地球一周の船旅 2025年8月 Voyage121(アフリカ・中南米・南太平洋コース)
クルーズレポート
ドキュメンタリー映画「JARA(傷跡)」
現在船が航行する南太平洋・ポリネシアの海域は、かつて多くの核実験が行われた場所でした。本日は、同じく1949年から40年以上に渡って旧ソ連による核実験が行われた中央アジアのカザフスタンを舞台に、現地で生きる人びとの苦悩や、環境破壊の実情に焦点を当てたドキュメンタリー映画を上映する企画が行われました。核実験は過去の話ではなく、数十年経った今も人びとを苦しめ続けていること――映画の上映を通して、あらためて世界一周の旅の中で“世界の今”を目の当たりにする時間となりました。
ワールド・カルチャー・ショー
この日行われたクルージングパーティーのテーマは、「ワールド・カルチャー」。世界各地の文化にふれることのできる、さまざまなイベントが開催されました。ステージでは世界の各地域の踊りや歌を披露するショーが行われ、バリ舞踊やアルゼンチンタンゴ、フラやアリラン、日本舞踊など伝統と美しさが感じられる素晴らしい演目が次々と披露されました。観覧に訪れた人たち、もそれぞれの地域の民族衣装や訪れた寄港地にちなんだ装いをするなど、特別な時間を過ごしていました。
ハワイの文化 ~フラと音楽~
ハワイ沖縄連合会の会長を務め、ハワイ州教育省や小学校教員など長年に渡りハワイの教育に携わってこられた水先案内人のトム・健・ヤマモトさん。本日の講座ではハワイの文化として、おもにフラや音楽にまつわる歴史的・文化的な意味合いをお話しくださいました。フラやハワイアンミュージック、ウクレレなど、世に知られたものが多いハワイの文化。その背景にある歴史や神話の伝承などを知り、ハワイの文化がより一層魅力的なものに感じられました。
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[水先案内人紹介]トム・健・ヤマモトさん
ある伝言のゆくえ
長年ペルーに居住してきた水先案内人の義井豊さん。写真家として活躍する一方、幼いながらも働かざるを得ないペルーの子どもたちを支援するNGOの代表を務めるなど、ペルーの子どもたちの声に耳を傾けてきました。そんな義井さんがお話しくださったのは、19歳で4人の命を奪った永山則夫死刑囚が遺言で残した「ペルーで生きる貧しい子どもたちへの想い」。永山死刑囚の生い立ちや贖罪、そして彼はなぜペルーの子どもたちを支援したいと願ったのか――義井さんのお話を通して、貧困や教育、死刑制度などさまざまな視点から「公正な社会とはなにか」を考える時間となりました。
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[水先案内人紹介]義井豊さん
ナプキンアート
船内の公共スペースに、一枚のナプキンでかたちづくられた美しいナプキンアートが飾られていました。これは本船のクルー(乗組員)たちの手によってつくられたもの。近日中に参加者向けのナプキンアート教室も開催される予定で、道行く人たちも立ち止まってその繊細な技を眺めていました。
人気のプールエリア
船の屋上デッキには、2つのプールと3つのジャグジーが備えられています。暖かい気候が続くときは、プールで泳いだり、日光浴を楽しむ人の姿も見られます。プールサイドにはデッキチェアやタオルも用意されており、リフレッシュや健康維持など、さまざまな目的で幅広い年代の方たちに利用されています。
旅の間も美しく
長期間にわたるクルーズ旅行では、散髪やヘアカラーなど、髪のみだしなみが気になる場面も出てきます。そんなときに利用したいのが、船内にある美容室。カットやカラー、パーマはもちろん、パーティーや発表会でドレスアップする際のヘアセットにも対応しています。最近では、寄港前に髪を整えてから街歩きを楽しむという声も聞かれるなど、クルーズライフには欠かせない施設のひとつとなっています。
オロンゴ岬を眺めて
