クルーズコレクション

2023年出航クルーズの魅力探訪-航海作家が選ぶ歴史航海-

2022年12月23日

2023年4月、ピースボートクルーズは新チャーター船「パシフィック・ワールド号」の就航を開始します。そして、2023年はピースボートクルーズの初航海から40周年に当たる節目の年でもあります。そんな記念すべきメモリアルイヤーに出航する世界一周クルーズの見どころを、航海作家のカナマルさんに伺います。

文・構成:カナマルトモヨシ(航海作家)
日本各地のみならず世界の五大陸をクルーズで訪問した経験を持つ航海作家。世界の客船を紹介する『クルーズシップ・コレクション』での執筆や雑誌『クルーズ』(海事プレス社)に連載記事やクルーズレポートを寄稿している。

© Nakamura Mitsutoshi
ピースボートクルーズ1983→2023

1983年。元号だと「昭和」58年。その晩夏、1隻の船がグアムやサイパンなど南の海を目指して出航した。乗船者は200人にも満たなかったという。それが翌年以降アジア各地に船を出し続け、やがて世界のすみずみまでをくまなくめぐる大航海を毎年行うようになる。そんな未来を予想した人が、当時どれほどいただろうか。そして2023年。ピースボートクルーズは初航海から40周年を迎える。このメモリアルイヤーに、3つの世界一周クルーズが日本を船出する。そのなかで40周年ならではの注目の寄港地、そしてトピックスを紹介していきたい。

© Isogai Miki
新船「パシフィック・ワールド号」で皆既金環日食を観測

ピースボートクルーズ40周年に合わせて、4月出航の「地球一周の船旅 Voyage114」より就航する「パシフィック・ワールド号」。その前身は、ちょうど10年前の2013年に、外国客船としては初めて定期的な日本発着クルーズを始め注目を浴びた。2019年には日本の旅行会社のチャータークルーズで世界一周し、2020年の東京オリンピック期間中は横浜港でホテルシップとして利用される予定だった。この名船を生まれ変わらせたのが「パシフィック・ワールド号」だ。そしてそのデビュークルーズでは4月20日、洋上で金環皆既日食の観測を予定している。新船での天体ショーに期待が膨らむ。

© Chiga Kenji
ピースボートクルーズの原点が見えるシンガポール

2023年に出航する3つの世界一周クルーズいずれも寄港するシンガポール。実は、ピースボートクルーズにとっては重要な意味を持つ港だ。1982年に起きた歴史教科書問題をきっかけに集まった当時の若者たちが、翌年から「過去の戦争を見つめ未来の平和をつくる」を標榜し、アジア太平洋をめぐる船旅を始めた。それがピースボートクルーズの出発点だ。世界一周でシンガポールに寄港するようになると、現地で太平洋戦争の検証ツアーを実施するなど、その初志を引き継いでいる。創設40年を迎えるピースボートクルーズの原点を垣間見る寄港地である。

© Okada Keita
世界一周クルーズはピレウスから始まった

春出航の「地球一周の船旅 Voyage114」と夏出航の「地球一周の船旅 Voyage115」で連続寄港するギリシャのピレウス。古代ギリシャ文明の中心地アテネの海の玄関口として知られるが、ピースボートクルーズの歴史でも記念すべき港だ。というのも、1990年秋にこの地からピースボートクルーズ初の世界一周が出航したからだ。創設から第10回の航海だった。ピレウスを出たギリシャの客船「オセアノス」は地中海を抜け大西洋と太平洋を横断。同年12月に日本に途中寄港(広島と長崎)し、翌1991年1月にピレウスに無事帰港した。西洋文明揺籃(ようらん)の地は、ピースボート世界一周クルーズの発祥の地でもある。

© Nakasuji Kota
ビートルズもピースボートクルーズもリバプールから世界へ

60年前の1963年。前年デビューしたリバプール出身の4人組バンド、ザ・ビートルズのシングル「Please please me / Ask me why」が初めて全英チャート1位を獲得する。これ以降、彼らの曲は発表すれば必ずトップに立ち、瞬く間に世界中を席捲していった。1998年秋。ウクライナ船籍のオリビア号はビートルズの故郷から出航。ピースボートクルーズ初の英国発着世界一周へと旅立った。この24回クルーズ以降、ピースボートクルーズは連続して世界一周クルーズを出すようになり、現在に至る。ビートルズもピースボートクルーズも、この港町から世界へ羽ばたいたのだ。

白昼夢のような北極圏クルーズ

2023年の開幕を告げる、「地球一周の船旅 Voyage114」。金環皆既日食の観測と並ぶハイライトが6月初旬の北極圏クルーズだ。北緯66度33分以北に位置するトロムソ、「ノールカップ(北の岬)」の異名を持つホニングスヴォーグ、そしてスヴァーバル諸島にある世界最北の町ロングイェールビーン。40年の歴史を持つピースボートクルーズでも、これらノルウェーの3港は初めての訪問となる。そしてスヴァーバル諸島のコングスフィヨルド遊覧も楽しみだ。夜になっても太陽が沈まない「白夜」のなかのクルーズは、世界広しといえどもめったに体験できない白昼夢のような船旅だ。

メープル街道とピースボートクルーズの奇縁

世界一周クルーズ。大海を渡るだけが醍醐味ではない。その隠れた魅力を体感できるのが「地球一周の船旅 Voyage115」のセントローレンス川航行だ。いわゆるリバークルーズだが、これはひと味違う。紅葉のメッカとして知られるカナダ「メープル街道」に沿って、美しい紅葉をたっぷり見られるのだ。ちなみにピースボートクルーズは、メープル街道と奇縁がある。カナダ国旗のデザインにもなっているメープル(カエデの樹)が多いことからついたこの名称は、実は日本の旅行会社の考案。これが発表されたのは1983年。それはピースボートクルーズのデビューイヤーでもある。

© PEACEBOAT
カーニバル真っただ中のリオデジャネイロへ

1973年2月14日、最後の南米移民を乗せた「にっぽん丸(初代)」は横浜を出航した。それは日本初の世界一周クルーズでもあった。その半世紀後の2023年末、神戸そして横浜を出航するパシフィック・ワールド号は南半球をめぐる世界一周クルーズへ旅立ち、翌年2月にリオデジャネイロに寄港する。滞在は3日(2024年2月11~13日)と異例の長さ。というのも時はまさに「リオのカーニバル」の真っただ中。この熱狂を間近で体感できるカーニバル見学ツアーも予定されている。移民船から世界一周クルーズへ。日本の船旅の歩みもたどるタイムスリップ航海になるだろう。

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