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PEACE&GREEN BOAT 2015(夏のウラジオストック・小樽・長崎をゆくショートクルーズ)

クルーズレポート

2015年8月6日 小樽寄港〜知られざる「北海道開拓史」をたどる〜

本船は北海道・小樽港へ初寄港、今回は「北海道開拓史」をたどるプログラムに参加します。北海道開拓の歴史に、多くの朝鮮人・中国人が存在することはあまり知られていません。当時、14万5000人あまりの人びとが朝鮮半島から北海道に連行されたと言われます。訪れたのは、浄土真宗本願寺派札幌別院。ここには、強制労働の末に命を落とした161人の遺骨が安置されています。しかし、このうち身元が確認されているのは40人ほど。遺族の元に遺骨が返還されたのはわずか5名…当時の人々の命が、軽んじられていたことが伺えます。改めて、歴史を「知る」意義を考える、大切な1日となりました。

2015年8月5日 チャン・サイク、スペシャルコンサート

ブロードウェイラウンジに向かって伸びる長蛇の列——。まもなく、韓国の国民的歌手、チャン・サイクさんのコンサートが始まります。チャン・サイクさん韓国伝統音楽・パンソリの歌い手として、韓国で知らない人はいない、といっていいほどの存在で、韓国の音楽評論家の間では「最も豊かな表現力を持つ歌い手」と評されているそう。彼が歌い始めた瞬間、その迫力の歌声と歌唱力に「ズドンと射抜かれた」という声も。歌詞はすべて韓国語ですから、日本の私たちには難解かも……そんな心配は無用でした。ここからはもう、チャンさんの歌声に身を委ねるだけ。夢のような一夜となりました。

2015年8月5日 つながる日中韓〜カルチャーで読み解く新時代〜

「日・中・韓」——こんな言葉を聞くと難しい外交問題を想像しがちですが、いまそれぞれの国のポップカルチャーは互いに浸透し、社会現象とも呼べるような人気を博しています。この講座では、北京大学外国語学院准教授の古市雅子さんや一橋大学准教授のクォン・ヨンソクさん、公益財団法人「日本国際交流センター」シニアフェローの若宮啓文さん、作家・評論家の石川好さん、アニメーション監督の宇井孝司さんらが、その文化的背景や未来の可能性を探りました。皆さんの発言に共通していたのは「ポップカルチャーは、国境を越える!」、そして、「ポップカルチャーは面白い!!」というアツい思いでした。

2015年8月5日 息子の意志を引き継いで〜被爆二世の父親として〜

韓国で初めて、自身が被爆二世であることを公表し、その実情を訴える活動を続けたキム・ヒョンユルさん。そのご両親、キム・ボンテさん、イ・ゴクチさんご夫妻が洋上講座に登壇。お二人は、34歳の若さで亡くなったキム・ヒョンユルさんの「遺志」を継ぎ、在韓被爆者とその家族の思いを発信しています。ボンテさん、ゴクチさんの語りから「原爆被害は日本人のみの問題ではない」、「歴史認識や戦後補償はもちろん、差別や植民地主義といった問題も含まれていることを改めて知った」という声も。「核なき社会でなければ、真の平和は訪れない」——ボンテさんの言葉を胸に刻む、大切な講座となりました。

2015年8月4日 ウラジオストック寄港〜子どもたちと交流〜

Peace&Green Boatはウラジオストックに寄港。今回レポートするのは、日本と韓国、そしてロシアの子どもたちによる交流プログラム。会場に着くなり歓迎会がスタート、いきなりスゴイ盛り上がりです。モジモジしちゃう日本と韓国の子どもたちの手を取り、ぐいぐい引っ張ってくれるウラジオストックの子どもたち。みんな驚くほど積極的です。でも、あっと言う間に仲良くなれるのがスゴイところ。改めて言うまでもないことですが、言葉は通じません。お互いに明らかに違う言葉を話しているのに、ぐんぐん仲良くなってワイワイ笑っているんです。これは本当にスゴイことだし、大きな希望を感じることですね。

