地球一周の船旅 2025年8月 Voyage121(アフリカ・中南米・南太平洋コース)
クルーズレポート
インカ帝国の礎
長年にわたり古代アンデス文明の発掘現場の撮影をしている写真家・義井豊さんによるアンデス文明講座。この日はアンデス地域の古代文明の中でもとりわけ豪華な黄金製品が発掘されたシカン遺跡をはじめ、今も多くの謎が残るインカ帝国のマチュピチュ遺跡について、写真とともに解説してくださいました。このような事前レクチャーが行えるのは、クルーズ旅行の大きなメリット。学びと知識を深めながら、寄港地での新たな出会いに期待が高まります。
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[水先案内人紹介]義井豊さん
多彩な通訳ボランティア
普段、船内の企画や講座、寄港地でのツアー等で通訳をはじめとした言語サポートを担っているコミュニケーションコーディネーターの皆さん。この日の企画では、起業家や指揮者、元国連職員など、彼らの個性豊かなバックボーンの一部を紹介するとともに、どのようにして言語を習得したかなど興味深い話もたくさん聞かせてくれました。
パナマ運河通航
クリストバルを出港した船は、いよいよクルーズのハイライトのひとつであるパナマ運河の通航へ。またとない通航シーンを見ようと、船のデッキには早朝から大勢の人たちが集まりました。全長約80kmのパナマ運河は、内陸部との標高差を越えるための「閘門(こうもん)」と呼ばれる開閉式の門が数カ所設けられ、水を注水して船を浮かせるなどシステマティックな通航劇が魅力。船のデッキやお部屋のバルコニーから、クルーズならではのパナマ運河の通航をたっぷりと楽しみました。
パナマ運河の掲載記事はこちら
[クルーズコレクション]海と海をつなぐ、パナマ運河を渡る
美しい手工芸品「モラ」
パナマの地では、繊細な手仕事が生んだ美しい手工芸品との出会いもありました。先住民族であるクナの人びとが生み出す「モラ」と呼ばれる手工芸品は、彼らの伝統衣装にも使われる美しい布製品。幾重にも布を重ね、絵を描くように糸で模様を縫い留め作られたモラは、お土産にもぴったりです。ひとつひとつデザインも異なるため、選ぶ楽しみも味わいながら美しいモラをお土産に購入しました。
クリストバル(パナマ)に入港しました
中米パナマのカリブ海側の港町、クリストバルに寄港しました。参加したのは、先住民族であるエンベラの人たちのコミュニティを訪問するツアー。ジャングルの中をボートに乗って向かい、到着すると鮮やかな民族衣装を身にまとったエンベラの人びとが出迎えてくれました。伝統楽器の演奏やダンスを披露してもらい、途中からは参加者も一緒になって踊る場面も。環境も文化も異なる人びとと共有した楽しい時間は、忘れられない思い出となりました。
アウシュヴィッツを訪ねて
テネリフェ島から本船を一時離脱し、ポーランドにあるユダヤ人強制・絶滅収容所である「アウシュヴィッツ強制収容所」や関連施設を訪れたツアー参加者による、船内報告会が開催されました。ナチスドイツ政権下で実際に虐殺の現場となっていた収容所を見学し、生存者の方たちの証言を聞くなど貴重な体験となった本ツアー。報告会では、参加者自身が自らの言葉で、現地で感じたことや印象に残ったことを語り、再び悲劇を繰り返さないために私たちにできることを考える場となりました。
リバークルーズとラム工場見学へ
モンテゴベイ寄港時には、ボートに乗ってラム工場を訪問するオプショナルツアーに参加しました。カリブ海へと流れ込むブラックリバーを屋根付きのボートで遊覧し、川沿いに密生するマングローブ林や、さまざまな生き物との出会いも楽しみました。ジャマイカではじめて砂糖精製とラムの蒸留を手掛けた「アプルトン・エステート蒸溜所」を見学したあとは、香り高くまろやかな味わいのラムのテイスティングも。ジャマイカの豊かな自然と、この地で育まれた伝統の味を堪能しました。
モンテゴベイ(ジャマイカ)に入港しました
