乗船者インタビュー
この旅を思い出すたびに、財産だなと思うんです。
山田益雄さん・山田真由美さん(京都府 / 66歳・63歳)
ずっと夫に提案し続けていました
真由美さん:昔からポスターをよく見かけていたこともあって、ピースボートのことは知っていました。「世界一周というのがあるんだな」と思いながらも、どこか若者向けのものだろうと思っていたところもありました。それでももし実際に行くとなると何日も家を空けるわけですから、退職してからかなと考えていました。父が船旅に行きたいと言っていたものの実現できなかったこともあり、代わりと言ったらなんですが、いつか船旅に行きたいと夫に言っていたんです。当初はなかなか承諾してくれなかったんですが、私が退職するのをひとつのきっかけにしようと、ずっと提案していましたね。
名残り惜しくて、すぐ次を決めました
益雄さん:100日も家を空けられないし、3ヶ月も仕事を休むのは「ん~…」といった感じでした。妻が退職して、僕はまだ現役ですが65歳を機に働き方を変えて、自由にある程度の休みが取れるようになったので、昨年初めて乗船したんです。/真由美さん:実際に乗船してみると、本当に楽しかったです。旅が終わりに近づくと、何だか寂しくて名残惜しい気持ちになりましたね。その船内で次のクルーズの案内をいただき、すぐに次のクルーズに申し込みました。/益雄さん:やっぱりこの船に魅力を感じたんですよ。ピースボートの大ファンになってしまって、また乗りたいなと思ったんです。
自然に心を打たれた南フランス
真由美さん:寄港地での一番の思い出は、バルセロナのサグラダ・ファミリアの内部を見たいと思い、期待して申し込んでいたオーバーランドツアーです。でもツアーの前半はほぼ南フランスで、「自然かぁ…」と思っていたんですが、行ってみたら違ったんです。ピレネー山脈あたりの南フランスの自然の風景がとても雄大で、いい意味での驚きでした。/益雄さん:想像以上に素晴らしくてね。ボルドーでワイナリーにも行きましたが、もう試飲が試飲じゃなくなりましたね。同じツアーに参加した方とも仲良くなって、帰国後も連絡を取り合っています。
行ってみたからわかるよさがある
益雄さん:サグラダ・ファミリアもある程度知識を持って行きましたが、実際に中に入って見ると全然違いましたね。「うわ、これはすごい!」と思いました。/真由美さん:旅って何があるかわからないですよね。いろんな寄港地に足を踏み入れることでしか知ることができない風景や匂いなどもあって、それをガイドさんが一生懸命説明してくれて、さらにそれを通訳の方が訳してくれて。そういう手厚いことの中でしか知りえないことがあるんですよね。時期的に「あと一週間ずれていたら」と思うような場所もありましたが、すべての場所がよかったら、次にまた来ようとはならないですよね。
英語をつかって自分を表現する体験
真由美さん:私は船内で英会話を学ぶ「GET(Global English Training)」に参加して、有料コースを延べ16回受講しましたが、とてもいい体験でした。私の先生はスペイン人の方ですべて英語。日本語を話すコーディネーターの方もサポートに入ってくれるんですが、とにかくすべて英語で喋るんです。たくさん会話しましたし、自分の思いや考え方を話す機会が頻繁にあるので、「このフレーズはどう言うんだろう?」などいっぱい勉強しました。すごく有意義な体験でしたね。/益雄さん:2人でノルディックウォーキングもやりましたね。とにかくピースボートを楽しみ尽くそうと思って、乗船していましたね。
夫婦でトライした自主企画
真由美さん:乗船中は、自分たちで企画を立ち上げる「自主企画」を夫婦で行いました。とにかく準備物が少ない方がいいと思い、「60歳からの喋り場・第二の人生の歩き方」という企画をやりました。私自身、出産前後をのぞいてずっと仕事をしていたので、退職してから家にいる間にどんどん力も抜けて行くし、このままではまずいと思ったんです。その悩みはきっと、60代やリタイア後の方にはあるものだと思うんです。ピースボートは、退職後に乗られる方も多い印象だったので、みなさんのお話を聞いたり、お互いに語ることで、第二の人生の歩き方が見つかるんじゃないかなと思ったんです。
“これからの人生”を一緒に考えたい
益雄さん:僕は無口なんですが(笑)、時々喋りの中でボケを入れたりして、凸凹コンビで10回ほどやらせてもらいました。一番よかったのは、参加された方同士が友だちになったこと。中身のある話ができると、やはり仲良くなれるんです。それでもっと話したくなるし、核心に触れるようなお話が出たりすると、また一気に距離が近づきますよね。/真由美さん:私自身がそういった話を聞きたくて乗船前から構想していましたが、ポジティブに考えられる方がピースボートにはいっぱい乗ってらっしゃるなと思いました。だから企画した私たち自身の気持ちも、とても充実するんですよね。
船は第二の“我が家”
益雄さん:名残り惜しい気持ちからこうして再び乗船して、まるで実家に戻ってきたような気分です。お盆やお正月に田舎に帰るような、そんな気持ちになりました。/真由美さん:既視感があちこちにあって、「あぁ、家に帰ってきたんだ」と。レストランでは前回のクルーズでもお世話になった、すごくフレンドリーなクルーに再会できて、とてもうれしかったですね。/益雄さん:「また会いたいね」と言って別れたので、本当にうれしかったですよ。/真由美さん:こんな再会があると、また距離がぐっと縮まるんですよね。共通の旅の思い出というのは、本当に強いんですね。
「自分が行くんだ」と心を決めて
真由美さん:旅から帰ってきて感じるのは、何というか“充実感”でしょうか。乗船してよかったし、何で今まで行かなかったの?と思うくらいです。得難いものを得ることができますし、早めに乗船することが一番かと思います。乗船しない理由を見つけるのは簡単だけど、「どうやったら乗船できるか」を考えていくのがいいんじゃないでしょうか。/益雄さん:家を3ヶ月ほど空けることを意識して準備しました。いろんな対策をして、備えあれば憂いなしですしね。ピースボートの旅は、やはりお金では買えない体験です。「自分が行くんだ」とまず心を決めて一歩踏み出すことをおすすめしたいです。