私の見たフレンドリーな世界をみんなへ
両親が中国にルーツがあり、自身は日本生まれながらも中国の文化圏の中で育ったKanaeさん。高校からは日本の学校へ通ったため、中国語を使う意味を見出せなくなる経験もありましたが、大人になるにつれ、中国と日本どちらの文化も自分にとって大切だと感じるようになったと語ります。今、さらに国境を越えアジア各地を旅するKanaeさんに旅が持つ魅力について伺いました。
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Kanae
神奈川県出身。中国福建省にルーツを持つ。4言語(中国語、英語、韓国語、日本語)を操り、独自の世界観で情報発信をする旅系インフルエンサー。インドネシアのバリ島を心から愛する。
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旅するツールとしての、言語の優秀さ
もともと歴史が好きだったんです。中学までは中華系の学校に行っていたので中国の歴史を学ぶときに、日本の歴史や世界史なんかも学ぶんですね。その中で新たな気づきも増えるし、もし旅先の国の言語が喋れたら自分の知りたい歴史のこととか、いろんなことを自分の口で聞けるんじゃないかなと。そこから語学に興味が湧きました。言葉が喋れないと、今自分のできる範囲のスペックでしか旅行できないですよね。でも、言葉が話せると現地の人に自分の言葉で直接気になることを聞ける――その素晴らしさに気付いてからは、どんどん海外旅行の魅力や語学の習得にのめり込んでいった感じですね。
英語はいつの頃からか、「これ中国語に似てるな」と頭の中で処理できるようになって。旅先でも同じようなフレーズを繰り返し使っていたら、どんどん吸収していきました。韓国語はドラマ好きだったことが影響して(笑)。最初は訳付きで観ていたけど、何気ない瞬間に「私ならこう訳すな~」って思ったときがあって。自分でも知らないうちにリスニングができていたみたいなんです。ちょうどコロナ禍だったし時間もあったから本腰を入れて勉強して、海外にいる友だちにもお願いして韓国語で会話を重ねました。自分の中の「学びたい欲」をリンクさせながら、気づいたら4か国語をマスターしていましたね。
楽しみの表現の仕方は無限大!
言葉が喋れるようになって海外へ行くと、自分が「ありえない」と思っていたことがその国では普通のことなんだって気づくことも増えて、「もっと知りたい」と思うことも。私が一番好きなインドネシアのバリ島での話ですが、バリの人たちってとても名前が似ていて、名前の中に「〇〇の長男」のような名称が付いているなど、覚えにくくて……。そんなバリの名付け文化に出会ったのがきっかけで、友人と一緒に作ったのが「バリ友図鑑」。バリで出会った人たちの写真を撮って一冊の本にまとめて、せっかくなら次に会いに行ったときに本人たちからサインをもらえば楽しいかも!という思い付きから始まりました。
本が完成してバリにいる本人たちに見せに行ったら、「なにこれ!」と爆笑されて!すごくおもしろがって、喜んでサインしてくれました。バリでお世話になっているガイドさんの家族も載せたら、「僕の家族まで入れてくれてありがとう」とお礼を言われて。さらに仲良くなれたし、あれは発明でしたね。将来的にはバリにエアビーのような宿を作りたいと思っています。現地の友人は観光業に従事している人が多いのですが、コロナで仕事を失った人もたくさんいて。だから宿をつくってその人たちに仕事をしてもらって、生活に困らないような仕組みをつくるのが大きな目標。大好きなバリの良さをもっと広めていきたいんです。
SNSは旅情をシェアする感覚
インスタグラム(以下、インスタ)を始める前まで旅は「私だけのもの」でしたが、それを発信するとなったときに、もちろん自分が楽しいのが一番だけど、見ている人たちも同じような気持ちで旅してる気分になってくれたらいいなと思うようになりました。以前、投稿を見たフォロワーの子から「この前カナエちゃんの投稿に載っていた〇〇のあの子に会って来ました」って報告をもらったこともありました。現地の友人からも「今日カナエのインスタを見て来てくれた子がいたから、一杯サービスしといたよ」って連絡がきたり(笑)そういうのがすごくうれしいですね。
世界を知る楽しみをみんなで
ピースボートクルーズに乗る前は、正直若い子は少ないんじゃないかって思ってたんです。検索しても、そういう情報はあまり引っかからなかったし。でも実際乗ってみたら若者が200人近くいて、こんなにいるんだ!と驚きましたね。船内もすごく快適だったし、年配の方や他の年代の方も含めて、普段日本では出会えないような人たちに出会えたのが新鮮でした。100日という旅を経験したことで自信がついた面もあっただろうし、皆さんすごく楽しそうに旅をしているのが印象的でしたね。帰国後に私の投稿を見て、ピースボートの旅に興味をもって質問してくれる子が増えたのもうれしかったです。
やっぱり私は、海外やそこに暮らす人が好きで、もとを辿れば「人が好き」って想いが強いんです。だからいろんな言語が使える強みを活かして、インスタでは“海外の人と関わっている私”とか“現地の人たちの姿”を写すことをメインにしていますね。ただ場所やスポットを載せるのは誰でもできることだから、「こんな楽しい遊び方があるよ」とか「こんなふうに関われば現地の人も心を開いてくれるよ」というのが伝わるような発信をすることを意識しています。国や文化の間に横たわる壁を超え、私から心を開く――そうすれば世界との距離も縮まっていくような気がしています。
Kanaeさんはメッセンジャープロジェクトのメンバーとして、2023年にピースボートクルーズに乗船しました。
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