クルーズコレクション

“南国リゾート”の向こう側。素顔のモルディブへ

2023年3月17日

マーレ(モルディブ)

「モルディブでは何もしないこと。これがいかに素晴らしいことか、来ればわかりますよ」。かつてピースボートクルーズに乗船された駐日モルディブ大使アハメド・カリールさんの言葉です。そうは言っても、ここは絵に描いたような南国リゾート。青く輝く海や白い砂浜を前に、何もしない訳にはいきません。ひとつの島ですべてが完結する「一島リゾート」でアクティビティを楽しみ、首都の島でローカルの雰囲気にひたる。さらには、島のきびしい現実にふれる場面も。モルディブがもつ、いくつもの顔に出会いに――カリールさんの言葉に導かれ、美しき楽園を旅します。

文・構成 / 中村つばさ 写真 / PEACE BOAT

©️Nakasuji Kota

極上のリゾートタイムを味わう

スリランカから南西へ、インド洋に浮かぶモルディブ共和国。サンゴ礁が輪になって形づくられた26の環礁、そして1,200もの島々が散らばる群島国家です。モルディブでは島々の間をドーニと呼ばれる小型船で行き交うのが一般的。私たちも小型船に乗り換えてリゾートを目指します。ここまで乗り慣れてきた大型客船とは違い、エメラルドグリーンの海を走る船はよく揺れますが、これは船底を平らにし、サンゴを傷つけないための工夫だと言います。到着したのは北マーレ環礁にある、パラダイス・アイランド。まさに極上のリゾートを味わえるとあって、白い砂浜を裸足でかけまわり、身体すべてを使って海を感じられる幸せをかみしめます。

地元の人にも人気の無人島クダバンドス島では、静かな環境で思い思いの時間を楽しめます。当たり前のように輝く海が目の前にあり、打ち寄せる波と木々がそよぐ音しか聴こえない――白い砂浜に体を横たえながら、ふとカリールさんの言葉を思い出しました。「そういうことか…」目一杯アクティビティを楽しむのも良いですが、「何もしない体験」もまた旅の思い出として自分の身体に刻まれるんだと気づきます。透明度の高い海にはカラフルな魚たちが泳ぎ、空と海で異なる”青”が競演する地上の楽園。この時間が永遠に続くことを願いながら、ゆっくりと目を閉じます。

©️Nakasuji Kota

歩いて感じる、リアルなモルディブ

静かな無人島をドーニに乗って出発し、やって来たのはモルディブの首都マーレ。同じく北マーレ環礁内にある島ですが、一周しても1時間半ほどで回れてしまう、世界一人口密度の高い首都と言われています。たしかにどこを歩いてもすごい人、そしてバイク。南国の島が発する熱気に包まれて、リゾートとはまた違う興奮を味わいます。マーレの街にはあちこちにイスラム教のモスクがあり、1日5回のお祈りの時間には店が閉まることもあるんだとか。訪れた国のルールを尊重するため、ストールを羽織って街をめぐります。

©️Nakasuji Kota

港近くのマーケットでは獲れたての魚や新鮮な野菜、カラフルなフルーツなどがところ狭しと並び、南の島らしい甘い匂いが漂います。ふと、海の方を見ると船上でお祈りをする人の姿も。モルディブの歴史を展示する博物館を訪れたり、メルヘンチックな色合いが可愛い大統領公邸を見学したり、途中のカフェではヘディカと呼ばれるローカルなスナックにも出会えました。物珍しくも、雑多な雰囲気が妙に落ち着くマーレの街。独自に育まれた文化や信仰にふれながら、リゾートの島だけでは味わえない等身大のモルディブを体感します。

©️Katsuta Airi

美しい島々を守るために

リゾート、そして生活の場として、どちらのモルディブも堪能した今回の旅。しかし、モルディブが直面する問題を知らずしてこの国を語ることはできません。モルディブへと向かう船内では、冒頭のカリールさんのお話とともに、気候変動によってこの国が地図から消えてしまうかもしれない現状を知ることとなりました。国土の8割が海抜1m以下というモルディブ。地球温暖化による海面上昇で、既に97%の島で浸食が進んでしまっているそう。島のヤシの木が傾いていることが気になりましたが、あれは砂浜の浸食によって根が幹を支えられなくなった結果なのです。

©️Nakasuji Kota

ピースボートクルーズ、モルディブの環境団体と協力しながらビーチクリーンアップにも取り組んできました。ゴミを減らすことは、巡り巡ってモルディブの海面上昇やサンゴ礁の白化を抑えることにつながるのです。 「旅行者」として美しい環境を享受するだけの旅は、その場限りのものになりがちです。でも「当事者」としてモルディブの現状に触れた今、私たちの何気ない暮らしのその先に、モルディブの美しい海や島々があることに気づきました。地元の人と一緒にゴミを集め、きれいになった砂浜から海を眺める――新しい旅のかたちに出会えたようで、より一層この国が好きになりました。

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