クルーズコレクション
旅が平和をつくり、平和が旅を可能にする
ひとりの参加者として乗船した船旅が、やがて人生の航路を大きく変えていく。ピースボートクルーズを主催する株式会社ジャパングレイス代表取締役社長の井筒陽子とピースボートとの出会いは30年以上前にさかのぼります。世界各地を巡り、多くの人と出会い、新たな価値観に触れてきた経験は、現在のクルーズ運営にも息づいています。旅を通じて人とつながり、世界を知り、自分自身を見つめ直す。そんなピースボートならではの魅力と、これからの船旅への思いを語りました。
Kataoka Kazushi
人生を変えた最初の乗船
私が初めてピースボートに乗船したのは1993年の夏でした。当時は就職活動中の学生で、きっかけは新聞記事でした。「さまざまな人との出会い」「視野を広げる旅」という言葉に惹かれたのを今でも覚えています。 「みんなが主役で船を出す」というプロジェクトに携わる経験はとても刺激的でした。また、ピースボートクルーズの船内では、自由闊達に議論が交わされ、新しい企画が生み出されていくことにも驚きました。船旅には飛行機の旅とは違う魅力があります。港へ近づくたびに、その土地の空気や匂い、人びとの暮らしを感じることができます。寄港地で出会った人たちとの別れや、新たな世界へ向けて出港する瞬間の高揚感は、今でも私の心に深く残っています。
Mizumoto Shunya
船内では飲料は缶のみを販売
新たな役割と変わらない思い
今年、私はジャパングレイスの社長に就任しました。責任の重さを感じる場面もありますが、それ以上に実感しているのは、多くのお客さまやスタッフ、関係者の皆さまに支えられ ているということです。ジャパングレイスが大切にしてきた「旅が平和をつくり、平和が旅を可能にする」という理念は、これからも変わることはありません。一方で、世界情勢が大きく変化する中、旅行会社に求められる役割も広がっていると感じています。私たちはお客さまを目的地へお連れするだけではなく、その土地の歴史や文化、人々の暮らし、社会課題に触れ、考えるきっかけを提供する存在でありたいと思っています。その姿勢は、船内の暮らしや環境への配慮にも直結しています。美しい海を守るため、船内でのペットボトル販売を廃止し、船員へはオリジナルの水筒を配布してプラスチック削減を推進しています。こうした小さな選択の積み重ねが、持続可能な未来をつくると信じています。
国連の協力で実施をしたアメリカ大陸各国からのユースを募った環境プログラムの様子(グアテマラ)
ピースボートとともに果たしていく使命
NGOピースボートとジャパングレイスは役割が異なります。ピースボートは魅力的なクルーズを企画・演出し、船会社は安全な航海を担っています。私たちはその中間に立ち、両者の調整役としてクルーズを運営しています。アジアからのお客さまも増え、ビザの手続きなどから国と国との関係を考えさせられる機会も多くなっています。今後は旅行会社としても主体的にメッセージを発信していく必要性を感じています。たとえばピースボートの船体にはSDGsやICAN( 核兵器廃絶国際キャンペーン)のロゴが描かれています。それは私たちが大切にしている理念の象徴でもあります。世界各地で戦争の脅威が現実となるなかで、ピースボートとともに被爆者や戦争被害者の声を届けることは共通の使命です。
Ueno Takafumi
人生は何歳からでも更新できる
近年のクルーズでは、仕事や子育てがひと段落した世代の方々とお会いする機会が増えています。「いつか世界一周をしてみたかった」「新しいことに挑戦したい」。そんな思いを胸に乗船される方も少なくありません。実際に船内では、多くの方が人生で初めてのことに挑戦されています。年齢に関係なく、新しい趣味や学びに目を輝かせる瞬間。日を追うごとにイキイキとした表情へと変わっていく姿を、私は何度も見てきました。クルーズは一過性の旅行ではなく、自分自身への投資であり、新しい一歩を踏み出すきっかけでもあります。人生は何歳からでも新しい出会いがあります。何歳からでも新しい挑戦ができ、そし て何歳からでも更新できる。この世界一周クルーズが、皆さまにとって新しい出会いと発見に満ちた旅になることを願っています。株式会社ジャパングレイス
代表取締役社長 井筒陽子
大学4年時にピースボートと出会い、卒業後にジャパングレイス入社。営業部長、取締役を歴任し、長年にわたり現場からクルーズ運営を支える。MSC認証水産物の導入をはじめとする海洋保護などのサステナブルな取り組みを推進し、2026年に代表取締役社長に就任。持続可能で心豊かな船旅の未来をめざす。
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