3日間の寄港を終え、イースター島沖に停泊中の船はゆっくりと動き出します。船が島を横切る際、鳥人伝説の残るオロンゴ岬が見えました。オロンゴ岬は、かつて島の戦士たちが険しい崖から海へと飛び込み、対岸にそびえるモトゥ・ヌイ島から海鳥の卵をいち早く持ち帰るための競争が行われた場所。船のデッキから眺めるイースター島は、今なお神秘的な雰囲気をまとい、いつまでも眺めていたくなる光景でした。
ラパヌイ・パフォーマンスステージ
イースター島沖に停泊中の船に、地元のミュージシャンやダンサーで構成された「ラパヌイ民族舞踊団」の皆さんをお招きし、島に伝わる伝統楽器やダンスで魅せるパフォーマンスステージが開催されました。リズミカルな演奏と、勇壮でしなやかなダンスを披露してくださったメンバーの皆さん。普段はなかなか接することのできないラパヌイの音楽やダンスにふれ、あらためてこの地に残る文化の奥深さに惹きつけられました。
イースター島(チリ)に入港しました
島内に約1,000体のモアイ像が残るイースター島は、現地の言葉で「ラパ・ヌイ(大きな大地)」と呼ばれています。15体のモアイが立ち並ぶアフ・トンガリキや、かつてモアイの製造工場だったといわれるラノ・ララクなどを訪れました。またモアイだけでなく、島の文化を継承する現地の人びととの交流も楽しみ、特別な時間を過ごしました。
イースター島(チリ)の紹介記事はこちら
[クルーズコレクション]謎とロマンに彩られた絶海の孤島
絶海の孤島・イースター島へ
太平洋を西へと進んだパシフィック・ワールド号は、周囲およそ2,000kmを海に囲まれた“絶海の孤島”イースター島の沖合に停泊しました。島には大型客船が着岸できる港がないため、小型ボートに乗り換えて上陸します。船のデッキから島を望むと、虹が架かった神秘的な光景が見られました。モアイ像をはじめとする、たくさんの“不思議”に満ちたイースター島。早くも上陸が待ちきれません!
オープンデッキ
船のメインエリアである7階フロアを、ぐるりと囲むようにのびたオープンデッキ。天気の良い日は美しい海を眺めながらウォーキングを楽しんだり、屋外の開放的な雰囲気が味わえるスポットです。船内を移動するの際にも、気分転換を兼ねてあえてデッキを通るという方もいらっしゃるなど、クルーズの醍醐味を存分に感じることのできる人気のエリアです。
マオヒ・ヌイ――その起源と海
この日の講座にご登壇くださったのは、水先案内人のタヒマ・クリストフさんです。クリストフさんは現地の先住民族の言葉で「マオヒ・ヌイ」と呼ばれる、フランス領ポリネシア地域のご出身。講座内ではマオヒ・ヌイの人びとが太平洋の各地域へと渡った歴史や、伝統の航海術、マオヒ・ヌイに伝わる歌などを披露してくださいました。これから訪れるポリネシア地域を前に、知らなかった歴史や文化にふれ、理解を深める貴重な時間となりました。
ラテンフィエスタ
夜のプールデッキで行われていたのは、ラテン音楽とダンスを楽しむ「ラテンフィエスタ」。情熱的なサルサや陽気なメレンゲなど、ラテンダンス未経験の方も簡単なステップのレクチャーを受けながら踊りに挑戦していました。夜風が心地よく、皆さん思い思いに楽しい時間を過ごしていたようです。
水彩画教室
ピースボートクルーズでは、専任講師の指導のもと初心者でも気軽にチャレンジできる「洋上カルチャースクール」を開講しています。運動系から文化的な楽しみまで、さまざまな講座がラインナップされていますが、毎クルーズ特に人気があるのが水彩画教室です。専任講師の先生がデッサンから彩色まで丁寧にレクチャーしてくれるので、久しぶりに筆をもつという方でも安心。クルーズライフの中で少しずつ絵を完成させ、旅の記念となるような味わい深い作品を生み出される方も大勢いらっしゃいます。
旅で開く学びのとびら
さまざまな国や地域の方が参加されるピースボートクルーズ。日本語を母語としない方に向けた日本語教室は日常的に開催されていますが、今日は中国語を初歩から学ぶための中文教室が行われていました。簡単な挨拶や会話ができると、お互いの心の距離も縮まるもの。旅をきっかけに新たな言語や文化にふれる、ピースボートクルーズならではの体験です。
