地球一周の船旅 2025年8月 Voyage121(アフリカ・中南米・南太平洋コース)
クルーズレポート
近代化以降の日本のあゆみ
戦後80年を迎えた今年、「TIME FOR PEACE(今こそ平和を)」と題した特別プロジェクトを実施中のNGOピースボート。これは、「過去の戦争を見つめ、未来の平和をつくる」というピースボート創設時の理念を掲げ直し、世界の平和を改めて希求する取り組みです。この日行われたのは、世界の平和へと目を向けるとともに、近代化以降の日本のあゆみを今一度振り返るための企画。知っていた、学んでいたつもりだった事実をもう一度捉え直し、歴史を振り返ることで未来に向けて何ができるのかを考える機会となりました。
「TIME FOR PEACE」の詳細についてはこちら
(NGOピースボートのサイトへ移動します)
夕暮れのひととき
一日の終わりを静かに告げる、海に沈む夕日。空と海が溶け合うその瞬間は、言葉では言い尽くせないほどの美しさがあります。波に揺られながら眺める、大海原に広がる夕暮れのグラデーションは、クルーズだからこそ味わえる、特別な贈り物です。ただ眺めているだけで、心は穏やかに満ちていくのを感じました。
罪と罰とは何か
水先案内人としてご乗船いただいている、作家で映画監督の森達也さんとともに、死刑制度について考える講座が行われました。ご自身の著作である『死刑』での取材経験をもとに、死刑制度の仕組みや、在置国・廃止国それぞれの考え方、メディアの報じ方をお話しくださった森さん。死刑制度について深く、多角的に考察する時間となりました。
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[水先案内人紹介]森達也さん
洋上の風景
夕方の屋外デッキでは、皆さんそれぞれに“いつもの日常”を楽しむ姿が見られました。360度を海に囲まれた洋上では、思うままに自分らしく過ごせる豊かな時間が流れています。
オレダブエコ ファーストライブ
先日寄港したケープタウンから乗船されたアフリカンバンド「オレダブエコ」のファーストライブが行われました。ジャンベやトーキングドラムに合わせた迫力あるダンスと、優しく響く歌声が織りなすステージは、会場全体に包み込むようなエネルギーにあふれていました。心地よいリズムに自然と体が揺れ、笑顔で音楽を楽しむひとときとなりました。
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[水先案内人紹介]オレダブエコさん
みんなでモルック
この日、スポーツコートで行われていたのは「モルック」。フィンランド発祥のスポーツで、数字の書かれた木製のピンにモルック棒を投げ当ててチーム戦で得点を競います。誰もが一緒に楽しめるモルックは、毎クルーズ大人気です。会心のショットが決まると思わず「うまい!」の言葉も飛び出し、和気あいあいと楽しむ姿が見られました。
通訳ボランティア紹介
船内で行われるイベントや講座、寄港地でのツアーなど、多方面で活躍しているのが、通訳をはじめとした言語サポートを担うコミュニケーションコーディネーターの皆さん。日々どのような仕事をしているのか、どんなきっかけで乗船したかなど、普段は聞くことのできない舞台裏をたっぷりと話していただきました。
「性の多様性」ってなぁに?
私たち自身の性自認や性的指向には、『男女』だけではなく、多様なあり方が存在しています。「まずは知ることで、お互いを尊重しあえる社会につなげよう」と行われたこの日の企画では、最近少しずつ聞かれるようになった「LGBTQ+(性的少数者の総称)」などの言葉をもちいて、多様な性のあり方が紹介されました。
ペンギンたちのコロニーへ
喜望峰の近郊にあるボルダーズビーチでは、愛くるしいペンギンたちの姿を見ることができました。ここにいるのは「ケープペンギン」。環境の変化により絶滅危惧種にも制定された希少種ですが、保護活動や人間と共存するためのルールづくりによって、数千羽がこの地に暮らしています。ペンギンたちとの出会いを楽しむとともに、ケープタウンの雄大な自然を堪能することができました。
ケープタウン(南アフリカ)に入港しました
美しい自然と街並みが調和する、南アフリカのケープタウンにやってきました。大航海時代、ヨーロッパとインドを結ぶ交易の中継点として発展したケープタウン。景勝地である喜望峰からは、インド洋と大西洋が交わる壮大な景観が望めます。そびえるテーブルマウンテンや、固有種の宝庫である国立公園、多彩なお土産と出会えるウォーターフロント地区など、たくさんの見どころをめぐりました。
ケープタウンの掲載記事はこちら
[クルーズコレクション]虹の国が抱擁する、希有な自然と洗練された街
真の平和とは
南アフリカ在住の心理学者で、国際モンテッソーリ協会の会長を務めるアラン・シュディンさんをお迎えし、真の平和について考える講演が開催されました。紛争地における子どもの保護と非暴力研究に取り組み、戦争ではなく平和のための教育を広めているアランさん。講演では、他者や周りの世界と調和を保ちながら生きるには、幼少期から青年期、成人に至るまでの人間の全人格的な発達がいかに重要であるかをお話しくださいました。
野生動物たちの楽園へ
「どんな動物たちと出会えるだろう」そんなワクワクした気持ちで向かったのは、郊外に広がる動物保護区。サファリカーに乗ってガイドの案内のもと出発すると、さっそくアフリカゾウの群れと出会いました。大自然の中でゆっくりと歩を進めるゾウたちを、間近で眺めるひととき――他にも、サイやさまざまな草食動物の群れなど、この地でしか見られない壮大な光景を目に焼きつけました。
ポートエリザベスの記事掲載はこちら
