第71回ピースボート地球一周の船旅(いつか行きたい、と思い描いた旅)
寄港地のご案内
コースの寄港地
各訪問地は季節や曜日、時間帯によっては、営業していないことがあります。
かつてイギリスの植民地だった、中国南東部の特別行政区。超高層ビルが林立する世界的な金融都市で、ネオンきらめく夜の景色は「100万ドルの夜景」と称されています。

情緒あふれる喧騒の街
激動の近代を駆け抜けた街を散策すれば、英国式のクラシカルな建物から現代的な高層ビル群、中国式の寺院、にぎわう市場など、情緒豊かで多彩な表情に出会うことができます。映画「慕情」の舞台となったレパルスベイや、香港映画スターの手形や像が迎えるアベニュー・オブ・スターズ、香港ならではのお土産が手に入るスタンレーマーケットは、ぜひとも訪れたいスポットです。また香港は夜景でも有名。標高約550メートルの山「ビクトリア・ピーク」から港を望む景観は、世界三大夜景のひとつにも数えられる美しさです。

東西文化の融合する街
1997年に中国に返還されるまで、19世紀末からポルトガルによって統治されてきたマカオ。中国大陸における欧州諸国の植民地としてはもっとも古く、植民地時代の遺構が数多く残されています。旧市街は歴史地区として世界遺産に登録されており、東洋と西洋の文化が入り混じる独特の街並みが広がっています。またマカオは、ポルトガル人との間に生まれた子孫たちが編み出した「マカエンセ料理」で有名な、美食の街でもあります。大航海時代がもたらした、東西の食文化が融合した深みある絶品グルメをお楽しみください。
サンスクリット語で「獅子の町(シンガプラ)」という意味の名前をもつシンガポール。近代的な街並みと多文化が同居する魅力的な観光名所が凝縮しています。

世界有数の近未来都市
ランドマークのマーライオンはもちろん、世界初の夜の動物園「ナイトサファリ」や、CMで一躍有名になったホテル「マリーナ・ベイ・サンズ」など、見どころ満載の観光大国シンガポールは東京23区ほどの小さな国です。中心部には、東南アジア随一の都市と称される高層ビルが立ち並ぶ近未来的な景観が広がります。この街の最新の観光スポット「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」には、熱帯雨林の巨大樹をイメージした、大迫力のスーパーツリーがそびえます。近未来と自然が融合した美しい空間をお楽しみください。

多彩な景観に出会う
見どころ豊富な観光大国シンガポールは東京23区ほどの小さな国で、その街角に多様な文化を垣間見ることができます。チャイナタウンやリトルインディア、アラブストリートなど、それぞれに街角の雰囲気がガラリと変わり、多民族国家シンガポールらしい異国情緒たっぷりの雰囲気を楽しむことができます。ひとつの街に多種多様な人種と文化が存在し、それらが巧みに融合することで、活気あふれる独自の文化が育まれているシンガポールの街。カラフルな南国フルーツや人気のローカルフードなど、グルメも楽しみです。
スエズ運河の地中海側の拠点として、古くから栄えた港町。一番の見どころ、ギザの三大ピラミッドとスフィンクスは必見。異国情緒あふれるアラブの伝統文化にふれることができるのも魅力です。

悠久の歴史に思いを馳せる
5000年の歴史を紡いできたエジプト文明の遺跡は、想像をはるかに超えるスケールで私たちに迫ります。中でも世界七不思議のひとつのギザの三大ピラミッドとその傍らにたたずむスフィンクスの迫力は、まさに圧巻。ツタンカーメン王の黄金のマスクをはじめ、世界最大のエジプト歴史コレクションを誇る考古学博物館も、ぜひ訪れたいスポットです。また、ファルーカと呼ばれる帆掛け船でのナイル川クルージングは、エジプト文明を育んだ大河の恩恵を感じる、忘れられない体験となるでしょう。

