乗船者インタビュー

3世代で体験した、濃厚で思い出に残る旅でした。

木下彰二さん・木下真里子さん・木下佳余子さん・木下歩くん(愛知県 / 70歳・68歳・41歳・9歳)

こんな機会は二度とないと思って

真里子さん:昔から友人にピースボートの話を聞いていたので、いつか主人がリタイアしたら行きたいなとずっと頭にありました。主人に話したら「一緒に行きたい」というので、ちょうどコロナの時期にリタイアしたのでタイミングを見ていました。地元で開催された説明会で気になったのが、訪れたことのない南半球の航路でした。こんな機会は二度とないだろうというのと、孫の歩も高学年になると学校も休みにくくなるだろうし、だったら娘と孫も一緒に行けたらどうだろうと思って、誘ったんです。/歩くん:僕は初めての海外!初めてパスポートを取りました。

普段の生活のまま旅を続ける

真里子さん:普段から4人で住んでいるので、それが船に移動した感じですね。4人で二段ベッドなので、なんていうか濃厚な合宿のような。/彰二さん:本当にそんな感じで昔の大学寮のようなね。/真里子さん:ごちゃごちゃしてますが、それがおもしろかったりします。喧嘩すると気まずくて、お互いにカーテンを閉めたりすることもあるけれど、もう日常の感じですね。日本のようなままで船で暮らして、いろんな人と知り合って、寄港地でまた楽しみが増えてという日々です。/佳余子さん:めずらしい寄港地や観光するところは4人で行きます。/彰二さん:買い物タイムになるとパッと分かれます。

家族で楽しんだペルー

彰二さん:一番記憶に残っている寄港地は、やっぱりマチュピチュ遺跡ですかね。あんなに高いところまで登りましたが、それでもいい天気でね。マチュピチュ遺跡も見ることができたし、クスコの街の観光もよかったです。高地だったからちょっと息苦しさはありましたが行きたい場所のひとつだったし、4人で行けたのもよかったですね。/真里子さん:私もペルーにはもう一度行きたいと思うくらいです。ペルーならではの風景をもう一度見たいなと今も思います。お土産もセーターとかショールや飾り物とかたくさん買いました。

現地の人との会話にもトライ

歩くん:僕は喜望峰とかペンギンのいた、ケープタウン!すごく風が強かったけど喜望峰も行けたし、コロニーで見たペンギンもかわいかったし、テーブルマウンテンも大きかった!あと旅行中にすごく日焼けして黒くなって、びっくりしました。/真里子さん:タクシーの運転手さんとか現地の人と話すこともあったけど、歩が言葉の本を見ながら、私たちに「これは何でしょう」とかクイズを出してくれて、勉強会みたいでしたね。/彰二さん:言葉の大切さがよくわかったんじゃないかな?船でできた友だちには、韓国語や中国語を話す子もいたからね。

国を超えて育まれる関係性

佳余子さん:船でずっと仲良くしている年代の近い子どもたちが4人いるんです。子どもたちだけでレストランに行ったりして、仲良くやっているんですよ。歩の他には、韓国語、英語、中国語を話す子たちなので、共通の言語として主に英語でやりとりしてるんですが、歩も英語が少しずつ上手くなってきた気はしますね。たまたま今回の船には日本の子どもが少なかったのもあって、国ごとに集まるようなことにはならず、多国籍の子が集まることができて、それは今回の旅でよかったことかなと思います。/真里子さん:そこが一番、子どもにとってはよかったよね。

子育ての悩みに国境はない

佳余子さん:皆さんうちと一緒でいろんな家族構成で参加されているんですが、私は韓国から乗船したママとよく話していますね。文化が違っても、やっぱりママ同士の悩みは一緒だね、なんて話をしています。この旅を終えたら今度は韓国に行きたいなと思ってるんです。/真里子さん:私は仲良くなった人から、「また一緒に乗ろうよ」と誘われています。北回り航路なんですが、最初は迷ったけれど、私よりお年を召された方たちが「2年後を目標に健康に気を付けてがんばるわ」と言うのを聞いたら、私もそれを目指そうと思いますね。次はもっと現地の人と喋りたいから、これから英語をがんばるね、と約束しました。

次の乗船のための目標をみつけた

彰二さん:船には中国からもたくさん乗船しているので、コミュニケーションにおける中国語の大切さを感じました。だから次回乗るまでに、中国語の基礎ぐらいは覚えて中国語講座なんかがあれば参加したいなと思いました。あとは、楽器や歌、踊りなどを好きで積極的にやられている方は、ものすごく輝いて見える。そういう意味では、私も次回はそういったものにトライしてみたいと思いますね。/佳余子さん:私と父は、踊りとか気恥ずかしくて全然ダメで。/真里子さん:私と歩は平気な方なので、寄港地で踊ったりしました。/歩くん:音が聞こえると見に行っちゃうし、参加しちゃう!

言葉が通じなくても笑顔でいれば

佳余子さん:私は特別支援学校で働いてるんですが、そこに通うのは話せないとか自分の意志を周囲に伝えられない子どもたちです。私も今回の旅の中で「言葉が通じない」という環境下に身をおき、意思疎通ができないことの辛さや苦しさを自ら体験しました。これを職場に帰ったときに共有したいです。でも最終的には「表情」が一番大事かなと思います。どこの国でも、言葉は通じなくてもそこにいる人が笑顔で接してくれると、こちらも安心して過ごせたり話ができたので、笑顔でいることの大切さを子どもたちにも教えていきたいし、同僚たちにも伝えていきたいなと思いました。

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