美しい海と白いビーチ、陽気な雰囲気が魅力のジャマイカにやって来ました。寄港したモンテゴベイでは自然の中でアクティビティを楽しみ、名物のジャークチキンを味わうなど現地の味も堪能しました。お土産物屋さんをのぞくと、ラスタカラーのウェアがずらりと並ぶ光景が。いつもは手にしないようなインパクトのある色彩も、旅先では魅力的に映ります。現地の雰囲気を閉じ込めたとっておきのお土産を手に、モンテゴベイの街歩きも楽しみました。
ジャマイカの紹介記事はこちら
[クルーズコレクション]クルーズのメッカ、カリブ海
世界最高峰に挑む
世界的な偉業である『探検家グランドスラム』を達成した中国人初、そして世界で2人目の探検家である張樑(ジャン・リャン)さん。世界の8,000メートル峰14座の完全登頂、七大陸最高峰の制覇、北極点・南極点への到達などさまざまな挑戦を続けてきた張さんに、過酷な挑戦を続ける意義、挑戦の先に得たものについてお話を伺いました。張さんが目にしてきた素晴らしい景色も写真や動画でご紹介いただくなど、貴重な機会となりました。
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[水先案内人紹介]張 樑(ジャン・リャン)さん
アンデス文明史
長年ペルーに在住し、古代アンデス文明にまつわる発掘現場での記録撮影を25年以上続けている、写真家の義井豊さんの講座が行われました。文字をもたなかったアンデス文明はどのように発展し、なぜ高度な文明を築くことができたのか――義井さんの丁寧な解説と豊富な写真によってアンデス文明の全体図を読み解く有意義な時間となり、皆さんペルーへの訪問がますます楽しみになったようです。
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[水先案内人紹介]義井豊さん
ペルーの美しい海とその多様性
世界遺産マチュピチュ遺跡やアンデス山脈など、“山の自然”のイメージが強いペルー。しかし、約2,500kmにも渡って海岸線が伸び、豊かな海洋生態系が存在していることはあまり知られていません。水先案内人でペルー出身の海洋生物学者であるダニエル・カセレス・バルトラさんの講座では、ペルーの美しい海とそこに広がる生態系、そしてそれらの豊かな生態系が脅かされている現状についてお話しいただきました。
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[水先案内人紹介]ダニエル・カセレス・バルトラさん
学んで使える語学
ピースボートクルーズでは、日本語を母語としない参加者に向けて日本語教室を開催しています。レッスンでは、簡単なあいさつや日常生活で使えるフレーズなどを、文法のしくみから発音まで丁寧に学んでいます。旅の開始から2ヶ月近くが経ち、お友だちの輪が広がりつつある船内。国籍や出身地などの枠を超えて、旅の間に覚えた言葉で会話を楽しむ場面も見られます。
朝日を眺めながら
クルーズの楽しみのひとつである、朝日を眺める時間。船内新聞で日の出の時刻を確認し、まだ薄暗いデッキで太陽が昇るのを待ちます。時間の経過とともにオレンジ色の陽光が少しずつあたりを染める中、海の向こうから太陽がゆっくりと昇りはじめました。きらめく光が海に反射する、言葉にならないほどの美しい光景を眺めながら、“今日”という特別な一日がはじまります。
ガザ紛争のはじまりから2年
2023年10月7日に始まったガザ紛争から2年を迎えました。終わりの見えない戦闘で多くの民間人が犠牲となる中、この紛争を終結させるためにアメリカのトランプ大統領が和平計画を提示。この計画をもとにハマスとイスラエルの間接交渉が行われ、今月10日に停戦が決定しました。この日の講座では、水先案内人で国際政治学者の高橋和夫さんをお迎えし、国際社会によるガザ紛争終結への動きを振り返るとともに、今後の展望についてもお聞きしました。
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[水先案内人紹介]高橋和夫さん
麻雀大会
麻雀大会が開催されました。船内のゲームエリアでも大人気の麻雀。ベテランプレイヤーから、この旅の間に麻雀を始めたという方まで、たくさんの方が参加し雀卓を囲みました。応援の方も大勢集まり、興味津々で勝負の行方を見守ります。勝敗が決まると「おぉ!」というどよめきも起こり、会場は盛り上がりを見せていました。
