生活にも信仰にも欠かせない大切な存在です。しかし産業の衰退とともに、エサを与えられずに捨てられる象が増え、問題となっています。森林などの生息地も失われているため、野生に戻ることも難しいのが現状です。 そんな象の保護を目的した「エレファント・ビレッジ」を訪れると、タイの伝統文化と密接に結びついている象と人間との関係や伝統的な生活様式などもっとディープなタイを知ることができます。
美しい海やリゾートホテルはもちろん、豊かな伝統文化、芸術、そして美しい自然が世界中の人びとを魅了します。2012年には、5つのエリアが世界遺産として登録されました。
世界遺産をめぐる
バリを代表する6大寺院の中でも特に美しいといわれる、インドネシア語で「美しい庭園」を意味するタマン・アユン寺院。また、これと並び、世界遺産「バトゥカル山保護区のスバック景観」の象徴ともいえるバリ島の美しい景観といえば、圧巻の規模で知られるジャティルイのライステラス(棚田)も外せません。一面に広がる緑の棚田とヤシの木がそよぐ風景は、得も言われぬ美しさ。標高700メートル付近の山間に位置していることもあり、お米のほかにコーヒー豆やバナナの生産も行われています。
癒しと祈りの島
ヒンドゥー教と独自の古代文化が融合した、バリ・ヒンドゥー教。バリの文化を代表する風習のひとつが、神々への感謝の気持ちと祈りを込めた「チャナン」です。これは、ヤシの葉やバナナの葉で編まれた小皿の中に色とりどりの花々が盛られたお供え物。街のいたるところで目にすることができます。神話を基にした舞踏劇「ケチャダンス」や、ガムラン演奏に合わせたバリ舞踊などの伝統芸術も見逃せません。また現地のグルメもぜひ押さえておきたいところ。インドネシア料理独特の味付けとスパイスがクセになるおいしさです。
世界が注目!学校訪問
ウブド郊外のジャングルの中にある、曲線の美しい巨大な竹の建物。エコロジー(人間生活と自然との調和・共存)をテーマとして2008年に創設された「グリーンスクール」です。ここでは「持続可能な環境」の具体的な未来を見据え、ゴミを出さない循環型の環境をつくりだし、世界中から集まった小学生から高校生までの生徒たちがのびのびと生活しています。2014年には国連事務総長の潘基文氏もグリーンスクールを訪問し、その取り組みを高く評価したこともあり、世界中から注目を集めています。
伝統と芸術が息づく地へ
美しいビーチはもちろんのこと、自然と調和した歴史ある寺院、青々とした稲が一面に茂る風光明媚な棚田、色とりどりの衣装に身を包んだ伝統舞踊など、独自の文化や風習が数多く残る島は「プラウ・デワタ(神々の住む島)」と称されるバリ島。 アジアを代表するリゾート地として知られ、一度訪ねるとその魅力の虜になる人は数知れません。ヒンドゥー教と独自の土着信仰が融合したバリ・ヒンドゥー教の風習や、ガムラン音楽、バリ舞踏、ケチャダンスなどバリ島に花開いた伝統芸術との出会いも楽しみです。
[特集記事]“神々の住む島”の伝統と最先端の取り組み
フィリピンの中部に位置する、南北225キロメートルにわたって細長く伸びる島。青い海と澄んだ空、真っ白な砂浜が続く、世界有数のリゾート地として知られています。
セブリゾートの中心へ
セブ島からわずか数キロの沖合に浮かぶ離島、マクタン島。リゾート地として知名度の高いセブ島ですが、世界的に有名なセブリゾートの中心はこのマクタン島です。セブ島とは2本の橋でつながっており、簡単に行き来できるようになっています。島にはエメラルドグリーンの海、青々と茂るヤシの木、白い砂浜など、絵に描いたような南国の景色が広がっています。またこの島はビーチリゾートだけでなくダイバー憧れのダイビングスポットとしても有名で、色とりどりの魚が泳ぐ豊かな海を求め、世界中から旅行者が訪れます。
歴史にふれる街歩き
セブ島の見どころは、セブ・シティに点在するスペイン統治時代の遺構群です。大航海時代に活躍した航海士マゼランが上陸したセブ島には、重厚な石造りの要塞「サンペドロ要塞」や16世紀に建造されたフィリピン最古のカトリック教会「サントニーニョ教会」、マゼランゆかりの十字架「マゼランクロス」を安置した八角堂など、数々の歴史建築が残されています。中国やスペインの影響を受けたローカルフードや新鮮な魚介類など、多彩なフィリピングルメも楽しみです。甘くてジューシーなトロピカルフルーツをぜひ!
ポルトガルやインドネシアなどの支配を経て、2002年に独立を果たした東ティモール。のどかな島に暮らす穏やかな人びととの出会いは、忘れられない経験となるでしょう。
未来を担う若者たちと出会う
ティモール島の半分を領地とし、その多くを山に囲まれた小国・東ティモール。16世紀頃からはポルトガルの植民地となり、その後はインドネシアに併合された歴史を持ちます。2002年に独立を果たしてからは、首都ディリを中心に目覚ましい発展を遂げています。長きに渡った独立への戦いを伝える博物館や、その時代を経験した地元の人からの話に耳を傾ければ、平和の大切さが改めて感じられるはず。また、国の発展に貢献したいという意欲にあふれた未来を担う若者たちとの出会いも、特別の思い出となることでしょう。
アジア一新しい国を歩く
インドネシアとオーストラリアの間、小スンダ列島の東端にあるティモール島の東半分を主な領地とする東ティモール。16世紀頃よりポルトガルの植民地下に置かれ、第二次世界大戦中の日本軍占領を経て隣国インドネシアに併合されました。2002年に念願の独立を果たした現在は、新しい国としての歩みを一歩ずつ進めています。こうした一般的な観光旅行では訪れることの少ない場所に行けるのも、多くの寄港地をめぐるピースボートクルーズならではの特色。21世紀最初の独立国・東ティモールの見どころをご紹介します。
[特集記事]アジアで一番新しい国へ