[クルーズコレクション]野生動物の楽園で、本場のサファリ体験
風光明媚な港町
インド洋に面した南アフリカの大都市・ポートエリザベスは、19世紀以降、貿易港として急速に発展を遂げた街。一年中温暖な気候に恵まれ、美しい海や街並みが広がるリゾート地としても知られています。郊外へと足をのばせば多数の国立公園が点在し、広大な自然の中でのびのびと生きる野生動物たちとの出会いも楽しめます。
ポートエリザベス(南アフリカ)に寄港しました。
船は南アフリカの港町、ポートエリザベスに寄港しました。ここでは、郊外のタウンシップ(旧黒人居住区)にあるNPO団体を訪れ、貧困の克服や教育、職業訓練などの取り組みについてお話を伺いました。その後は現地の子どもたちとの交流会も開催され、楽器演奏や日本文化の紹介などを通じて、楽しいひとときを過ごしました。
ピースボートクルーズのオプショナルツアーの中でも、このような交流ツアーは観光では味わえない特別な体験です。さまざまな課題と向き合う人たちの話を聞き、交流を深めることで、多くの学びと視点を得ることができました。
カレド・エマムさんと考える「リーダーシップ」
昨今の世界情勢や、中東の平和や紛争の歴史などについて数々の講座を行っていただいた国際人権弁護士のカレド・エマムさんをゲストにお迎えし、リーダーシップについて考える催しが行われました。持続可能な社会の発展のためには欠かせない若者の社会参加、そしてどのようなリーダーシップが求められているのか――参加者自身も積極的に意見を述べながら、学びを深めるひとときとなりました。
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[水先案内人紹介]カレド・エマムさん
パフォーマンスイベント
参加者の方々が、ご自身の特技や好きなことを披露するイベントが開催されました。楽器演奏やジャグリング、民族舞踊やグループでのダンスなど、皆さんご自慢の一芸を惜しみなく発表してくださいました。観ている人も一緒になって歌を口ずさんだり、アクロバティックな技にドキドキしたり――会場も一体となって素晴らしいパフォーマンスを楽しみました。
みんなでチアダンス
チアインストラクターの磯崎由佳さんのレクチャーのもと、基礎からチアダンスに挑戦中のワークショップ参加者の皆さん。この日はカウントに合わせて腕の振りを行なうなど、楽しみながらも少しずつレベルアップしている様子が見られました。
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[水先案内人紹介]磯崎由佳さん
森達也さんと考える「メディア」
数々のドキュメンタリー作品を世に送りだしてきた、映画監督で作家の森達也さんをお招きし、メディア報道の在り方について考える催しが行われました。昨今の報道から見えるメディアの傾向などをお話しいただくとともに、参加者がメディアに対して日々感じていることを質問するなど、多様化する情報との向き合い方を考える学びの時間となりました。
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[水先案内人紹介]森達也さん
洋上サッカー大会
最上階のスポーツコートに響き渡る、楽しそうな歓声――この日は洋上サッカー大会が行われました。経験者も初心者も一緒になってボールを追いかけ、細かなパスをつないで得点が決まると思わずハイタッチ!海風も心地良く、サッカーを通じて楽しい交流の時間となりました。
大航海時代のポルトガル
華東師範大学歴史学部教授で、ヨーロッパ史、都市史、グローバルヒストリーなどを専門に研究を続けている水先案内人の朱明さんの講座が行われました。この日のテーマは大航海時代のポルトガル。アフリカへと航路を広げ、南アフリカの喜望峰を経由してアジアへと向かったポルトガルが、世界へと与えた影響についてお話しくださいました。
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[水先案内人紹介]朱 明(ジュ ミン)さん
ポートルイス(モーリシャス)に入港しました
サンゴ礁に縁取られた美しい海と、雄大な山々がそびえる熱帯の楽園・モーリシャスにやってきました。寄港した首都ポートルイスでは、ビーチを散策したり、さまざまなルーツが入り混じるクレオール料理を味わったりと“楽園の休日”を堪能しました。名産のラム酒工場や、世界遺産アプラヴァシ・ガートを訪問し、モーリシャスの歴史や文化にふれることもできました。
ジェニファー劉さんファイナルショー
「ボリウッドダンス」やインドの古典舞踊「ティルヴァティラ」を学べるワークショップを開催してくださった、インド古典アーティストのジェニファー劉さん。その集大成となるファイナルショーが行われ、ジェニファー劉さんの華麗なダンスや、ワークショップ参加者によるパフォーマンスが披露されました。カラフルな衣装やエキゾチックな音楽など、インドの文化を全身で感じることができました。
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[水先案内人紹介]ジェニファー 劉さん
ケララの収穫祭「オーナム」の舞い
この日アトリウムで行われていたのは、南インド・ケララ州で毎年8月から9月ごろにかけて催される収穫祭「オーナム」を祝う舞いでした。水先案内人でインド古典アーティストのジェニファー劉さんが、美しく優雅な舞いを披露。オーナム期間中に飾られる円型の花の絨毯「プーカラム」も登場し、アトリウムは華やかな祝祭ムードに包まれました。
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[水先案内人紹介]ジェニファー 劉さん