乗船者インタビュー

この船でしか味わえなかったことがたくさんありました。

与儀光芳さん・与儀真理子さん(東京都 / 67歳・65歳)

妻からの、まさかの提案に驚いた

光芳さん:退職するまでは会社員をしていました。本社勤務でしたが、子会社がタヒチの島でホテルを経営してまして。マネージャーも従業員も現地で採用して、私は不動産のメンテナンスが主な仕事だったので、不具合が出れば現地に見に行ったり。乗船する数年前までそんなこともやっていましたね。/真理子さん:退職後は、二人ともゴルフが好きなので、ゴルフ旅行と称してハワイなど、いろいろな場所へ行ってました。/光芳さん:でもコロナでそういう場所にも行けなくなって、困ったなと言っていたら、彼女に「コロナが明けたら世界一周をしたい」と言われて。「でもまさかね」と思ってました。

ワクワクした気持ちのまま乗船

真理子さん:私はもう随分前から世界一周に行きたいなとは思っていたんです。そう思い始めたころにテレビなどで目にすることも増えて、「やっぱりピースボート乗らなきゃ」と気になりだしました。/光芳さん:実際にピースボートの事務所に行って、いろんな話を聞かせてもらいました。船旅の様子や船内のスケジュールが載った船内新聞の一部を見せてもらったりして、これはもう信用できるなと思いましたね。/真理子さん:ワクワクしたまま特に何も準備しないで乗ってしまいましたが、いろんな水先案内人の方の話を聞いたりして、「こんな話が聞けるの?」ととても感動しています。

船では終日活動的に過ごす

真理子さん:私は、朝はまず健康的にラジオ体操からスタートして、それから太極拳やサルサダンスにも参加して、運動したあとに朝食を摂りますね。朝食後に船内のソファで夫とちょっと打ち合わせのようなことをして、計画を立てるんです。予定を大まかに立てておいて、一緒に企画に参加することもあれば、別々のときもあるので「何時に〇〇で待ち合わせしよう」と決めて。日中はほとんど部屋にいないですね。お昼も、部屋には一旦歯磨きしに帰るくらいかな。それ以降もいろいろ動いて、夜まで出ていますね。夫は、夕食のあとはあまり活動しないんです。

美味しいお酒で一日を終える

光芳さん:そうですね、僕は夜はもう活動しません。午前中に1~2時間ほどウォーキングをして、体を整えるようにしています。夜はおいしいビールを飲んでいます。ボトルキープもしてますが、それでもう爽やかに寝る。最高の一日ですね。/真理子さん:「ここまでよ」と線を引いて(笑)。飲みすぎないようにしなきゃいけないのでね。/光芳さん:貴重ですよね(笑)。だからちびちびやるんですよ。/真理子さん:しょっちゅう言いたいことを言い合っているからいいのかもしれませんね。喧嘩もしますが、それでも最後は理解し合って仲直り。その繰り返しですね。

プラネタリウムのような星空を堪能

真理子さん:当初の予定から航路が変更になったので、うれしいことに「みずがめ座流星群」を見ることができました。水先案内人で天文分野の専門家である鳫宏道さんも乗ってらっしゃったので、いろいろとレクチャーが受けられたのもよかったです。夜空をライトで照らしながら人工衛星を教えてもらいましたが、動いているのが見えるんですよ。/光芳さん:流れ星を二つ見られました。プラネタリウムと同じように見えるんですよね。/真理子さん:その時間帯はデッキを消灯してくれたので、とてもきれいに見れてとても感動しました。これまでいろんな場所に行きましたが、海の上でしかできない体験が思い出になるっていいですよね。

“揺れ対策”で予行練習

真理子さん:世界一周のような長い旅は今回が初めてでしたが、実は予行練習で日本一周をしたことがあるんです。もともと揺れに弱いので他社の大型船で練習したのですが、ちょうど低気圧が来てて出航直後からの揺れで参ってしまったんです。「これじゃあ世界一周なんて行けない」と落ち込んでいたんですが、たまたま世界一周のご経験がある方とご一緒したときに、「外洋に出たらあんな大きな波は来ないから大丈夫」と教えてもらいました。そのアドバイスで元気が出ましたし、そのご縁がなければ今ここに乗っていなかったかもしれません。

自分たちなりにできることを

光芳さん:この旅でいろいろなことを学びましたし、知らなかったことを知り、自分たちに何ができるのか模索してみようと考えるようになりました。以前から考えていたのですが、遺言書を書こうかなと。僕は犬がとても好きなのですが、家を空けることも多いので飼えないんです。だから自分の手元に少しあるものを、盲導犬の団体に寄付しようかなとも考えていますし、国境なき医師団など、人道支援や核、貧困の問題なども、微力ながらできることがあるんじゃないかと考えています。/真理子さん:どんなかたちでできるかわかりませんけど、そういうことをしたいなと思っています。

新しい知見を得て広がる世界

光芳さん:彼女はまだ働くので、今後は僕がちょっとネタ集めというか、そういう場に出かけて話を聞いてみようかなと思っています。いろんな選択肢があるので、自分をどこのレベルに置くのか。世界を見るのか、日本を見るのか。身近なところにもいっぱいありますからね。自分自身が参加するということも、この船に乗って再認識しました。講座に参加すると新しい発見もありますし、僕はそちらが楽しみなんです。/真理子さん:やっぱり自分で見て知っているものとは、全然違う話が聞けるんですよ。私も将来的に、教育が行き届いていない地域に学校を建てるとか、そんなことができればいいなと思っています。

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