クルーズコレクション

地球の息吹を感じる、バニラ薫る島

2022年1月14日

レユニオン島(仏領)

広大なインド洋にぽつりと浮かぶ、レユニオン島。アフリカ大陸の東の沖合に位置するマダガスカルから、さらに東へ800キロメートルの距離に位置しています。海底火山の噴火によって誕生したこの島のシンボルは、島らしからぬ高い標高を持つふたつの山。それらを中心に鋭く尖った峰やそそり立つ断崖絶壁、月面を彷彿させる大地など、ダイナミックという他ない風景が広がっています。フランスの海外県として歴史を重ねてきたこと、そして多くの民族が行き交ってきたことによって育まれた島特有の文化や料理も大きな魅力です。

文・構成 / 多賀秀行 写真 / PEACE BOAT

レユニオン島の最高峰

レユニオン島の面積は沖縄本島の2倍ほど。実にその40%にも及ぶエリアが「レユニオン島の尖峰群、圏谷郡および絶壁群」として世界自然遺産に登録されています。類稀なその光景を一望できる大展望台「ピトン・マイド(標高2,190メートル)」へは、片道2時間の旅。レユニオン島最高峰にしてインド洋最高峰でもある「ピトン・デ・ネージュ(標高3,071メートル)」、その山を中心に入り組む険しい山々と谷、さらにはヘリや徒歩でしかアクセスできないマファト圏谷の村――。展望台に立つと、これらが織りなすダイナミックな景色が眼下に広がります。迫力、そして美しさにただただ息を呑むしかありません。

レユニオン島は、ハイカーにとって天国のような島でもあります。標識がついているコースだけでも全長900キロメートルに及ぶほどで、長短さまざまなハイキングコースが設定されているのです。そのひとつには、展望台「ピトン・マイド」から出発するものも。日本とは異なる植物の間を歩くだけで心が弾みますが、視線の先に現れるのは「インド洋の屋根」とも称される最高峰「ピトン・デ・ネージュ」や可愛らしい村々。移りゆく景色があまりにも素晴らしく、ついつい何度も足を止めて眺めてしまいます。

Ⓒ Matsuda Sakika
地球の息吹を感じる活火山へ

最高峰こそ「ピトン・デ・ネージュ」に譲るものの、「ピトン・ドゥ・ラ・フルネーズ(標高2,632メートル)」もこの島を象徴する山。12,000年前に火山活動を休止した「ピトン・デ・ネージュ」とは対照的に現在も活動を続けており、年に数回マグマを噴き出し、火山灰を降らせます。「火山道路」と名付けられた景勝ルートをバスで走れば、月面と見紛う砂漠「ムーンランドスケープ」や「ピトン・ドゥ・ラ・フルネーズ」が織りなす特異な光景に包まれます。火口から山の麓へと流れ固まった溶岩流の大地を歩いてみると、別の惑星を訪ねているよう。足の裏から地球の鼓動を感じるような、エネルギーに満ちた山です。

ふたつのブルボンを堪能する

かつてブルボン島と呼ばれていたこの島では、その名を冠したコーヒー「ブルボンポワントゥ」が栽培されています。この豆は、フランスのルイ王朝が愛したものの、およそ60年もの間歴史から姿を消していたものです。21世紀に入り、幻のコーヒーの復活を求めた人びとの尽力によって現代に蘇ったその味と香り。本場で口にする一杯は、至極の味わいです。
そしてもうひとつ同様に楽しみたいのが、「ブルボンバニラ」。世界市場の99%が合成バニラという中にあって、この島は貴重な天然バニラの名産地でもあるのです。フランスをはじめ、多くの腕利きシェフが求める豊潤な甘い香りもぜひ。

Ⓒ Matsuda Sakika
多民族が育んだ島の味

クレオール料理と呼ばれるレユニオン島で提供される料理。フランスはもちろんですが、地理的そして歴史的要因からマダガスカルやインド、東アフリカ、中国など多くの地域の料理が融合してできたものです。その大きな特徴を一言で表せば、スパイスの効いた香ばし味わい。代表的なメニューは「ルガイユ・ソシス」というトマトをベースに玉ねぎやニンニク、ソーセージなどを煮込んだもの。食欲の減退しがちな暑い気候もなんのその、白米との相性も抜群で口へと運ぶ手が止まりません。

Ⓒ Okuhira Keita
レユニオン島の街と村

島北部に位置する首都サン・ドニは、南の島特有の青い海と南仏を思わせる白い壁とのコントラスが美しい街。街歩きをしていると、さまざまなルーツをもつ人びとが行き交っていることに気づきます。ヨーロッパ系、アフリカ系、アジア系、そしてそれらの民族が混じりあって生まれた「クレオール」と呼ばれる人びと。顔つきだけでなくファッションも異なるので、多民族が共に暮らすエキゾチックな雰囲気に満ちています。市場を覗いてみれば、ハンドクラフト製品や南国フルーツなどの、色彩豊かな品々に晴れやかな気分に。

海に面したサン・ドニとは雰囲気が大きく異なる内陸へ。 「サラジー村」には1839年建造の美しいノートルダム教会が健在しています。「エル・ブール村」も足を運びたいスポットのひとつ。「ピトン・デ・ネージュ」を囲む3つの圏谷のひとつ「サラジー圏谷」にあるもので、フランスで最も美しい村のひとつに数えられています。かつて温泉地として栄えたこの村の最大の特徴は、パステルカラーの建物が並ぶ可愛らしい町並み。一方で村を囲むのは、豊かな緑と起伏に富んだダイナミックな地形。その構成がなんとも素晴らしく、旅行者に人気なのもうなずけます。ふたつの山を中心とした大自然、そして街も村も。どこを訪れてもゆったりとした時間に身を委ねることができるレユニオン島へ。

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