トリエステ
トリエステ
ウィーンの薫り漂う美しき港町
自然
カルチャー
イタリア北東部、隣国スロベニアとの国境付近に位置する港町トリエステ。かつてハプスブルク帝国の支配下にあったことから、街にはウィーン風の壮麗な景観が広がります。
文化の交差するカフェの街
ハプスブルク家の宮廷文化が薫るトリエステの街並みは、時に「小さなウィーン」とも称されます。この街を象徴する名所のひとつが、イタリア統一広場。重厚ながら優美な外観の庁舎が三方を囲み、正面に紺碧のアドリア海が広がるロケーションは、この街を包むエレガントな雰囲気を雄弁に物語ります。またトリエステはウィーンのカフェ文化を支えたコーヒー貿易の中心地だったことから、「カフェの街」とも呼ばれます。市内には、150年以上にわたって多くの市民や著名な文化人に愛され続ける老舗カフェが点在しています。
大聖堂の建つ丘の上へ
トリエステの街を一望できるサン・ジュストの丘には、街の守護聖人を奉った大聖堂が建っています。もともとこの丘には、古代ローマの神殿や初期キリスト教の教会があったのだそう。その跡地に独立したふたつの教会が建てられましたが、14世紀にそれらが一体化し現在の形となりました。この大聖堂がユニークなのは、内部にもかつての教会の跡が残っているところ。主祭壇の左右の空間では、独立した教会だった頃のモザイク画を見ることができるほか、祭壇手前の床には、さらに古い5世紀頃のモザイクタイルも残されています。
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