「千の塔の都」の伝統
多くのイスラム教徒が暮らすエジプトには、市中にたくさんの礼拝堂・モスクがあります。その中でも一際目立つのが、カイロにあるムハンマド・アリ・モスク。巨大なドームとミナレットが荘厳な雰囲気を漂わせており、内部に一歩踏み入れば、シャンデリアの灯りと幾何学模様に彩られた美しい空間が広がります。活気に満ちたバザールやにぎやかな街並みと、静謐な祈りの空間が共存するエジプト。長い歴史の中で発展したエジプトの食文化も、ぜひ味わいたいところ。エジプトに広がるアラブ文化を五感でお楽しみください。
アテネの外港として栄えるピレウスは、国内最大の港であると同時に、地中海でも五指に入る国際港。古き良きアテネの面影を残すプラカ地区の散策も楽しみのひとつです。

文明を象徴する大神殿
紀元前の時代から偉大な芸術や哲学を生み、民主主義発祥の地としても知られるギリシャ。アテネを中心に貴重な古代遺跡が数多く残り、街そのものが歴史博物館ともいわれています。その中でも圧倒的な存在感と知名度を持つのがパルテノン神殿です。アクロポリスの中心に位置し、古代ギリシャ文明の栄光を象徴する神殿は、アテネの守護神である女神アテナを祀るために建てられました。世界中の人びとを魅了し続けるギリシャが誇る、美しき世界遺産の数々をご堪能ください。

古き良きアテネの伝統
アクロポリスの麓に広がる歴史的な街並みが保存されたプラカ地区。細く入り組んだ路地に古い家並みがひしめくように建ち並ぶ旧市街のエリアには、にぎやかな雰囲気が広がっています。近海で獲れた新鮮な魚介類や日差しをたっぷり浴びて育った野菜など旬の素材を活かしたギリシャ料理も、この街の楽しみのひとつです。さまざまな料理にヨーグルトが使われていて、爽やかな味わいが魅力。また、地中海性気候に恵まれたギリシャの土地は、良質なブドウが育つためワインの産地としても人気です。ぜひお土産にどうぞ。
ハネムーンにも人気のタヒチは、美しいビーチ以外にも深い緑の渓谷や雄大な滝など豊かな自然が広がります。自然はもちろん、ポリネシア文化や伝統も体験できる寄港地です。

自然豊かな南洋の楽園
タヒチ島はフランス領ポリネシア最大の島。透き通る青い海や水量豊かな清流、咲き誇る熱帯の花々など、美しい自然に恵まれるタヒチは「南洋の楽園」というイメージそのままの世界的なリゾートアイランドです。画家のポール・ゴーギャンが「古城のようだ」と称した、雄大な景観の広がるモーレア島の訪問も楽しみです。透き通ったエメラルドグリーンの海に水上コテージが浮かぶ、絵葉書のような美しい景色をお楽しみください。また四輪駆動車で山間部に分け入ると、緑あふれる熱帯の美しい渓谷を楽しむことができます。

豊かな島の伝統文化
タヒチはポリネシア文化の発祥の地ともいわれており、雄大な自然とともに豊かな文化にふれることができます。美しい楽園のイメージが強いタヒチですが、その背後には、宗主国フランスによる植民地支配の歴史があり、現在も住民の暮らしに大きな影響をもたらしています。先住民族マオヒの価値観を学ぶ文化体験ツアーでは、有機農園の運営を通してポリネシア伝統文化の継承に取り組む人びとにフォーカスします。ポリネシア伝統の音楽や料理など日本ではなかなかできない貴重なマオヒの文化体験をお楽しみください。
周囲2,000キロメートルを海に囲まれた絶海の孤島イースター島。謎の巨石モアイ像が見守るこの島は、はるか遠いポリネシアから海を渡ってきた人びとによって紡がれました。