旅で楽しむイベント
ハロウィンイベントが開催された船内は、ジャック・オー・ランタンやお化けモチーフなどさまざまな装飾が施され、いつも以上に楽しい雰囲気に。フォトスポットでは、愉快な仮装をして写真を撮る人の姿も見られました。船で出会ったご友人と一緒に過ごす和やかで楽しい時間は、この旅の思い出の1ページとなることでしょう。
ハロウィンパーティー
船旅らしいイベントのひとつであるクルージングパーティー。この日は季節にちなんだ「ハロウィン」がテーマのパーティーが開催され、船内各所でさまざまな催しが行われました。フェイスペイントやお菓子の交換会、ちょっぴり怖くてワクワクするような衣装を身にまとった参加者がランウェイを歩くハロウィンファッションショーや、思い思いの仮装で踊るダンスパーティーなど、船内は楽しく華やかな雰囲気に包まれました。
Ocean UpCycleワークショップ
NGOピースボートが設立40周年を機に立ち上げた『Ocean Upcycleプロジェクト』。これは、近年問題となっている海洋汚染、とりわけ海洋プラスチックの問題に着目し、世界の海でビーチクリーンなどを実施しながら、美しい海や、海の豊かさを守ろうというプロジェクトです。「アップサイクル(Upcycle)」とは、「捨てられてしまうモノに手を加えて、新たな価値を生み出す」という意味。この日は実際に海で回収されたプラスチックごみ使って、工芸品を作るワークショップが開かれました。参加された皆さんは、細かく破砕されたプラスチック素材から、世界にひとつだけのオリジナルの作品を生み出していました。
黄昏のひととき
洋上から、水平線の向こうへと沈みゆく夕日を眺めていると、時間の経過が生む美しい変化に魅入ってしまいます。日暮れが迫り、オレンジ色の空が少しずつ夜の闇に包まれてゆくさまは、例えようのない神秘的な光景――世界の海を渡る船の上で、この上ないぜいたくな時間が過ぎてゆきます。
カヤオ(ペルー)に入港しました
南米ペルーの太平洋に面した港町、カヤオに寄港したパシフィック・ワールド号。数々の世界遺産との出会いが楽しみなペルーで目指したのは、天空の都市・マチュピチュ遺跡です。山を登り小高い丘から望む遺跡の全景は、とても神秘的で素晴らしい眺めでした。遺跡内の遊歩道をめぐり、精巧に詰まれた石垣や祭礼の跡を見学するなど、マチュピチュのもつ魅力を全身で感じることができました。
マチュピチュの掲載記事はこちら
[クルーズコレクション]聖なる巡礼地・マチュピチュを訪ねて
アンデス音楽の夕べ
ペルーのさまざまな伝統音楽の普及に取り組む音楽グループ、「ロス・チョロス」のメンバーによるライブが開催されました。ギターやパーカッションの他に、ペルーの伝統的な管楽器などを用いながら力強い歌声で魅了してくれたロス・チョロスの皆さん。アトリウムはアンデスの調べに包まれ、ペルーへの寄港がさらに楽しみになりました。
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[水先案内人紹介]ロス・チョロス Los Choloさん
自分を振り返る時間
新しい出会いや刺激に満ちた旅の日々――頭も体もついつい忙しなくなりがちですが、ときにはゆっくりと心を落ち着けて、自分自身を振り返る時間も必要です。この日はカルチャースクールの先生のナビゲートのもと、ゆっくりと心を静めながら頭の中を整理したりアウトプットを行なうなど、リラックスしたひとときを過ごすことができました。
海図の書き方講座
船が安全に航行できるよう、水深や海岸の地形などを記載した“海の地図”である「海図」。パシフィック・ワールド号では、豊富な航海経験をもつ事務局長が、毎日手書きで海図に船の現在地を書き入れています。今日は参加者の方に向けた海図の書き方講座が行われ、事務局長のレクチャーを受けながら定規やコンパスを使って、皆さん熱心に海図の書き込みに取り組んでいました。