地球一周の船旅 2025年4月 Voyage120(アフリカ・ヨーロッパ&アラスカコース)
クルーズレポート
クリストバル(パナマ)に入港しました
中米パナマの港町クリストバルから足を延ばして、首都パナマシティを訪れました。世界遺産にも登録されている旧市街カスコ・アンティグオは、スペイン統治時代のコロニアルな街並みが魅力。瑞々しい緑が茂る中、美しい教会やカラフルな邸宅などをめぐる、趣きある街歩きを楽しみました。
“つながり”の中から見えてくるもの
フリージャーナリストとして、スペイン語圏を中心に取材活動を続けている水先案内人の工藤律子さん。メキシコや中米、そしてフィリピンなど、格差や不平等の構造の中に置かれた人びとと出会い、その声に耳を傾け続けてきました。この日はジャーナリストとして活動を始めた経緯や、その原点となったご自身の経験などについてお話しいただきました。
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[水先案内人紹介]工藤律子さん
この地ならではのお土産を
大自然を堪能したあとは、モンテゴベイの街にショッピングへと出かけました。店先に飾られた洋服や小物たちは、ジャマイカの国旗カラーである黄色や黄緑色、そしてレゲエ文化を思わせる「ラスタカラー」にあふれ、見ているだけでワクワクします。陽気な店員さんと身振り手振りで会話を楽しみ、お土産とともに旅の思い出も持ち帰ります。
モンテゴベイ(ジャマイカ)に入港しました
カリブ海に浮かぶ島国ジャマイカ。寄港したモンテゴベイは滝や川、美しいビーチなど大自然の中でアクティビティが楽しめる街です。透き通った豊かな水が流れる階段状の滝「ダンズリバーフォール」では、滝登りに挑戦!あたりを包むマイナスイオン、水しぶきもたっぷり浴びて、爽快感にあふれる体験を楽しみました。
ジャマイカの紹介記事はこちら
[クルーズコレクション]クルーズのメッカ、カリブ海
記憶がなくても語り継ぐ想い
戦後80年特別プロジェクト「TIME FOR PEACE」の大きな柱となっているのが、日本被団協の後援のもと世界各地に被爆証言を届ける「おりづるプロジェクト」です。お話しをしてくださった渡辺淳子さんは、2歳のときに広島で被爆しました。成人後に自身が被爆者であることを知った渡辺さんは、「活動を始めてから知った多くのヒバクシャの声が自分の原動力になっています」と語ります。ご自身の被爆証言と合わせて、渡辺さんの未来へとつなぐ想いをお話しいただきました。
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(NGOピースボートのサイトへ移動します)
みんなで楽しむモルック
船内で人気のモルック。フィンランド発祥のスポーツで、数字の書かれた木製のピンにモルック棒を投げ当ててチーム戦で得点を競います。この日は船のスポーツコートで、初心者の方も含めた8チームが参加して大会が開催されました。モルックは年齢や性別、障がいの有無にかかわらず、誰もが一緒に楽しめるスポーツ。ギャラリーの方たちの温かい声援を受けながら、皆さんモルックの奥深さを楽しんでいらっしゃいました。
国連の過去・現在、そして未来
コスタリカの弁護士として、主に憲法問題や人権保護に関連した訴訟に取り組んでいる水先案内人のロベルト・サモラさん。国連平和大学にて国際法と人権の修士号を取得し、これまで世界平和フォーラムなど数多くの国際会議で講演を行ってきました。この日は国連の歴史をふり返るとともに、今も各地で続く戦争や紛争に対して国連はどんな役割を果たすべきなのかといった、私たちが普段目にするニュースの“その向こう側”にある国際課題と平和を考える時間となりました。
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[水先案内人紹介]ロベルト・サモラさん