島の守り神モアイ
現地の言葉で「ラパ・ヌイ(大きな大地)」と呼ばれる、イースター島。絶海の孤島にはおよそ900体のモアイが立ち並びます。幅100メートルの祭壇に15体のモアイ像が立ち並ぶアフトンガリキや、イースター島に点在するすべてのモアイが作られた製造工場のラノララク、正座をする個体など、島に点在するモアイ像は私たちを魅了します。最大級のもので90トンもあるというこの巨像はどのような理由で、どうやって作られたのか――未だに多くの謎が残ることも、この島が人びとを惹きつける一因かもしれません。

美しい紺碧の海
イースター島はモアイだけでは語り尽くせません。独特の青色をした海と、火山島には珍しく白い砂浜が楽しめるアナケアビーチ、風光明媚な火山湖ラノ・カウ。1000年以上前に彫られた鳥人の線刻や壁画のペトログリフから島の歴史を垣間見ることもできます。この島の拠点となるハンガロア村から徒歩圏内に位置する「タハイ儀式村」からは世界屈指の美しさを誇る紺碧の海を望むことができます。海に沈む夕日や夜空に輝く南十字星をはじめとした南半球の星々など、この島は心震わせる光景に満ちています。
地中海最大の島シチリア島の港町。バロック様式の美しい街並みをはじめ、近郊の活火山・エトナ山や古代ギリシャ、ローマ時代の遺跡の数々など、見どころ満載の寄港地です。

世界遺産が彩る街へ
地名の由来となったギリシャ時代初期の呼び名「カタネ(溶岩の土地の意)」の通り、溶岩の上に築かれたカタニアの街は、先史時代から幾度となく自然災害に遭いながらも、そのたびにたくましく蘇りました。18世紀に入り再建された姿が、今も受け継がれてる歴史地区は、世界遺産にも登録されています。ローマ時代にアテネに並ぶ大都市だったシラク―サでは、古代ギリシャ劇場や天国の石切り場など、さまざまな史跡が残る考古学公園が当時の栄華を今に継承しています。ハチミツ色の美しい街並みが印象的なオルティジア島旧市街も見逃せません。

新鮮な地元料理を堪能
映画「グランブルー」のロケ地で、イタリアきってのリゾート地のひとつ、タオルミーナ。シチリア島を代表する港町は、毎日新鮮なシーフードが有名ですが、実は”馬肉料理”も名物。街中にはその美味しさを気軽に楽しめる「馬肉サンド」のお店もあります。シンプルなパンとボリュームたっぷりでジューシーなパティが食欲をそそります。メインストリートには、お土産屋やジェラートショップ、レストランが軒を連ね、街歩きも楽しめます。たくさん歩いた後は、炭酸水にレモンと塩を入れた「リモナータ・アル・サーレ」がおすすめです。
太平洋とカリブ海をつなぐ壮大なパナマ運河の、カリブ海側の入り口に位置するクリストバル。街の周辺には、多様な動植物が生息する豊かな熱帯雨林が広がっています。

歴史の面影を探して
コロニアル建築の建物が建ち並ぶ、中米パナマの古都カスコ・アンティグオ。スペイン植民地時代の名残りが色濃く残る旧市街は、世界遺産に登録されています。一際目立つのは、独立広場に面して建つ旧市街のシンボルにもなっているカテドラル。幾多の歴史を今に伝える荘厳な聖堂は、100年以上の歳月を経て完成しました。また独立広場の近くにあるサンホセ教会には、黄金の祭壇があります。一方、首都パナマシティには、摩天楼のそびえる近代的な街並みが広がります。新旧が対照的な街並みを見比べるのも楽しみです。

華やかな先住民族文化
先住民族の人びとと交流するオプショナルツアーへの参加も、ピースボートならではのクリストバルでの過ごし方。エンベラ族のコミュニティ訪問では、伝統の音楽や踊りを体験し、現地の人びとと交流します。民芸品のお土産や、豊かな熱帯雨林をゆくボート移動も楽しみです。一方、パナマの先住民族・クナ族の美しい手芸「モラ」体験にも期待が高まります。クナ族の女性はモラを身に着けることにより、代々伝わる伝統を守ってきました。クナ族が受け継いできた歴史や文化について学び、共有するひとときをお楽しみください。
ハン川の河口に開けたベトナム中部最大の都市ダナン。喧騒あふれる街並みがある一方、郊外にはのんびりとした田舎の風景が広がっています。

