「ミニチュアの大陸」と称される、美しき島
カナリア諸島を構成する8つの島が浮かんでいるのは、アフリカ大陸北西部の沖合、モロッコからおよそ100〜500kmの距離。スペインに属しているものの、地理的には圧倒的にアフリカ大陸に近い場所にあります。日本ではあまり馴染みのない旅先ですが「大西洋のハワイ」と呼ばれ、燦々と輝く太陽と美しい海、そして島料理に固有の文化などいくつもの魅力を有しています。「世界一周クルーズに参加しなければ、きっと知ることも、訪れることもなかったと思う。でも、来てよかった」という人も多いカナリア諸島を紹介します。
新しい発見と感動が待つ世界一周クルーズの資料をお届けします[無料]
文・構成 / 多賀秀行 写真 / PEACE BOAT
海と砂が織り成す絶景
船が寄港するのは8つの有人島のひとつで、諸島最大の都市ラスパルマスがあるグラン・カナリア島。ビーチ、渓谷、松林に覆われた山など、多様な景観が存在していることから「ミニチュアの大陸」と呼ばれている島です。その言葉を象徴するひとつが、島南部の海沿いに位置する「マスパロマス砂丘」。美しい海とビーチから繋がる砂丘が織り成す景観を同時に一望することができます。しかもこの砂は、海を隔てたアフリカ大陸のサハラ砂漠から風によって運ばれてきたものといわれています。
目前に広がる砂丘を見ると、見事なまでにみな童心に帰ってしまいます。サンダルを脱ぎ捨て「いざっ!」と、勢いよく足を砂に埋めると「熱いっ!」。耐えられないほどではありませんが、太陽に照らされた砂はなかなかの熱さ。「もう無理〜」なんて声もあちこちから聞こえてきます。丘の上に登りきり、足下から視線を上げ周囲を見渡せば、足跡ひとつない、風の力によって描かれる美しい風紋が目を楽しませてくれます。まさか大西洋に浮かぶ島で「世界最大級のサハラ砂漠」を歩くとは。こんな体験もグラン・カナリア島特有のものです。
大航海時代から育まれたカナリア文化にふれる
15世紀中頃。大航海時代が幕を開けて間もない頃に、カナリア諸島はスペイン領となりました。スペインから南米大陸へと向かう船の重要な中継拠点となったのです。それにより生まれたのがカナリア文化。先住民族・グアンチェ族が継承してきた文化にスペインや南米、そして北アフリカなどから渡ってきた人びとの文化が混ざり合ったものです。伝統文化が特に色濃く残るインヘニオ市では、文化体験プログラムも。まずは民族衣装の試着体験。あまりにもカラフルなそれは、日本では着る機会のないような派手なもの。「こんな派手な柄の服は、普段なかなか着られないね」との声が上がりますが、表情は満面の笑顔。
カナリアの衣装に身を包んだら、気分はすっかりカナリア人。現地の人のサポートでカナリアダンスにもチャレンジしてみます。最初はちょっと難しく感じますが、慣れてくると音楽に合わせて踊れるように。普段とは違う自分に驚きつつも同時に高揚感に満たされます。そして気付けば昼食の時間。カナリアを代表する伝統料理「パパス・アルガーダス」をいただきます。それは、新大陸から伝わってきた皮付きの小さいジャガイモをゆで、その上に「モホ(Mojo)ソース」をかけたものです。
カナリア伝統料理を味わう
モホソースこそがカナリアの味。ニンニクとパプリカの風味を効かせたオリーブオイルをベースにお酢やレモンで味付け、そこに鷹の爪を効かせたピリッと辛い爽やかな風味の赤いソースです。ちなみにシーフード料理にはバジルや香草を加えた緑のモホソースを使うそう。このソースをゆでた皮付きのジャガイモにかけてみると……、相性抜群!口へと運ぶ手が止まらない美味しさです。また、この島はスペイン領だけに良質なワインもリーズナブルな価格で堪能できます。肉料理には赤、魚料理には白が基本といわれますが、どちらも美味しいのでお好みの色で。
グラン・カナリア島の古都を歩く
グラン・カナリア島ではもちろん街歩きだって楽しめます。島の北部に位置するアルーカスの街は、カラフルで可愛らしい建物が並んでいます。その中にあって一際目を引くのが、街のシンボル「サン・フアン・バウティスタ教会」。必見は内部のステンドグラスで、その豊かな色彩は美しいという他ありません。また、スペイン風の石材建築が続くテロールの街などのフォトジェニックな街があり、さらに「ヒロシマ・ナガサキ広場」と名付けられた場所もあります。そこにあるのは、スペイン語で日本の憲法9条が刻まれた碑。日本から遥か遠いこの島で、9条が平和の大切さを訴え続けているのです。
大西洋に浮かぶ島で山歩き
グラン・カナリア島の人気アクティビティがハイキングにトレッキング。木陰を作る背の高い木々、足下には湿り気のある土や落ち葉という、日本の低山でよく見られるものとは真逆の光景の中を歩きます。サボテンなど背の低い草木、足場は砂利道、視界を遮るものがほぼない開けた景色を堪能しながらの山歩きです。容赦ない日射しが降り注ぎますが、「常春の島」とも呼ばれる通り、乾いた空気の中、爽やかな風を感じながら歩けば清々しい気持ちに。日本のそれとはまた違う山歩きは、忘れられない特別な想い出になることでしょう。
この記事に関連する記事
この記事を読んだ方へのおすすめクルーズ
-
2849view
-
1029view
-
971view
この記事に関連する記事
この記事を読んだ方への
おすすめクルーズ
パンフレットをお届け!
今資料請求をいただいた皆さまには、世界一周クルーズがもっと楽しみになる情報が満載のパンフレットをお送りします。この機会にぜひ資料をご請求ください。