2015年8月3日 Life Onboard 〜洋上のヒトコマ〜

夜のラウンジで始まったのは「バブル&マジックショー」。大歓声の中、赤鼻を付けて登場したのは大人気マジシャン、クァック・ドンホさん!そして昨年のPeace&Green Boatにも乗船いただきました。バブルアーティストで”バブル・ドラゴン”ことシン・ヨンさん!!相変わらずのド派手なバブルで登場です。お二人のマジック&バブルショーに会場は大盛り上がり!!って、コレが盛り上がらないワケがないですよね。こーんな楽しいシャボン演出も。「ボクも!」「ワタシも!!」と大はしゃぎの子どもたち、そして、「いいな〜…あれ、やりたい……」と羨望の眼差しを向けるオトナたちでした。

2015年8月3日 東アジア共同体の未来を描く〜日韓合同シンポジウム〜

戦後70年、そして日韓国交正常から50年の節目を迎えるいま、日本と韓国は、そして東アジアはどんな未来を描くのか——「平和で持続可能な東アジア」を目指して私たちに出来ることを考える洋上シンポジウムの開催です。登壇したのは、このクルーズをコーディネートする韓国NPO「環境財団」代表のチェ・ヨルさん、ピースボートの吉岡達也、そして8名の水先案内人の皆さん。多彩な視点から、東アジアの未来を探ります。これほど多様な立場・視点を持つ専門家らが集まり、発言することは日韓が共に集う洋上、という希有な場ならでは。Peace&Green Boatならではの大きな注目が集まる講座となりました。

2015年8月3日 軍艦島の世界遺産認定を問う

日韓関係のいまを象徴する、軍艦島(端島)を含む「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録に関する議論。その論点を、聖公会大学教授のイ・シジェさん(写真・左)、一橋大学准教授のクォン・ヨンソクさん(写真・右)のお二人が解説しました。韓国出身で日本の大学で教鞭を執るクォンさんは、日韓両国の文化を知る視点から歴史認識について語ります。一方イ・シジェさんは、「法律的な問題にばかり焦点を当てていては全体像を見失う」と別の視点から論じます。日韓の歴史とこれからを考える講座に、改めてPeace&Green Boatの意義を考えたという方も多かったよう。旅の始まりにふさわしい講座となりました。

2015年8月2日 釜山(韓国)出航〜出航式〜

釜山港で、韓国からの参加者約500名が本船に合流。いよいよ「第8回・Peace&Green Boat2015」の本格始動です。釜山出航のデッキでは、参加者みんなが揃っての「出航」を祝う出航式が行われました。東アジアの平和のために——乾杯!!本クルーズの韓国側のパートナー、韓国最大のNPO「環境財団」の代表を務めるチェ・ヨルさんの音頭にシャンパンのコップを掲げると、デッキには出航を祝う5色の紙テープが!! 風に舞う紙テープ、何とも美しい出航です。ゆっくりと遠ざかる釜山の街。夕焼けが本船を見送ります。ここから目指すはロシアのウラジオストック港。第8回Peace&Green Boat、いよいよ始まります!!

2015年8月2日 釜山(韓国)寄港〜「韓国民主化運動」〜

1945年の第二次大戦の終結から、軍事独裁政権下にあった韓国。「民主化宣言」が発表され、民主化を遂げたのは1987年のことです。釜山寄港の今日、訪れたのは釜山民主公園内に建つ「抗争記念館」。ここには、独裁政権下の韓国で、民主化を求め声を挙げた人々の歴史や活動が展示されています。「韓国の民主化運動は、植民地解放運動から続く100年戦争の一部だと私は思っています。現在韓国は保守政権下にあり、民主化運動の停滞期と言えるのかも知れません。それでも私は、民主化を勝ち取った民衆の力を信じています」ガイドを務めてくれたイ・ドンスンさんの言葉が胸に響く、大切な1日となりました。

2015年8月1日 Peace&Green Boat 2015出航!!

いよいよ、「Peace&Green Boat 2015」出航の日!ピースボートと韓国のNPO「環境財団」による”日韓クルーズ”も、今回が8回目となります。乗船口では、ピースボート・オリジナルキャラクター「シップリン」が私たちを迎えます。サービス精神旺盛なシップリン、常に笑顔で参加者を迎え、記念撮影にも気さくに応じてくれます。気がつけば夕刻、出航の時間が近づいてきました。デッキでは、出航を祝うささやかなライブイベントも始まりました。出航の夜、お酒を片手に、デッキで音楽を楽しむ。ふと振り返れば博多の夜景——出航に、これ以上のシチュエーションがあるでしょうか。船は一路、釜山へ向かいます。

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