世界遺産の街並みを堪能
近年ビーチリゾートとしても注目され、ベトナムの中でも発展著しいダナン。コロニアル様式の建物や彫刻が施された中国寺院などさまざまな建築様式を目にすることができる「ホイアン」へも好アクセス。朱印船貿易の最盛期には日本人街もあった場所は、現在は世界遺産の街並みとして残り、人気のベトナム陶器やシルク雑貨の商店が彩りを加えます。観光はもちろん、ヘルシーなベトナム料理、民族衣装アオザイのオーダーメイドなど、楽しみは尽きません。時間があれば、ぜひシクロ(三輪人力車)にも乗車してみては。

ベトナムの若者たちと大交流
1994年から始まり、いまやピースボートクルーズを代表する交流プログラムとなった「ベトナムと若者たちと大交流」。交流相手は、ダナン青年連盟のとびきり元気な若者たち。片言の英語や日本語、身振り手振りで体当たりの交流は、限られた時間でも「友だち」になれるとっておきの体験です。訪れるたびに街の景色が変わるほど急速な経済発展をとげるベトナムでも、彼らの笑顔やおもてなしの心は変わりません。お互いの文化を紹介したり、流行や興味あることを話し合ったり、一緒に街を歩いたり―― 一生の思い出となる1日が待っています。
各界のセレブリティを集め、華やかな社交場として700年以上の歴史を持つモナコ。グレース公妃、F1グランプリ、カジノに高級ホテルなど、トピックを聞くだけで胸が躍る人も多いはず。

エレガントなリゾート地で過ごす
世界で2番目に小さな独立国であるモナコは、ヨーロッパ随一の高級リゾート地として長い歴史を持ちます。1956年にはハリウッド女優のグレース・ケリーがモナコの大公と結婚し、公妃となったことでも話題になり、自動車レースの最高峰F1グランプリの開催地としても有名です。高い丘の上に城壁をめぐらせた「コート・ダ・ジュール」地方独特の要塞村エズ村や優美な大公宮殿、白亜に輝くモナコ大聖堂など、主要な観光地は1日でまわれるほど小さな国なので、隣国フランスまで足をのばすのも楽しみのひとつです。
かつて地中海を制したカタルーニャの都で、古くから独自の文化をもち、著名な画家や建築家を生んだ芸術の街バルセロナ。一番の見どころはアントニ・ガウディの建築群です。

スペイン随一の世界遺産へ
芸術の街バルセロナを象徴する荘厳な大聖堂サグラダ・ファミリアへ。1882年に着工開始して以来、今もなお建設が続いており、ほかに類を見ない独特の景観から世界遺産にも登録されています。建築家アントニ・ガウディは、その生涯を閉じるまですべての時間と情熱をこの教会の建設に捧げました。未完の大聖堂は、ガウディ没後100年にあたる2026年に完成する予定です。綿密に構成された細かな彫刻に彩られた聖堂はさまざまな建築様式が混在しており、その創造性にあふれたつくりには圧倒されるばかりです。

芸術の街で味わうスペイン文化
街の中心であるカタルーニャ広場を起点に、カサ・ミラやグエル公園などのガウディ建築をはじめ、芸術家たちの足どりをたどってみましょう。スペイン南部のアンダルシア地方に伝わるフラメンコ鑑賞もおすすめです。本場スペインで見るフラメンコの鳥肌の立つほどの情熱的な演奏や踊りは、心が揺さぶられるひとときとなることでしょう。また、観光の途中で市場に立ち寄るのも楽しみ。地中海の恵みがたっぷり詰まった海の幸、山の幸をふんだんに使ったカタルーニャ料理も、ぜひ味わいたい絶品グルメです。
英国統治時代は「セイロン」の名で呼ばれたスリランカ。現在の国名はシンハラ語で「光り輝く島」を意味しています。かつて首都だったコロンボは、今でも経済の中心地です。

