クルーズコレクション

素晴らしきアラスカ

2023年10月23日

インタビュー

素晴らしきアラスカ

世界三大クルーズエリアに数えられるアラスカ。その最たる魅力は、クルーズだからこそ出会うことができる、大自然の数々です。迫力あふれる氷河、静寂のなかのフィヨルドの景観、そして生命力に満ちた野生動物など、大自然が語るドラマを堪能することができます。その見どころや旅の楽しみ方を、現地で長年ツアー会社の代表を務め、水先案内人でもある、アラスカ旅行のスペシャリスト安藤正康さんのナビゲートでお届けします。

安藤正康さん
「アラスカの達人」と呼ばれるアラスカアドベンチャーのスペシャリスト。HAIしろくまツアーズ代表。常に新しい発想を持って、さまざまな角度から「最後のフロンティア」を紹介している。
HAIしろくまツアーズ公式サイト

素晴らしきアラスカ

世界中から観光客が集まるアラスカ

世界有数の大自然を擁する観光地として、人びとを魅了しているアラスカ。特に厳しい冬が終わり、冬の間に積もった雪が溶け始めると、待ちに待ったアラスカクルーズのシーズンが到来します。初夏から秋の短期間に世界中からクルーズ船が運航され、その数はワンシーズンで350隻以上と言われています。壮大な氷河や、その氷河がつくり上げたフィヨルドといった雄大な景色を訪ね、クジラをはじめとする野生動物の営みに出会う──船だからこその体験は大きな感動とともに胸に残るものです。

素晴らしきアラスカ

インサイド・パッセージをゆく

アラスカクルーズが世界中の人びとから愛されている大きな理由は「インサイド・パッセージ」にあります。「インサイド・パッセージ」とは、カナダ西部からアラスカ東南部にかけて約1600キロにわたって続く、”水の回廊“と呼ばれる内海航路のこと。狭い湾の両岸に、切り立った絶壁がそびえるフィヨルドの雰囲気は素晴らしいものがあり、マイナスイオンを浴びながら、いつまでも眺めていたい絶景です。ピースボートクルーズでも、船上から皆さんに存分に楽しんでいただきたいと思います。

素晴らしきアラスカ

アラスカ最南端の街、ケチカン

先住民族のクリンキット族の言葉で「鷲の広げた翼」という意味をもつケチカンには、先住民族の文化遺産も多く残り、とりわけトーテムポールが有名です。アラスカ州など北米の北西沿岸部が発祥で、特にケチカン周辺に暮らしていた先住民族の間でトーテムポールを作る風習が盛んで、その文化が発達してきました。トーテムポールは出自や家系などを彫って記すもので、宗教的な意味合いはなく、家の中や外に表札のように立てられたもの。街のあちらこちらで、不思議な魅力を放つ個性的な彫刻が見られます。

ネイティブ文化にふれ、グルメに舌鼓

観光名所としては「クリーク・ストリート」もおすすめです。ケチカン川の河口にあり、この町の歴史が記された案内板やクジラの尻尾のベンチが置かれ、川沿いには高床式のカラフルな商店が並んでいます。ダウンタウン全体を見渡すこともでき、せせらぎの音を聴きながらお土産屋さんをまわるのも楽しいですよ。土産物としては、先住民族のクラフトや、アラスカで取れる鉱石を細工したアクセサリーが人気です。
漁業が盛んで、「世界のサーモンの首都」として知られるケチカン。海の恵みが楽しめるこぢんまりとしたレストランも多く、サーモンをはじめ、タラバガニ、エビなど魚介の種類も豊富です。

素晴らしきアラスカ

世界最大級の氷河に息を呑み圧倒される

アラスカの氷河は世界でもっとも美しいと言われています。高さ100メートルを超えるような氷の壁が目前に迫ると、そのスケールに圧倒されます。ハバード氷河はクルーズ船でないと見ることができない世界最大級の氷河です。大きな特徴としては氷河の流れるスピードが速いこと。数千年かけて流れる南極の氷河と違い、約400年の時間で流れます。つまり非常に活発であるため、氷河の崩落も多くなります。大氷河が轟音とともに崩れ落ちる瞬間を目撃できるのはクルーズならではの特権ですが、予兆は感じにくいので、その瞬間を目の前で見ることができたらとても幸運ですよ。

素晴らしきアラスカ

氷塊の崩落、アラスカサンダー

プリンスウィリアム湾の「カレッジ・フィヨルド」の最深部には、ハーバード氷河があります。氷河の崩落はこちらのほうが見られる確率が高いです。川で言うと広い大河から狭いところに入ると急流になりますが、それと同じような地形のため氷河が集まりどんどん押し出されているからです。それから氷河を前にしたとき“もうひとつの楽しみ”があります。耳を澄ませていると氷河の後ろの方で氷塊が氷河の氷のなかに落ちていく音が『ゴロゴロ』と聞こえます。雷の音に似ているため、私たちは『アラスカンサンダー』と呼んでいます。ぜひ船のデッキでこの雷を聞いてください。

素晴らしきアラスカ

旅行者を魅了する美しい山々と、港町スワード

キーナイ半島東岸のリザレクション湾に面したスワードは、アラスカ鉄道の開通とともに誕生しました。人口約3000人の小さな閑静な港町ですが、観光シーズンの6月から9月にかけては多くの観光客が訪れ、特に釣りやホエール・ウォッチング、カヤックなどさまざまなアトラクションの拠点にもなっています。湾に沿って遊歩道があり、美しい景色を眺めながらの散歩も楽しいですよ。ここでも、シーフードグルメは外せません。スワードでは特に大型カレイの仲間であるオヒョウが有名です。シーフード以外では、トナカイの肉や地ビールを楽しむのもおすすめです。ぜひレストランで召し上がってみてください。

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