乗船者インタビュー

この楽しい船旅を、たくさんの方に体験してほしいです。

城山英子さん(大阪府 / 71歳)

最初は半信半疑だった

これまでに、ショートやミドルクルーズも含めて10回乗船しています。きっかけは、退職目前の頃に見たポスターでした。それまで同じ場所を何度も通っていたのに、本当にたまたま目に入って。もともと旅行が好きだったので、在職中も休みがあれば行っていました。だからポスターに記載された旅行代金を見て、「こんな値段で地球一周なんて行けっこないわ~」と、最初はちょっと疑ってしまったくらいです(笑)。説明会にも半信半疑で行ったのですが、アフリカなどひとりでは行きにくい場所の素晴らしい映像が流れて、それに魅せられて「行ってみたいな」と思いましたね。

夢を抱いて早期退職

仕事は養護施設で“給食のおばちゃん”をしていました。お寺の方がやっている社会福祉法人でいろんな方がいらっしゃり、その方たちが食べる食事を作る仕事をしていました。そこで生活をしながら学校に通う子どもたちもいたので、家庭的な雰囲気を感じられるようなメニューや、学校に持って行くお弁当、お正月にはおせち料理も作りましたね。でも60歳で早期退職したんです。当時はカナダのヴィクトリアという場所に住んでみたいという夢があって、少しでも早く行った方が体力的にもいいだろうと思ったので、思い切って決断しました。

脱線しつつも見つけた、新しい居場所

でも、退職した途端に保険の手続きなど想像以上にやることが出てきてしまい、すぐにカナダに行くのは難しいという現実に直面しました。そんな中、ピースボートに「ボランティアスタッフ」という制度があると知り、興味があったので梅田のピースボートセンターに通うようになりました。いざ申し込んだもののひとりで参加するのは少し不安だったので、同じくこれから乗船予定の方と情報交換したり、関わることができて出発前から楽しかったですね。当初のカナダ行きからは脱線しましたが、退職して時間の縛りもなくなった私にとっては、もうひとつの居場所のような存在でした。

船は学びの場

乗船中は、水先案内人の方のお話は極力聞くようにしていましたね。専門の方から直接話を聞ける、こんなチャンスはないと思うので勉強させてもらうつもりで聞いています。平和に関してもそうですが、つい自分からは遠いことと思ってしまいます。でも話を聞くといろんなことが身近に感じられますし、私にとっての学びの場ですね。寄港地ではヨルダンのペトラ遺跡がすごく印象に残っています。“港町”でいうと、アドリア海に面したモンテネグロのコトルがお気に入りです。コンパクトな街ですが、とってもきれいで、港町としては一番好きかな。良かったですよ。

洋上ミュージカルとの出会い

初めて乗船したときに、「コモンビート」というミュージカルに出会いました。船内で素人100人が100日かけて作り上げていくもので、オーディションもあるんです。役割が決まり、船の中の限られた材料を使って衣装や小道具、大道具も全部自分たちで作るんです。夜遅くまで練習してがんばった甲斐もあって、本番ではやっぱり達成感がありましたし、そこに行きつくまでにとても刺激がありましたね。“給食のおばちゃん”だった私が演者として舞台に上がって、お友だちもたくさんできました。これまであまり表に出ることもなかったんですが、いいきっかけを作っていただいた気がしています。

“参加する側”から“教える側”へ

それからは乗船するたびに少しずつ新しいチャレンジをするようになり、今はラインダンスをやっています。ラインダンスというと横一列で脚を上げるイメージがありますが、私がやっているのはステップを踏んで前後左右に移動したりターンするようなラインダンス。私も素人でしたが、社交ダンスの先生がやっているのを見て「簡単で楽しそう!」と思って踊っていたら、周囲の方から「教えてほしい」と言われ、気付いたら企画を開く側になっていました。

いいなと思ったら、行ってみてほしい

船旅はとにかく体に優しいと思います。時差もゆっくり調整するので負担にならないし、座っているだけでごはんが出てくる。たくさんの方と知り合えて、いろんなお話が聞けます。だから、年配の方には特にいいと思いますよ。私はピースボートの船旅ですごくいい思いをさせてもらっているので、ぜひいろんな方にこの楽しい体験をしていただきたいと思いますね。年を重ねると明日どうなるかわからないですし、「いいな」と思ったら行ってみてください、と伝えたいです。私もそんな気持ちでここまで来たんです。本当に不思議ですけどね。

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