歴史豊かな交易都市
インドの南東に浮かぶ島国、スリランカ。同国最大都市のコロンボは、古くから海の交易拠点として栄えてきました。大航海時代を経て、ポルトガル人やオランダ人が貿易の足掛かりにした16世紀以降、スパイスや紅茶貿易の拠点となったコロンボはインド洋有数の港へと発展します。インド洋らしい南国の雰囲気と植民地時代の名残りが入り混じる街を散策すれば、この国の歩んだ歴史が感じられるはず。たくましく生きる人びととの出会いも楽しみです。

東洋伝統の知恵を学ぶ
「生命の泉」、「生きる知恵」という意味をもつ、体系的な古代健康科学”アーユルヴェーダ”。紀元前3世紀頃に仏教とともにスリランカに伝わって島の伝統医療と混じり合い、豊かな文化に育まれながら独自の発展を遂げました。現在に息づくスリランカのアーユルヴェーダは、単に伝統的な医療としてだけでなく、相手に寄り添うホスピタリティを大切にしています。西洋医学とは異なる伝統医療を体験すれば、心も身体もリラックス&リフレッシュできるでしょう。食事療法の考えに基づいた健康的な伝統ランチも楽しみです。

現地の人びとと交流
スリランカの大きな魅力のひとつは、現地に暮らす人びととの出会いです。オプショナルツアー「『光り輝く島』の子どもたち」では、女の子を対象とした施設を訪ね、さまざまな事情からそこで暮らす子どもたちと交流します。社会問題を知るとともに互いの文化を紹介する、思い出深い1日となるでしょう。また「英語でスリランカ文化体験」では、地元の学生から伝統ダンスや食文化を教わったり、日本の文化を伝えたり、洋上で学んだ英語を使って交流します。身振り手振りも交えた英語でのコミュニケーションの楽しさを実感し、地元の人びとの笑顔に癒されるひとときです。
年間を通じてのその気候の温暖さから「常春の楽園」と呼ばれるカナリア諸島。美しい風紋を持つ大砂丘や山でのトレッキングなど自然の魅力がいっぱいです。

多彩な魅力の島
7つの島からなるカナリア諸島の中で、2番目に人口が多いグラン・カナリア島は、海あり山あり砂丘ありとさまざまな景観が楽しめます。 見どころのひとつ、「マスパロマス砂丘」はは海岸に沿って広がっているので、砂丘からどこまでも続く真っ青な海が望めます。この砂丘の砂は、対岸にあたるモロッコのサハラ砂漠の砂が風で運ばれ生まれたものなんだそう。岩山に緑が広がる自然公園のトレッキングや、伝統的なカナリア建築の家が並ぶ旧市街や大聖堂を散策など、グラン・カナリア島の魅力は尽きません。

独自の文化を学ぶ
国こそスペインなれど、地理的にはアフリカにほど近く、古くから大西洋をはさんで南米とも交流のあった土地とあって、カナリア諸島では独自の文化が作り上げられてきました。カナリア文化体験では、カラフルな民族衣装を着てカナリアダンスを踊ったり、食事も伝統グルメを楽しんだり。名物のピリッと辛いモホソースを、皮付きのジャガイモを使った「パパス・アルガーダス」にかけて食べるのがこの土地ならでは。美しい景色はもちろん、文化や食事を楽しむのも旅の醍醐味です。
紀元前からの歴史を有するフランス最大の港湾都市。同国最古の港として知られるマルセイユ旧港は19世紀まで貿易の中心として利用され、今はヨットハーバーとなっています。

