ピースボートでゆく世界の寄港地-バーリ編-
アドリア海の青い海に抱かれた港町、バーリ。古き良きイタリアの情緒が色濃く残るこの街は、迷路のような旧市街や、素朴で温かい人びととの出会いに満ちています。
潮風を感じながらのんびりと街を歩けば、そこには日常の喧騒を忘れさせてくれる穏やかな時間が流れています。
バーリを拠点に、世界遺産のアルベロベッロやマテーラまで。光あふれる南イタリアの至宝をめぐる、心ときめく旅の記録をお届けします。
フィヨルド遊覧に北欧、ヨーロッパなどをめぐる春の世界一周クルーズの資料をお届けします[無料]
アドリア海の風と南イタリアの色彩
バーリの魅力は、美しい海岸線と、素朴で飾らない暮らしが共存しているところにあります。地元の人びとに愛されるビーチから、歴史を感じさせる伝統工芸まで、この土地ならではの色彩豊かな風景がそこに広がっています。
地元で「パーネ・エ・ポモドーロ」とよばれるこのビーチは、はるか昔からの市民の憩いの場として親しまれてきました。そのユニークな名は、かつて人びとがパンとトマトを持ってビーチでの時間を過ごしていたことに由来します。
ワインを片手にチェスを楽しんだり、思いっきり泳いだり。思い思いに過ごす海辺は心地よい開放感に包まれ、この街の本質を感じることができるでしょう。
バーリの旧市街「バーリ・ヴェッキア」は、白壁の家々が密集し、この地で暮らす人びとの日常も感じられる情緒あふれるエリアです。地図を閉じて迷い込めば、広場で談笑する人びとや、路地裏で手仕事を続ける職人の姿に出会えます。中世の面影を色濃く残す石畳の道は、歩くたびに南イタリアらしい温かさと活気を感じさせてくれます。
この地方には、素朴で愛らしい伝統的な陶器が息づいています。雄鶏をモチーフにした色鮮やかな絵付けや、ぽってりとした質感が特徴の器は、南イタリアの豊かな食卓を象徴するかのよう。
路地の小さなお店で、職人のこだわりが詰まった一点物の陶器を探す時間は、旅の思い出を形にする特別なひとときになるでしょう。
伝統の味が息づく旧市街の美食めぐり
旧市街に足を踏み入れると、どこからか美味しそうな香りが漂ってきます。新鮮な海の幸はもちろん、手づくりパスタの伝統を守る女性たちの姿など、イタリアの美食から深い愛と情熱を感じることができます。
通称「パスタ通り」とよばれる路地では、地元の女性たちが家の前で耳たぶ形のパスタ「オレキエッテ」を素早く丸める光景が見られ、直接購入することも可能。まさに職人技とも言えるその手さばきは、代々受け継がれてきたバーリの誇り。
天日干しされるパスタの香りに包まれながら、イタリアの家庭料理の原点にふれるような貴重な体験ができます。
街角のデリカテッセンには地元のチーズやオリーブ、生ハムが所狭しと並びます。特に旧市街の軒先などで売られる揚げたてのポレンタなどのローカルフードは、食べ歩きにもぴったり。夕暮れ時から路地裏の軒先で地元のお母さんたちが揚げたてを売る姿がバーリの風物詩でもあり、「現地の暮らし」に一歩踏み込む贅沢なひとときとなるでしょう。
アドリア海の恩恵を受けたバーリでは、新鮮な魚介が主役。この地でぜひ味わいたいのが、お米とジャガイモ、ムール貝を重ねて焼き上げた郷土料理「ティエッラ」です。素材の旨みが凝縮されたこの一皿は、バーリを代表する伝統の味。地ワインとともに堪能すれば、南イタリアの豊かな食文化を全身で享受する至福の夜が更けていきます。
陽光に輝く白い円錐、アルベロベッロの休日
とんがり屋根の白い家々が並ぶアルベロベッロの街に一歩足を踏み入れると、まるで異世界に迷い込んだような風景が広がります。世界遺産にも登録されているこのユニークな街並みを歩き、その歴史や不思議な建築様式の秘密に迫ります。