国際軍縮の現場から
世界中で紛争予防・平和構築に携わる個人や団体とつながり、平和を訴えるピースボートのプロジェクト「TIME FOR PEACE」。本日講座に登壇されたのは、水先案内人で駐日ジャマイカ大使を務めるショーナ - ケイ・リチャーズさんです。これまで国連ジャマイカ次席代表や、国連軍縮委員会副委員長を歴任し、現在は国連事務総長諮問委員会の議長を務めています。武器貿易条約や核兵器禁止条約の交渉など、国際軍縮においてリチャーズ大使が国連で担う主導的な役割について、貴重なお話を伺いました。
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[水先案内人紹介]ショーナ - ケイ・M・リチャーズさん
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(NGOピースボートのサイトへ移動します)
コーヒーブレイク
気持ちのよい海風を感じながらの、コーヒーブレイク――この日は14階のビュッフェレストランで美味しそうなデザートとドリンクをチョイスして、隣り合うデッキでのんびりとお茶の時間を堪能しました。開放的な空間での休息のひとときは、船旅ならではのぜいたくな時間です。
毎日が“特別な”瞬間に
外の空気にふれたくなってデッキへと上がると、大空と波音が全身を包みました。クルーズが始まって2ヶ月超。すっかり見慣れた光景ですが、やはり何度見ても特別なものに感じます。こんな瞬間もいつか旅の思い出になると思うと、いつまでもこの美しい海や空を眺めていたくなります。
メキシコ伝統舞踊の魅力
メキシコの伝統舞踊にバレエの要素を加えた美しいパフォーマンスを披露してくださったのは、世界的な民族舞踊団「Casa Hogar Los Angelitos A.C 民族舞踊団」の皆さん。メンバーの方々は、メキシコにある若者支援を行う施設が実施しているダンスプログラムでダンスを習得し、世界ツアーも行っています。その軽快な舞いに会場は熱気に包まれ、これから寄港するメキシコの文化を一足先に感じることができました。
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[水先案内人紹介]Casa Hogar Los Angelitos A.C 民族舞踊団さん
波音に誘われて
お天気の良い日には、船のデッキで思い思いの時間を過ごす方たちの姿が見られます。波音をBGMに読書や書き物をしたり、時にはうたた寝を楽しんだり――いろんな場所にデッキチェアが置かれているので、自分のお気に入りの場所も見つけられるでしょう。自由な時間が織りなす、洋上での日々。旅であることを忘れてしまうような、ゆったりとした時間が流れてゆきます。
アトリウムでのひととき
広く開放的な船内。なかでも、船内の中央に位置する4層吹き抜けのアトリウムは、日々多くの方々が行き交う“船の顔”とも呼べる存在です。ゆったりとソファに座ってご友人との会話を楽しんだり、楽器の生演奏に耳を傾けたりと、さまざまな過ごし方が叶うスポットです。
ニューヨークの憧れスポットへ
さまざま分野で世界をリードするニューヨークには、映画やドラマで観た憧れスポットが満載。ブルックリン橋やセントラル・パーク、タイムズスクエアなどの名所めぐりを楽しみました。他にもミュージカル鑑賞やショッピング、名物のハンバーガーを味わうなど、ニューヨークがもつ魅力を目一杯堪能した時間となりました。
ニューヨーク(米国)に入港しました
船が到着したのは、摩天楼のビル群がそびえる大都市ニューヨーク。まだ夜も明けきらぬうちから船のデッキには大勢の人が集まり、壮大な入港シーンを楽しむ様子が見られました。ビルの合間から昇りはじめる太陽。早くもニューヨーク観光への期待が高まります!