南仏の風光明媚な街へ
ゴッホやピカソ、マティスなど、多くの芸術家も愛したプロヴァンス地方の港町マルセイユ。2600年もの歴史がある街には、風光明媚な街並みが広がります。標高150メートルの丘の上にそびえる「ノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂」は、街のシンボル的存在で、ここからマルセイユ市街が一望できます。この街は、対岸にあたる北アフリカをはじめ世界各地から多くの移民が集まる「多民族シティ」としての一面も有しています。フランスの都市部とは異なる、この土地独自の歴史や文化と出会えるでしょう。

南仏を彩る豊かな文化
魚介類をふんだんに使用した南仏の名物料理、ブイヤベース。マルセイユはブイヤベース発祥の地としても知られます。街の旧港河岸で毎朝開かれる魚市には水揚げされたばかりの魚が並び、周辺にはブイヤベースを出すレストランが軒を連ねています。そして、お土産として人気なのが植物性の石鹸です。フランス王室も認める品質の高さから「王家の石鹸」とも呼ばれるマルセイユの石鹸は、古くから上流階級の人びとに愛され、世界中に数多くの愛用者がいます。
ノーベル文学賞作家ガルシア・マルケスが讃えた「世界で一番美しい街」、カルタヘナ。白い砂浜やヤシの木、サンゴ礁が広がるカリブ海屈指のビーチリゾート地です。

要塞に守られた美しい街
旧市街を取り囲む城壁は、かつてこの地を支配したスペイン人たちが海賊から街を守るために築きました。特に植民地時代に造られ、南米の中でもとりわけ強固な城壁とされているのが、サン・フェリペ要塞です。要塞の上に登れば、旧市街と海、さらに新市街までが一望できる絶景スポットでもあります。カラフルな建物が訪れる人たちを魅了する旧市街は、世界遺産にも登録されています。またボートでカリブ海に浮かぶサンゴ礁の島、ロサリオ諸島で海水浴をしてのんびり過ごすのもオススメです。

無形文化遺産・パレンケ村
インカ帝国を滅ぼしたスペインは、財宝を集める拠点としてカルタヘナを使い、この地は繁栄を極めました。その陰で、アフリカから多くの人びとが奴隷として連れて来られました。アフリカにルーツをもつ人びとが守り続けた独特の文化が息づく「パレンケ村」は、奴隷解放の戦いの歴史や言葉、食文化を今に継承しています。また、内戦による傷跡も残るコロンビアでは、難民をサポートする活動も行われています。社会的に弱い立場にいる若者たちの支援をしている団体や文化・歴史をつなぐ人びととの交流は、平和な社会を考える貴重な機会となることでしょう。
カリブ海のイスパニョーラ島南東部に位置する、ドミニカ共和国の首都。大航海時代にコロンブスが「新世界」へと到達して以降、最初の植民都市としても知られます。

コロンブスが眠る島
15世紀末に築かれたラテンアメリカ最古の植民都市、サントドミンゴ。コロンブスが「新世界」で最初に到達した地で街づくりを中心的に行ったのは、彼の弟バルトロメでした。教会や行政機関が建つ中央広場から碁盤目状に道が配置された街並みは、その後の植民都市のモデルとなりました。また、1992年にコロンブスの新大陸上陸500周年を記念して建設された灯台には、コロンブスの遺骨が安置されています。大航海時代が拓いた新たなる世界と、列強国による長い植民地時代――それぞれの歴史に思いを馳せる訪問となるでしょう。

かけがえのない交流
世界有数の野球大国、ドミニカ共和国。国内にプロリーグを持ち、米国メジャーリーグや日本のプロ野球で活躍する選手も多く輩出しています。そんなドミニカで、地元市民と野球交流を行います。一緒に白球を追う時間は、忘れられない思い出になることでしょう。またドミニカは、戦後に日本政府が進めた移民政策の目的地のひとつで、約1,300人の人びとが移住した地でもあります。数々の受難を乗り越えてきた日系コミュニティを訪ね、人びとと出会うツアーも実施します。日系移民の歴史と今、未来の展望に耳を傾けてみましょう。