摩天楼に見送られて
ニューヨークは、入港・出港の際の景色が特に美しい街。夜の出港時には、名所であるエンパイアステートビルをはじめ、街全体が宝石箱のような輝きをはなっていました。日中の活気ある街並みとはまたちがった、ドラマチックで美しい光景――少しずつ離れてゆくニューヨークの街を眺めながら、旅の余韻にひたります。
メモリアルパークへ
2001年のアメリカ同時多発テロ事件の公式追悼施設である、「9.11メモリアルパーク」を訪れました。かつて2棟のワールドトレードセンターが建っていた場所は、今は巨大な正方形の池となり、周囲を囲むブロンズの壁には犠牲となった人びとの名前が刻まれていました。静かなときが流れる場所で、過去の悲劇と今も止まない戦争について、思いを馳せる時間となりました。
ニューヨーク(米国)に入港しました
大西洋を渡ったパシフィック・ワールド号は、アメリカを代表する大都市・ニューヨークに寄港しました。数々の映画やドラマの舞台となった「グランドセントラル駅」では、まるで美術館のような美しいメインコンコースを堪能。ほかにも、ネオン輝くタイムズスクエアや博物館にセントラルパーク、ボリューム満点のニューヨークグルメも味わい、エキサイティングな街・ニューヨークを目一杯楽しみました。
ニューヨークの紹介記事はこちら
[クルーズコレクション]ドラマに満ちた北米よもやま話 -航海作家が選ぶ歴史航路-
日々を彩る音色
毎日、さまざまな場所で美しい音色が奏でられている船内。ジャンルのちがう音楽を、それぞれの専属ミュージシャンたちが心をこめて演奏しています。この日のアトリウムでは、「PIANO QUARTET」のメンバーが心地よい四重奏を披露していました。場所や時間帯によって曲調も変化し、さりげなくも、旅の日々のアクセントになるような音楽が船内を満たしています。
寄港地紹介 ~ニューヨーク~
間もなく寄港するニューヨークを前に、ニューヨークの街の基本情報を紹介する企画が開催されました。ニューヨークは港から中心部へのアクセスも良く、街全体が見どころといっていいほど多彩な魅力にあふれた街。2日間の寄港を目一杯楽しもうと、会場には多くの方が詰めかけ、熱心にメモを取る姿も見られました。
旅の日常を彩る、食の楽しみ
早朝から深夜まで、カジュアルな雰囲気の中で食事を堪能できるのは、14階に位置するビュッフェレストランです。ずらりと並んだ多彩なメニューの中には、寄港地にちなんだスペシャルな料理も登場し、どれを選ぼうか迷ってしまうほどの充実ぶり。ラーメンやうどんなどの豊富な麺類、色鮮やかに並ぶ旬のフルーツなども人気を集め、連日多くのお客様で賑わいを見せています。
中間発表会
ピースボートクルーズでは、乗船中に参加者の方自身が企画を立ち上げ、仲間を募って一緒に楽しむ「自主企画」を日々開催しています。今回のクルーズでも多くの方々が趣味や特技を活かして自主企画を立ち上げ、クルーズライフを楽しまれています。この日行われた発表会では、各グループがステージで多彩なパフォーマンスを披露したり、心をこめて仕上げた作品が展示されたりと、充実した旅の様子が伝わる素晴らしい時間となりました。
オーロラを望むひととき
揺らめき、輝き、かたちを変えてゆく美しいオーロラ――周囲を360度見渡すことのできる真っ暗な洋上から、天空で繰り広げられる光のショーを眺める、ぜいたくな時間が過ぎてゆきます。地球上の限られた場所で、限られた時期にしか見ることのできない、美しい自然現象・オーロラ。世界一周クルーズで出会う奇跡の絶景は、生涯忘れられない思い出となりました。
北欧バイキング物語
オーロラやアイスランドにまつわる講座にご登壇いただいている、オーロラハンターのアクセル・オスカーソンさん。この日は、ご自身のルーツである「バイキング」についてお話しくださいました。北欧のバイキングといえば、角のある兜を被り略奪を行なうというイメージが先行しがちですが、それだけではない実際の生活や、アイスランドへ渡ってきた歴史など、バイキングの末裔であるアクセルさんがたっぷりと語ってくださいました。