ニューヨークの掲載記事はこちら
[クルーズコレクション]ドラマに満ちた北米よもやま話 -航海作家が選ぶ歴史航路-
ピースコンサート
広島での原爆を生き抜いた被爆バイオリンの演奏と、平和への祈りを言葉で綴るピースコンサートが開催されました。80年前の記憶と未来への希望を宿した、美しくもどこか憂いを帯びた音色――会場中がその素晴らしい演奏に耳を傾け、平和への想いをはせるひとときとなりました。このバイオリンは、現在ピースボートで実施中のプロジェクト「TIME FOR PEACE」の一環として、間もなく寄港するニューヨークで開催される特別イベントでも演奏される予定です。
※この動画では音楽演奏をお楽しみいただけます。
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(NGOピースボートのサイトへ移動します)
「プライド月間」ってなんだろう
毎年6月は、LGBTQ+(性的少数者)のコミュニティを祝福し、差別や偏見のない公正で平等な社会を目指すために設けられた「プライド月間」です。この日は、寄港地・ニューヨークで開催されるプライドパレードをはじめ、LGBTQ+を知るための基礎知識や、社会の意識を変えるために個人や企業が取り組んでいるさまざまなアクションについての紹介があり、多様性を尊重し合える社会の在り方を考える時間となりました。
終日航海日の楽しみ
この日の船内では、さまざまなスポットでイベントが開催されました。ステージで行われたのは、素晴らしい特技や、あっと驚く才能をお持ちの方々による芸達者祭。伝統舞踊にダンス、コーラスやマジックなどが披露され、見ていた方からは「私も新しいことを始めたくなりました」との声も聞かれました。他にもスタンプラリーや、世代を問わず参加できるゲームなど、あちこちで洋上での時間を楽しむ方たちの姿が見られました。
大西洋で見る夕日
「夕日がきれいですよ」との声を聞きデッキへと上がると、沈みゆく太陽が空をオレンジ色に染め上げる美しい光景が広がっていました。現在、大西洋を航海中の船。しかし同じ大西洋でもアフリカ、ヨーロッパ、そしてアメリカと、航行する海域によって海が見せる表情はさまざまです。毎日少しずつ変化する海や太陽に見守られて、船は美しい地球をめぐっています。
マスカレードパーティー
地球一周航海中に何度か行われる、クルージングパーティー。今夜はマスカレードパーティーが開催されました。ファッションショーでは専属ミュージシャンの生演奏をバックに、ドレスアップして仮面をまとった参加者たちが華麗にランウェイを歩きました。美しく飾られたフォトブースで写真を撮ったり、社交ダンスパーティーに参加したりと、船内は華やかな雰囲気に包まれました。
ヒロシマを生きたバイオリン
旅を通して平和について学び、考えるプロジェクト「TIME FOR PEACE」。この日は、80年前に広島で被爆した1挺のバイオリンと、その持ち主であるパルチコフ一家の物語を伺いました。お話ししてくださったのは、被爆当時のバイオリンの持ち主のお孫さんであるアンソニーさん。戦争の記憶と平和への願いを背負い続けるバイオリンの物語を通して、戦争の傷跡を語り継ぐことの大切さを、静かに、そして力強く伝えてくださいました。
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ビートルズナイト
バーから聴こえてきたのは、ザ・ビートルズの懐かしのメロディ。今夜は、本船専属ミュージシャンの美しいアレンジでビートルズの名曲を演奏する、「ビートルズナイト」が開催されました。アップテンポな曲に合わせてステップを刻んだり、お馴染みのサビを口ずさんだり。スペシャルドリンクやフードも登場し、にぎやかな時間を楽しみました。
沖縄デー
6月23日は、沖縄県が定めた沖縄戦犠牲者への哀悼の意と世界平和を願う「慰霊の日」。沖縄の歴史や過去を取り巻く課題について考える講座など、さまざまな企画が行われました。ピースボートでは現在、旅を通して平和について学び、考えるための「TIME FOR PEACE」という戦後80年特別プロジェクトを実施しています。今後も訪れる寄港地や船内での被爆証言や、平和を訴える活動を続けていく予定です。
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北極圏で流氷を
レイキャビクを出港したのち、船は北極圏を通過して大西洋を横断します。この日は船のデッキから、大海原に流氷が漂う幻想的な光景を眺めることができました。防寒着を着こみ、温かい飲み物を手に、流氷を眺める時間――時折大きな氷塊が流れてゆくと、見ていた人たちからは「すごい!」といった歓声もあがりました。