クルーズコレクション

新たな時を刻むピースボートクルーズ

2023年7月5日

クルーズライフ -Cruise Life-

新たな時を刻むピースボートクルーズ

ピースボートクルーズでは、1983年の第一回クルーズからこれまで、その時代ごとに船をチャーターをするかたちでクルーズを実施してきました。2023年4月7日に出航した世界一周クルーズからは、新たなる船をチャーターしてのクルーズがはじまり、その新たなる船での門出に航海作家のカナマルトモヨシさんに乗船いただきました。

文・構成:カナマルトモヨシ(航海作家)
日本各地のみならず世界の五大陸をクルーズで訪問した経験を持つ航海作家。世界の客船を紹介する『クルーズシップ・コレクション』での執筆や雑誌『クルーズ』(海事プレス社)に連載記事やクルーズレポートを寄稿している。

新たな時を刻むピースボートクルーズ
© Chiga Kenji

史上最も洗練されたピースボートクルーズ船

ついにピースボートクルーズの新チャーター船が世界一周へと船出した。横浜からロンドンまで、パシフィック・ワールド号での長い船旅を経験して確信した。この船こそ、ピースボートクルーズ史上最も洗練された客船である、と。30年以上、ピースボートクルーズ歴代船の大半に乗ったり見学をしたりしてきたが、これほどのグレードの高さを持ちあわせていたものはなかった。それゆえ、これまでとは比べ物にならないほど快適な乗り心地で、上質なクルーズを満喫できた。それでは、新チャーター船の知られざる魅力を紹介していこう。

新たな時を刻むピースボートクルーズ
© Chiga Kenji

世界一周のためにある正統的クルーズシップ

アトリウムは4層吹き抜け。シースルーのエレベーターが2基、上下に行き来する。クルーズビギナーはもちろん、ピースボートクルーズのリピーターもこの光景に「これまでの船とは違う」と驚きを隠さない。しかし、自分が刮目したのはそんな派手さとは対照的なところだ。デッキは木で覆われ、正統的な客船のたたずまい。船内も最近の客船にありがちな目もくらむ華美さはないが、全体的にシックなトーンでまとめられており、大人の雰囲気が漂う。これなら100日余の世界一周でも気疲れすることなく、ゆったりと落ち着いて過ごせる。まさに世界一周のためにあるような船だ。

新たな時を刻むピースボートクルーズ
© Yoshida Taisuke

地球上どこでも和食をいただける船旅

世界一周クルーズでは日本を100日以上離れる。日本の食べものが恋しい。そんなホームシックに悩まされることは、パシフィック・ワールド号では無縁だった。メインダイニングルームでは毎日、朝昼と和食の御膳が提供される。それはインド洋でもスエズ運河でも、さらに北極圏でも同じ。地球上どこにいても和食をいただけるのだ。また、寿司処「海(KAI)」ではランチに海鮮丼、夜は握り寿司のセットを提供。本格的な寿司が味わえるので、有料制にもかかわらず連夜予約でほぼ満席だった。また、屋台風居酒屋「波へい」で串焼きをつまみに日本酒を傾けるデッキの夜も、乙なものだ。

新たな時を刻むピースボートクルーズ
© Yoshida Taisuke

ホライゾンコートで食の世界一周を満喫

せっかくの世界一周クルーズ、世界中の料理を味わってみたい。そんな願いをかなえてくれるのが14階のホライゾンコート。朝5時から深夜24時まで営業しているので、いつ行っても食事にありつける。自分は、朝は中華粥・蒸餃子・点心などが定番で、地中海域のランチではパスタやピッツァ、スパニッシュオムレツなどを楽しんだ。また沖縄、韓国、シンガポールなどアジア料理も楽しみ。そしてインド風の本格的カレーは種類もバラエティに富み、どれも美味だ。インド系クルーが多いからだろうか。短時間のうちにさまざまな料理が登場するのは、もはやマジックである。

新たな時を刻むピースボートクルーズ
© Chiga Kenji

音楽の聞こえる船で多彩なバーを楽しむ

パシフィック・ワールド号。それは音楽の聞こえる船である。朝はインターナショナルカフェでカプチーノを飲みながらピアノの生演奏に耳を傾ける。昼下がりはクルーナーズバーでピアノの音色にあわせた歌声に聞きほれる。そして夜、ホイールハウスバーでバイオリンやバンドの生演奏。それにあわせて躍る人たちで賑やかだ。出航1ヵ月もすると、ウィスキーのボトルキープをする「常連さん」も続々現れた。ちなみにホイールハウスバーには、ピースボートクルーズが以前チャーターしていた「オセアニック号」の船鐘がある。それは進化した世界一周クルーズの現在を、静かに見守っている。

新たな時を刻むピースボートクルーズ
© Chiga Kenji

誰もが居場所を見つけられる広い船内

歴代船に比べて、特に何が違うか。そう問われれば、「誰もが居場所を見つけられる船」と答える。上下はレセプションのあるデッキ5から最上階のデッキ15、左右は船首から船尾まで。その船内空間の広さと多彩な施設が特長だ。それゆえ1400人の乗客がいても、必ず自分のお気に入りのスペースが見つかる。従来の船のように、乗客が密集する場所がほとんどないのも、落ち着いた船旅を楽しむには最適だ。ちなみに個人的におススメの場所は、デッキ15のサンクチュアリ。聖域という名の通り、陽射しを避けながら波の音に耳を傾けられる、隠れ家的空間だ。

新たな時を刻むピースボートクルーズ
© Chiga Kenji

バルコニーでルームサービスの朝食を

オーシャンビューのキャビンが豊富なのも、歴代船にはなかった特長だ。そのうち7割にのぼる410室がバルコニー付きキャビン。また、ベッドルームとリビングエリアで54平方メートルの広さを誇り、バスタブ・ミニバー完備の「バルコニースイート」など高級キャビンが大幅に増えた。またキャビンにルームサービスが導入されており、ダイニングルームやホライゾンコートに足を運ぶのが面倒な朝は、つい利用してしまう。バルコニーから島や岬などを眺めるシーニック・クルーズを楽しみつつ朝食を。そんな贅沢な時間もたっぷり楽しめる。
※ルームサービスは、シェアタイプのキャビンではご利用いただけません。

新たな時を刻むピースボートクルーズ
© Chiga Kenji

ラグジュアリーではなくリュクスなクルーズ

ハイグレードキャビン乗客専用のオーシャンズクラブ(会員制)に何度かお邪魔した。サービスのコーヒーの味が格別だ。シックな内装を基調とした室内には表面的な豪華さを示す「ラグジュアリー」とは異なる、本質的な豊かさを意味する「リュクス」な雰囲気に包まれる。それはパシフィック・ワールド号という船全体にも当てはまるのではなかろうか。キャビンのグレードは高低あれど、値段ではなく自分が本当に気に入ったものこそが、真の贅沢。レジャークルーズとしても充分満足できる世界一周の船旅で、リュクスとは何かを学べたような気がした。

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