「トゥルッリ」とよばれるこの独特な建築は、16世紀頃に開拓民によって造られ始めました。石灰岩を積み上げただけの簡素な造りは、じつは当時の徴税を逃れるための知恵だったという驚きの歴史が。数世紀の時を経て、現在は人びとの知恵と伝統を守り抜いた証として、世界中の旅人を魅了し続けています。
青空に映える真っ白な壁と、灰色の円錐形屋根が並ぶ光景は、どこを切り取っても絵になります。屋根に描かれた不思議な模様は、魔除けや宗教的な意味を持つといわれ、街全体が神秘的な空気をまとっています。陽光に照らされた白壁が眩しく輝くさまは、まるで異世界の神殿に迷い込んだような神聖な静寂を湛えています。
世界でも珍しい、トゥルッリ様式を取り入れて造られたのが聖アントニオ教会です。とんがり屋根を持つその姿は、一見すると大きな住居のようですが、内部に入れば荘厳な祈りの空間が広がります。街の景観と完璧に調和したこの独創的な教会は、信仰と地元の建築文化が融合した、アルベロベッロならではの見どころです。
高台にある展望台からは、密集するとんがり屋根が一望できる圧巻のパノラマが臨めます。まるでおもちゃ箱をひっくり返したような白く幻想的な景色が視界に収まりきらないほどに広がり、かつての住人が石を積む乾いた音が聞こえそうなほど濃密な情感に満ちています。夕暮れ時には家々に明かりが灯り、昼間とは一味違うロマンチックで幻想的な雰囲気に包まれます。
時が止まった岩の古都 マテーラ
「サッシ」とよばれる洞窟住居が広がる古の街・マテーラ。かつては過酷で差別的な環境から歴史の影に隠れていましたが、現在は世界中の人びとを魅了する美しい世界遺産へと再生を遂げました。バーリから日帰りで訪れることも可能な距離でありながら、その地形の変化には驚くべき違いが見られ、訪れる旅人の心を掴みます。そんな力強い歴史を持つマテーラの街の物語を紐解きます。
マテーラの「サッシ」は、切り立った峡谷の岩肌に掘られた世界最古級の洞窟住居群です。旧石器時代から続く人類の営みの跡が、層をなすように重なり合い、唯一無二の景観を形つくっています。一時は放置されていたこの街が今では、歴史の深さを伝える遺産として輝きを取り戻した姿には深い感銘を覚えるでしょう。
一歩足を踏み入れれば、そこは上下左右が複雑に入り組んだ岩の迷宮。教会の鐘の音が響く中、階段や路地を歩き進めると、ふとした曲がり角のたびに幻想的な世界が広がります。岩と空が交差するこの街特有の色彩は太陽の力を借り、時間帯によって表情を変え、訪れる旅人を太古の時代へと誘うような不思議な感覚にさせてくれます。
カーサ・グロッタ博物館では、かつての洞窟住居での暮らしが忠実に再現されています。狭い空間で家族や家畜がともに過ごした過酷ながらも知恵に満ちた生活様式を知ることで、美しさの裏側にある当時の人びとの粘り強い生命力を感じることができるでしょう。厳しい歴史を飲み込み、今なお毅然と佇む岩肌からは、この街が放つ真の輝きを感じます。
マテーラを訪れたら外せないのが、特徴的な形をした「マテーラパン」。地元産の硬質小麦を使用し、伝統的な製法で焼き上げられたパンは、外はカリッと香ばしく、中は驚くほどもっちりとしています。かつて共同の焼き窯で焼かれ、大家族で数週間かけて分かち合っていた歴史を持ち、一口食べれば、この土地が守り続けてきた優しい味が広がります。
-
8518view
-
7936view
-
7109view
この記事に関連する記事
パンフレットをお届け!
今資料請求をいただいた皆さまには、世界一周クルーズがもっと楽しみになる情報が満載のパンフレットをお送りします。この機会にぜひ資料をご請求ください。