特別な天体ショー「金環皆既日食」
2023年4月20日、最もまれな種類の日食「金環皆既日食(金環皆既食、hybrid eclipse)」と呼ばれる天体ショーをピースボートクルーズで観測するため、日食の完全なフェーズとなる東ティモール沖に向け航海しました。
それまで明るかった空がみるみる暗くなり太陽が消える――世にも不思議な自然現象・皆既日食は、地球と月、太陽の周期のめぐりあわせによって生じる奇跡の瞬間です。
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奇跡の瞬間を待つ
金環皆既日食は、その経路に沿って、金環日食から皆既日食へ(またはその逆)変化するという、まれな日食の種類です。洋上では、この奇跡の瞬間を迎えるにあたり連日、天文学の専門家による講座が行われました。「金環皆既日食は約10年に1回世界で起こる」という話を聞くと、「生きている間にまた見ることがあるかなぁ」「世界一周クルーズ中の船上から見ることは二度とないな」などといった声が。 いよいよ当日。朝デッキに出ると、雲一つない晴天です。これから昼にかけて起こる奇跡の天体ショーにますます、期待が膨らみます。
皆既日食が起こるのは、太陽が輝く白昼のこと。東ティモール沖の洋上は、さんさんと太陽が照り付けじっとしているだけでも汗ばんできます。それでも、デッキにはこの日を心待ちにしていた大勢のギャラリーが集まり、日食グラスを片手に思い思いに空を見上げます。中には本格的なカメラや望遠鏡を設置している方もいて、期待値の高さが伺えます。 そして船時間の10時30分ごろ、徐々に太陽が欠け始めました。
大海原でみる奇跡の天体ショー
「食のはじまり」が訪れると、空が次第に青色から鉛色へと移っていきます。部分食が進むに従って空は暗くなり、少しずつ涼しくなってくることを肌で感じました。 そして、船時間12時10分に完全に太陽は隠れ、突如として空は闇に支配されました。見上げた太陽には月が重なり真っ黒に見え、その周りを取り巻く希薄なガス「コロナ」が縁取ります。部分日食ではなく皆既日食だからこそ見られるのが、黒い太陽を取り巻く美しいコロナの光。太陽と月が織りなす神秘的な光景です。 その時間、約1分ほどですが肉眼で太陽を見ることができました。集まった方々からは自然と拍手がおこり、デッキは歓声につつまれました。
真っ昼間に訪れたしばしの夜に、不思議な感覚に陥っていると、再び太陽が輝きだしました。「ダイヤモンドリング」です。圧倒的な美しさに、観測をしていた方々の中には「鳥肌がたった」と話す人も。地球一周の旅路で出会う神秘的なこの光景は、一生忘れられない思い出となることでしょう。 そして、より良好な環境で皆既日食観測を可能にするために欠かせないのが、天体の専門家によるナビゲートです。出航前から洋上での皆既日食観測を監修していただき、実際に観測時にもご乗船くださったのは、ピースボートで”星空の専門家”として水先案内人を務める元国立天文台研究員の伊東昌市さんをはじめとした天文学チームの皆さんです。
今回は天体の専門家チーム、船長をはじめとした船側のチームと綿密な打ち合わせを繰り返し、観測ポイントを選定、今回のチャレンジを実現しました。 ピースボートクルーズは、南緯 10.43、東経 124.41の位置、中心食(太陽が完全に隠れる時間)が約1分13秒になる地点から観測をしました。 この位置で観測ができたことに、パシフィック・ワールド号のカスパー船長は「素晴らしい天候に恵まれ、最高の観測地点で金環皆既日食を見ることができました。完全な日食をお客さま全員に届けるために乗船いただいた天文の専門家の方々や、乗組員のサポートに感謝いたします」と語りました。
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