クルーズコレクション

文芸研究家が語る、芸術とめぐる世界一周

2022年8月1日

文芸研究家が語る、芸術とめぐる世界一周

地球が創り出した芸術ともいえる風景から、名作といわれる小説や歌の舞台となった国や土地、建築物まで。世界一周クルーズでめぐる世界は、見る人を魅了する感動であふれています。文芸研究家として、世界各地を訪れ、その感動を紐解き発信しているカジポン・マルコ・残月氏に旅の魅力を伺います。

文:カジポン・マルコ・残月
文芸研究家・墓マイラー。大学時代に文芸研究会を旗揚げ、35年にわたり101カ国、2,500人以上の墓参りを行う。自らの造語「墓マイラー」は「大辞林」「現代用語の基礎知識」に掲載された。著書に「墓マイラー・カジポンの世界音楽家巡礼記」(音楽之友社)など多数。

文芸研究家が語る、芸術とめぐる世界一周
© Wikimedia Commons / Pharos

旅に出る動機は人によって様々だ。僕は敬愛する芸術家や作家など歴史上の偉人の足跡をたどり、彼らが本当にこの世界に実在したことを肌身で知りたくて海外に飛び出した。生家や墓所を訪ねると故人の存在がグッと近くなる。
「芸術」や「文学」と聞くと、”何だか難しそう”と斜めに構えてしまいがちだけど、僕の場合、一気に親しみやすくなるマジックワードがあった。「どうして残ったんだろう?」というものだ。星の数ほど音楽や絵画があるなか、なぜ現代までその作品が残ったのか?どうして先人たちはそれを”選んで”残したのだろう?こう考え始めた瞬間、すべての作品が僕の好奇心を刺激し、輝き始めた。

文芸研究家が語る、芸術とめぐる世界一周

人間が持つ”共感力”はすごい。芸術とは、他人の心の動きが形になったもの。この共感力があればこそ、心を重ねて自分の物語として悲喜こもごもの感情を共有し、「この作品は後世に残さなくちゃいけない」と、ベートーヴェンの親族でも直接の知り合いでもない人たちが、彼の没後約200年も「『第九』はいいよ!」と、バトンを手渡すように作品を受け継いできた。
人間は文化や国籍が違っても、相違点よりも共通点の方が”はるかに”多い、と実感している。民族的な価値観に違いはあっても、根底に流れる喜怒哀楽の感情や家族愛、友情は同じ。旅と芸術がそのことを僕に教えてくれた。

文芸研究家が語る、芸術とめぐる世界一周

アクロポリスのパルテノン(ギリシャ)

ギリシャ語で「高い町」を意味するアクロポリス。石灰岩の丘にそびえる白亜のパルテノン神殿は、アテネの黄金時代、紀元前438年に守護神アテナを祀るため造られた。46本の石柱で支えられ、完成当時は内部に金色の巨大アテナ像が立っていたという。丘の上にはニケ神殿やエレクティオン神殿などが建ち並び、2,500年前にソクラテスやプラトンが見た景色を、自分も見つめていることにロマンを感じる。

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ワディラム(ヨルダン)

赤土の砂漠の中に岩山や巨石が点在し、夜は満天の星の下でキャンプを楽しめる世界遺産ワディラム。 “月の谷”とも呼ばれるヨルダン最大の涸れ谷(ワディ)で、古代人の壁画なども残る。一帯にはベドウィン(遊牧民)が暮らしラクダがたたずみ、一度訪れると一生忘れられない土地だ。映画『アラビアのロレンス』のロケ地であり、火星のような景色は『スター・ウォーズ』『オデッセイ』などSF映画にも多く登場している。ヨルダンでは他に岩壁を削った古代都市ペトラも訪れたい。ピンク色の岩壁を掘り出して造った神殿の美しさに心を奪われる。

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© Wikimedia Commons / Ismoon

ニューヨーク(米国)

世界で最も刺激的な摩天楼の街。あらゆる人種が共生する米国の縮図であり、異文化交流が生むパワフルなエネルギーが街を発展させてきた。見どころは多く、ゴッホの『星月夜』が人気のニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、”世界の交差点”タイムズ・スクエア、国連本部(内部も見学可能)、マンハッタンの象徴エンパイア・ステート・ビル(381m)、”世界最大級のオペラハウス”メトロポリタン歌劇場、空中散歩ができるブルックリン橋、天井画が星座の巨大駅グランド・セントラル・ターミナル等々。

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自由と民主主義を尊ぶアメリカの象徴「自由の女神」は、アメリカ独立100周年を記念して、独立を支援したフランス人民から贈られた。右手には世界を照らすたいまつを、左手には独立記念日の日付「1776年7月4日」が刻まれた独立宣言書を持つ。ローマ神話における自由の女神リベルタスをかたどり、女神の冠の7つの突起は、7つの大陸と7つの海を表し、世界の人々が自由を手にすることを願っている。 また、故ジョン・レノンの住居ダコタハウスに面するセントラルパークには、地面に「イマジン」と刻まれたジョンのメモリアル広場があり、世界中からビートルズファンが集まる。

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マチュピチュ(ペルー)

様々な世界遺産の人気投票で第1位に輝くインカ文明の”天空の都市”。ラピュタのような世界が標高2,500mのアンデスの山尾根に築かれ、遺跡の広さは13km²に及ぶ。石造の家と段々畑が連なり、神殿からは優れた土木技術がうかがえる。秘境ゆえにスペイン人の侵略を受けず、インカ様式をそのまま今日に伝える貴重な遺跡だ。小鳥の声だけが聞こえる静かな空間に身をおくと、タイムスリップしたような感覚になる。

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レイキャビク(アイスランド)

北極圏付近の大きな火山島を領土とする共和国。100を超える火山があるため周期的に湯やガスを噴き上げる間欠泉が多く、「グレート・ゲイシール」は最大で60mにものぼる熱湯の柱を噴出し迫力満点だ。観光の人気No.1は「世界の絶景25」にも選ばれた世界最大の温水プール・ブルーラグーン。コンビニ50店舗分ほどの広さに水色のミルクのようなお湯がたっぷり。他にも、アイスランドは全土で温泉が湧き、その数約800箇所!国民幸福度で常に上位の理由のひとつに”温泉天国”もあるだろう。

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