乗船者インタビュー

一生続く「新婚旅行」を、とても楽しんでいます。

谷禎介さん・谷礼子さん(兵庫県 / 85歳・77歳)

第二の人生を歩む中で

禎介さん:船乗りの仕事を早期退職してからは、子会社で働いたり、老人大学に通っていました。当時の妻も早くに亡くし、17年くらいは1人でいました。そんなときに老人大学の仲間から「ピースボートがおもしろいよ」と聞き、まずはどんなものかとショートクルーズに乗船しました。ギターを持って行き、乗船中にライブもできました。/礼子さん:私は新聞広告で知りました。前の夫が亡くなって7年ほど。子どもたちにも「自分の幸せを探して」と世界一周を勧められて、乗ってみたんです。そしたら素晴らしいことがあったんです(笑)。

偶然の出会いから

礼子さん:私たち、それまではお互いのことを知らなかったんです。あるクルーズで部屋がお向かい同士になり、何かのきっかけでお互いの部屋のメンバーで食事に行くことになりました。次第に「いい人だな」とは思うようにはなったけれど、最初はグッとはきませんでした。/禎介さん:船内でチャリティーオークションがあったとき、「船長と食事ができる」というのを僕が競り落としたんです。そこに、友人をひとり呼ばせてもらうことにしたんです。それまでにも何度か食事に誘ったことはあったんですが、旅も終盤でしたし、心を決めましたね。

アクシデントも乗り越えて

礼子さん:それまでもずっと一緒にいたので「こんないい人はいない」と思い、決心しました。旅が終わってからは、神戸と川崎の遠距離だったので、メールでやりとりを続けていました。そこで次のクルーズには一緒に乗船しようと二人で計画をしていました。/禎介さん:一緒に横浜から乗船しようと新幹線で向かっていたら、彼女から連絡が来て「ケガして入院した」って言うんです。/礼子さん:一緒に行けるのがあまりにもうれしくて、小躍りしてたら階段から落ちてしまったんです(笑)。/禎介さん:しょうがないからひとりで乗船したのですが、あれは相当悔しかったですねぇ。

ずっと一緒に旅をしてる

禎介さん:僕が帰ってきたとき、彼女はある程度歩けるようになってきたので迎えにきてくれました。その後は、僕らが出会ったクルーズの同窓会があり二人で幹事をしたことも。そして仲間の後押しもあって、晴れて入籍しました。新婚旅行へ行ったり、その間にピースボートクルーズも含めて、船に何度も乗りましたね。/礼子さん:それ以前に私が神戸に引っ越しして、一緒に老人大学にも通っていました。コロナでの中断もあってようやく卒業できたので、今回含めて2回乗船しました。これからのクルーズも予約しています。

マチュピチュ遺跡での特別な思い出

礼子さん:一番思い出に残っている寄港地を挙げるなら、マチュピチュ遺跡でしょうか。すべて自分たちで調べて申し込んだんですが、とてもよかったです。現地ガイドもネットで探したんですが、その人がマチュピチュ遺跡をとても丁寧に案内してくれたんですよね。/禎介さん:団体ツアーとは違い、2人でひとりのガイドさんの案内を聞ける。日本語もお上手で親切でね。/礼子さん:マチュピチュ遺跡のことをとても愛していて、「こんな神聖は場所はない」と、かつてそこで暮らしていた人たちの生活が甦るような説明をしてくれました。奇跡的な出会いでしたね。

最高のパートナーとともに

禎介さん:船内での生活は、自主企画が中心ですね。私は詩吟と、ギターを弾きながら懐メロを教えています。/礼子さん:禎介と礼子なので「トニー&レイニー」という名前で、トニーがギターを弾いて私はウクレレを弾いて、仲間たちと一緒に英語の歌などを歌って、よく舞台にも上がりました。/禎介さん:レイニーも歌うんですが、「声がきれい」とよく褒められるんですよ。/礼子さん:私たちは何でも出たいんです、イベントをやると聞くと「はい、やります」って(笑)。

失敗しても楽しめればOK!

礼子さん:でも私、舞台では失敗ばかりしているんですよ。演奏もそうですし、落語の発表会でも失敗したんですが、周りの皆さんは「とてもよかったよ」と言うんですよね。一番笑ったって。そういうのを聞くと、みんなが笑ってくれたらそれで大満足!何事も挑戦してみるのがすごく大事だと思うんです。今回も、初めてのことに挑戦するのがとても楽しかったです。誰も私のことを知らないから、どんな無様な格好でも大丈夫だし、思っているほどみなさん自分のことを見ていないですから。素直に楽しむことが、やっぱり一番大事ですよ。

出会いは旅の宝物

禎介さん:この旅の一番のよさは、友人がたくさんできること。日々の中で、パッと周りを見ただけで挨拶ができるような友人が増えてくるんです。そうやってニコニコしている人たちの顔を見ていると、自分までうれしくなってきます。/礼子さん:旅って、心が開放的になって素直な気持ちになれるんですよね。普通の生活だったら気どったり、恥ずかしいなと思うことでも、旅の中だと思い切って挑戦できる。いろんな方たちの本当の顔が見えて、そういう出会いが素晴らしかったと思いますね。船旅をとおして最高の仲間を見つけられて、幸せです。/禎介さん:幸せは自分でつくる!ですね。

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