乗船者インタビュー
自分が変わるきっかけになるとは思っていませんでした。
秦南美さん(東京都 / 26歳 / 栄養士)
出発前の気持ち
病院で栄養士の仕事をしていました。絵を描くことも好きで、ピースボートセンターでおこなわれるイベントの時にイラストを描いたり、船内でもイベントでロゴを描いたりしています。当初は地球一周にも世界旅行にも興味はなかったんですが、そんな中でもずっと行ってみたいと思っていたのが、サグラダ・ファミリアとノルウェーのフィヨルドでした。出発前も、その2ヶ所以外はあまり興味がなかったです(笑)。
自分を変えたい
船に乗ろうと思ったのは、職場の友人に会社を辞めて地球一周に行くと言われたことがきっかけでした。自分の中で危ない橋を渡らずに、先を見越して行動することが癖になっていたので、世界旅行なんて選択肢は私にありませんでした。でも友人が話すのを聞いていると、その子が輝いて見えて。私も行動することで、なにかいい方向に変わるのではないかと思いました。そこで、今まで自分がやったことのない選択をしてみようと思って、ピースボートに電話をしたんです。
寝るのがもったいない(笑)
人を楽しませたり、喜んでもらうのが好きなので、船内では企画に関わっているときが一番楽しいですね。大きな企画がないときは、絵を描いたり体を動かしています。乗船前からやりたいと思っていた企画を、船内でできた友人たちと作り上げたのはいい思い出です。思っていたよりも大規模なものになりましたが、大成功でとてもいい経験になったし、夢をかなえることもできました。船での時間が限られていると思うと、睡眠をとることをもったいなく感じてしまいます(笑)。そのため、友人と夜遅くまで話をしていることも多いですね。
憧れの地に立っていることを実感
ピラミッドを目にしたときに「実在したんだ」と衝撃を受けたし、そこに自分が今いるということを実感しました。高校生のときに、唯一完成していない世界遺産ということを知ってからからずっと行きたかったサグラダ・ファミリア。現在の技術を使うと予想よりも完成が早まると知っていたので、完成前に見たかったんです。私が知っているサグラダ・ファミリアは、正面の遠景だけだったんですが、近くで見てみると物語性のある彫刻で、今では生み出せないものだろうと思うと感動しましたね。内部はガイド付きで観光しましたが、説明を聞きながら見学すると、ただ単純にきれいだなという思いに加え、より深い感情を覚えました。
出会えてよかった
乗船前は人と関わる機会は少ないのかと思っていましたが、企画を通してたくさんの人と関わることができました。海外からの参加者も多く、企画を作っている中で、「いろんな言語に対応する」ということが当たり前で、自分の考えが変わったと思います。乗船前の自分と変わらない自分で帰るんだろうなと思っていたので、自分の考えを持つことができ、目標を見つけることができるなんて、想像もしていませんでした。旅をとおしてこんな風に自分自身が変われると思っていなかったので、驚いています。出会えてよかったと思う人たちができたことも、すごくうれしいです。