東西の文化が融合した、マレーシアへ
「船はマラッカ海峡をゆき、マレーシアへ」
大海原にポツンと一隻。地球一周クルーズの大半を占める360度を海に囲まれた景色は、船旅の醍醐味のひとつ。一方で、マラッカ海峡に広がる真逆の景色もまた船旅ならではのものです。そこは太平洋とインド洋を最短で結ぶ、世界で最も交通量が多い海峡。全長はおよそ1,000km。「海のシルクロード」の要衝として古くから、そして現在も多くの船が行き交っています。ピースボートクルーズも、この海峡を進む大小の船の群れに混じって、次なる寄港地マレーシアへと舵を取ります。
新しい発見と感動が待つ世界一周クルーズの資料をお届けします[無料]
文・構成/多賀秀行 写真/PEACE BOAT
マラッカ海峡が育んだプラナカン文化
複数の民族が暮らすマレーシアは、多彩な文化も大きな魅力。マラッカ海峡を進むクルーズでは、その中のひとつプラナカン文化にふれます。「プラナカン」とは15世紀以降、マレーシアに移り住んだ移民とマレー人の間に生まれた子孫たちのこと。かつ中国本土から渡ってきた人の子孫の男性を「ババ」、女性を「ニョニャ」と呼びます。マラッカ海峡を舞台に貿易商として成功した彼らが築いたのは、中国、マレー、そして西洋の文化をミックスさせたプラナカン文化。現在も多く残る建造物から往時の栄華を、そして独特な世界観を感じることができます。
文化を楽しむのに外せないのが地元の味「ニョニャ料理」。その名の通り、女性が作った家庭料理が発祥です。ベースとなるのは中華料理。そこにココナッツやウコン、レモングラスなどマレー料理に使うスパイスを加えたものです。食事が運ばれてくると、その香りに食欲が刺激され、ひとくち口にすると重なり合う味に食文化の融合を感じます。また、食といえばモーニングマーケットやナイトマーケットも足を運びたいスポット。人々の胃袋だけでなく日常を支えてきた文化のひとつで、所狭しと並ぶ食材、土産、家電、衣服…なにもかもが詰め込まれています。歩き回るだけで、マレーシアの「リアル」を体感できます。
世界遺産を抱く、ペナン島へ
マレー半島と橋で繋がるペナン島。船が着岸するのは、その北東部に位置する世界遺産の街・ジョージタウンです。東南アジア特有の湿った空気に迎えられ、さっそく街歩きへ。次々と目に入る中国語の看板や西洋風の建物。この街が歩んできた歴史通りの、世界遺産の名にふさわしい街並みが続きます。それにしても、日中の気温は堪えます。いくつものアイスクリーム屋を素通りしたものの、ついに誘惑に負け店内へ。オーダーしたのは、一番人気のココナッツ味。甘すぎず濃厚すぎず、爽やかな味が暑い気候によく合います。クールダウンした後は、アート巡りへ出発です。
実はこの街、これまでは歴史的な文化が一番の見どころでした。しかし現在は、アートの街としても広く知られています。きっかけはリトアニア出身のアーティストが描いた壁画。それをきっかけに多くの作品が街のあちこちに誕生したのです。ふるぼけたコンクリートの外壁に描かれた壁画や針金を曲げて描かれたものなど「あっ、こっちにも。おっ、ここにも」と、街歩きを一層楽しいものにしてくれます。「アートの街」としては10年ちょっとと浅い歴史ではあるものの、さながら屋外美術館のような街なのです。日が傾くころにはだいぶ暑さも和らぎます。かつての船乗りたちも見たであろう夜景を眺めながらこのペナン島を後にします。
ペナン島の北、およそ120km。そこに浮かぶランカウイ島もマレーシアを代表する島です。この島の魅力はなんといっても手付かずの自然。アジア最古のジャングルからマングローブ林、数億年もの古い地層まで。ユネスコの世界ジオパークに認定されているほど貴重なものです。人気のスポットのひとつが、標高709mのマチンチャン山頂。山の麓からケーブルカーに乗りこんで頂上へ。生い茂るジャングルと美しいアンダマン海、天気がよければ隣国・タイの島までもが見えることも。さらにそこから伸びている吊り橋「ランカウイ・スカイブリッジ」も見逃せないスポット。足がすくむほどの高さに設置されたこの空中回廊からも絶景を楽しめます。
ランカウイ島はビーチリゾートとしても人気で、青い海と白い砂浜を求めて世界中から旅行者が訪れる島でもあります。ビーチに行くだけで、極上のリゾート気分を味わうことができます。また島の中心地・クア・タウンを歩けば、ショッピングも楽しめます。マレーシアを代表するろうけつ染めされた布製品「バティック」だけでなく、可愛らしい木製の雑貨や消毒の効果があるといわれるナマコ成分を配合した石鹸など、素敵なお土産が多く揃っています。夜にはナイトマーケットもオープン。昼も夜も。山も海も街も。ランカウイ島では、多彩な楽しみ方ができるのです。
この記事に関連する記事
この記事を読んだ方へのおすすめクルーズ
-
2359view
-
855view
-
801view
この記事に関連する記事
この記事を読んだ方への
おすすめクルーズ
パンフレットをお届け!
今資料請求をいただいた皆さまには、世界一周クルーズがもっと楽しみになる情報が満載のパンフレットをお送りします。この機会にぜひ資料をご請求ください。